国会よりBlog

11月22日原子力問題調査特別委員会議事録

【注】福島第二原発3号機使用済燃料プール冷却停止に係る田中政府特別補佐人(原子力規制委員長)の答弁(下線部)については問題があり、12月9日の本委員会で田中委員長より謝罪と訂正の答弁がありました(⇒議事録)。

 

【参照】11月22日の原子力問題調査特別委員会での阿部知子質問及び田中原子力規制委員長答弁について

    田中原子力規制委員長が11月22日の答弁について謝罪

 

----------

 

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 冒頭、委員長には通告をしてございませんが、けさ方の東京電力福島第二・三号炉の冷却用のポンプの停止、一時間半ほどで復旧をして、他のルートからの冷却水が入っているようでございますが、ここにおいて、委員長がまだこれから原因あるいは今後の対策等もお考えになろうかとは思いますが、少し確認をさせていただきます。

 私は、けさ方このニュースを聞いて、ああ、こういうことでも冷却用の水はとまってしまうんだろうかと、一つは驚き、そして、当初の報道ですと、一時間とまると〇・二度の温度上昇だと言われておりましたが、一時間半の停止で二十八・七度から二十九・五度、〇・八度上昇しておりました。当初、一週間くらいはお水がなくてもと言われましたが、もしこの上昇幅が違えば、もっと実はこの事態が進行するのが早いというふうに思いましたので、二点お尋ねをしたいです。

 冷却用のポンプの停止、そして予測よりも早い温度上昇は、何か委員長としてお考えになるところはおありでしょうか。

田中政府特別補佐人 まず、温度の点が非常に明快なんですけれども、実は、先生がどこで入手された情報かわかりませんけれども、私どもが得たところですと、二十八・七度というのはポンプの出口に近いところ。それで、実際にプールの温度をはかりますと、二十九・三度だったのが二十九・五度という、やはり〇・二度ということで、そこには間違いはないんだということでありまして、はかった場所が違うのに、何かちょっとそういう誤解を招くような報道があったのではないかということでありますので、もしそうであれば、やはりきちっと間違いのない報道をするように私どもとしても注意したいと思います

【下線部の答弁の問題については冒頭の注を参照】

 それから、このポンプの性格ですが、プールの上面、上の方に浮かぶごみのようなものを取り除くことも兼ねたようなポンプで、ポンプの水の吸い込み口がかなり表面にあったということで、それが空になってとまったということで、それだけで冷却が完全にとまってしまうというようなものでもありませんので、ただ、そういうふうにしてもポンプはとまるということも十分に反省材料として、今後原因をきちっと根本原因も含めて検討して、その上で対応させていただきたいと思います。

〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

阿部委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。稼働していなくても、使用済み燃料プールの問題は非常に危険のあることですので、今の委員長の御指摘の点も踏まえて、また原子力規制庁としてもより安全な方向に進めていただきたいと思います。

 私のこれからの質問は経済産業省の政務官にほとんどお聞きをいたしますので、委員長には、お聞きになっていただいているということでお願いをいたします。

 私が本日取り上げたいのは、原子力にかかわる費用負担の問題でございます。

 ことしの九月でありましたけれども、毎日新聞の報道で、福島の第一原発の廃炉費用と、またそれ以外の一般の原発の廃炉費用を、今後、託送料金、送電の料金に乗せるというような記事が出た後、九月の二十日に、政府の方で、東電改革・一F問題委員会と電力システム改革貫徹小委員会、さらに原子力損害賠償制度の専門部会という三つが立ち上がりました。

 私はもともと、例えば廃炉の費用をこれからの託送料に乗せるなんて、よもや、まさかお門違いだなとはっきり言えば思っておりましたが、この三つの委員会の審議が進めば進むほど、何だか託送料金の可能性がクローズアップされておりまして、ちょっとここで明確にさせていただきたいと思います。

 まず、お手元の資料の一枚目を見ていただきますと、ここには、事故を起こした福島第一原発事故の費用負担の問題で、国民負担の現状というものを、これは私の事務所で鋭意いろいろピックアップいたしまして作成したものでございます。

 実は、こういうものを作成しようと思ったきっかけは、これも二週間ほど前、NHKスペシャルで廃炉シリーズの三弾として、今、東京電力福島第一原発の廃炉や賠償や除染などで生じている費用負担がよくわからず、そして、結果的にその七割が国民負担ではないかという指摘がありました。そうであれば大変なことですし、まず見える化するということが国民合意の上でも大事であろうと思って、私の方でつくらせていただきました。

 少し例を挙げさせていただきますが、一F安定化維持費用というのは、例えば防護服とかマスクとか、今一Fを安定させるために使っているいろいろな道具というかそういうものも含めた費用で、八百三十六億が二〇一五年度。

 そして、その下の廃止措置資産償却費というのは、例えば、以前であればALPS等の装置を使って、それを費用として認識していたわけですが、実は、二〇一四年の三月末以降でここが幾らになっているのか、それ以降が明確でありませんので、現段階における廃止措置資産償却費というのがわかりません。これは何を言っているかというと、事故が起きた後、廃止のためにいろいろな設備をつくりました、それの減価償却費の積み重ねでありますが、これがいろいろなものを見ましても明確に記載をされておりません。

 また、廃炉研究開発費というのは、これはもともと税金で出ておりまして、これも二〇一四年までは出ておりますが、その後は出ておりません。

 さらに、原子力発電施設解体引当金、これは、既にこれまで積んでいる、二〇一一年度分までの国民負担でありますので、今からではございませんが、これまで負担しました。

 次の、原賠機構法の一般負担金は、各電力会社が原賠機構のために負担しておりますが、実はみんな電気料金に乗せられておりますので、これも国民負担。

 賠償対応費用のうち、ここに書いてある二百五十九億は二〇一四年度までのコールセンター等々のですが、一五、一六はどうなったのかはどこにも出ていない。

 除染費用は、国が立てかえて、これまで三・八兆円。

 中間貯蔵施設費用が一・一兆円。

 これはあくまでも私の方でピックアップしたもので、また、途中まで、探してもないので、ここまでしか自力ではできなかったというものですが、経済産業省の方から、これは既に国民負担ないしは負担していただいたものですから、明確にしていただきたいが、いかがでしょう。

〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、全体の一F事故に係る費用に関する情報提供、これをしっかり国民に提示していくべきだという点については重要な点だというふうに理解しております。

 これまでも費用負担のあり方等の情報につきましては可能な範囲で御説明してきているところではございますけれども、より一層、情報提供等はしっかりやり、対応し、全体の数字についてもわかりやすい説明を心がけていきたい、このように考えております。

阿部委員 これはくれぐれもお願いいたします。いろいろな資料をひっくり返しても、どうしても出ていないので、お役所の方できちんと提示をしていただきたい。

 資料の二枚目でございますが、これは電力システム改革貫徹のための政策小委員会の財務会計ワーキンググループで今検討している検討事項、通常炉の廃炉、事故炉の廃炉、原子力賠償などで、おのおの検討課題が出てございます。でも、これもまたすごくわかりづらくて、国民から見て、何を検討していて何が自分たちの負担にかかわってくるのかよくわかりません。

 そこで、私の方で、またもう一枚あけていただきまして、これは、この間のさまざまなワーキンググループ等々の検討の中で、託送料金に転嫁されるということが検討されているものの一覧をつくらせていただきました。これも私どものオリジナルでありますので、これ以外にもあるかもしれませんが、例えば、事故を起こした一号炉から四号炉、あるいは廃炉を決めた事故炉以外のものも、いわゆる廃止措置資産というものは、今後、託送料金にかけていく、あるいは、廃炉時の資産の残存簿価も、これは事故炉以外をかけていく。

 ここでとても重要なのは、四十年廃炉した場合も、六十年廃炉の予定だったということで、その費用も加わっていく、あるいは、解体引当金の未引き当て分も加わるなど、事故の廃炉費用、損害賠償費用も、一号炉から四号炉まで託送料金にかかわってくる。

 これは非常に、本当にわかりづらかったですけれども、引っ張り出してこれだけをつくりましたが、これは村瀬さんの方で、これで確かであるか、まだあるか、お願いいたします。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 きょう御提示いただいているこの資料、ワーキングにおける主な検討事項というのは、いわゆる貫徹小委員会という審議会において提示された資料でございます。このほかにも幾つか数字も含めたものを提示させていただいているところでございまして、そのような中で、数字についてはできる限りお示ししていきたいと思っておりますけれども、今、審議会でまだ方向性といいますか結論が出ていない論点が多いものですから、そのような審議の進捗も踏まえまして、しっかりとした数字をできる限りお示ししていきたいというふうに思っております。

 今配付されているこのゼロの会の事務局まとめというものの中には、いわゆる一般廃炉と、あと事故廃炉、賠償・廃炉費用ということを取り出して書いていただいているようでございますけれども、これは例えば、一般負担金以外に特別負担金といったようなものもございますので、できるだけ全体像がわかりやすいように、我々の方で工夫して、今後しっかりとした情報提供に心がけていきたいというふうに思っております。

阿部委員 要は、まだあるということで、そして、これらが明示されないのに託送料だ何とかだって決めないでいただきたいんですね。大体、論議する場もないんです。私は、大変おかしなことだと思います。わかりづらくて、論議の場がなくて、結果だけが国民負担に押しつけられるというのは、民主主義の原則に反していると思いますので、くれぐれも政務官にもお願いを申し上げます。論議が先行し過ぎていると私には見えます。

 さらにお尋ねをいたします。

 その次の資料をめくっていただきますと、この四というのは、先ほどの御答弁にも含まれておりますので、廃炉会計制度、これから、事故を起こしていない原子炉やあるいは事故炉の廃炉にかかわる費用も託送に乗せられるということを書いたものですが、これは見ていただければよくて、次の資料の五というところをごらんください。

 これは、原賠機構法に基づく一般負担金、何を言っているかというと、原子力賠償機構法ができたときに、東電はもちろんのこと、他の電力会社も、これから起き得る事故についてもおのおの負担をしていきましょうというところで、一般負担金というもののあり方が決められましたが、ここで注意していただきたいのは、今後、電力自由化が進展するという環境の中で、もしもこの一般負担金をこれまでの原発の電気事業者にのみ課した場合には競争力が損なわれるから、託送料でみんな均等で負担しましょうと、簡単に言えば託送料の出てくる根拠であります。

 しかし、あくまでもこれはおかしい。だって、電力を発電する事業と送電事業は別でありますから、今電力会社が担っている一般負担金のために託送料金を利用しようというのは、お門が違うと思いますが、政務官、いかがですか。

 では、どうぞ、村瀬さんでいいです。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘の、審議会における議論でございますけれども、福島事故の以前から、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえました上で、自由化が進展する環境下において受益者間の公平性の観点から適切な負担のあり方ということを議論、検討していただいているという状況でございます。

 いずれにいたしましても、現時点で何らかの方針、方向性が決まったということではございません。外部の有識者の意見をいただきながら、徹底的に御議論いただいて、国民が納得できるような解決策を見出していきたい、このように考えているところでございます。

阿部委員 村瀬さんは言葉がすらすらと出ていますが、これは実は、今まで原発は安い安いと言って費用に乗せてこなかった。そのことが、事故が起きてしまって、もう取り立てられないから、将来の託送料でカバーしてもらおうと、簡単にわかりやすく言うとそういう構造をとっているんですね。

 だったら、安い安いと言わないで。だって、それでも安いかどうかもここで言ってくださったので、これから論議をしますが、これはあくまでも過去分なんですよ。過去に積み立ててこられなかった。気がついたら、事故が起きちゃったら一般負担金が大変になる、自由化してこれを電力会社に課したら負けちゃう、だから託送料で均等になんていうのは、やはりもともとの備えがないからですよ。備えあれば憂いなしなんですね。この構造は、やはり原則が違うと私は思うんですよ、これまで語られてきたことの。

 政務官、今私は簡単に言いかえましたけれども、そういうことをこそ政治の場は論じていかないと。私は、自由化されて託送料金が高くなるのは反対ですよ。だって、私たち、自由化は電気をより安く産業発展のために役立てようと思って、皆さん賛成してやることです。でも、気がついたら、昔の分を取っていなかったから、これからの託送料に乗せさせてねと言われたって、おいそれと言えない。

 そうであれば、なぜこんな事故が起きて、誰が何を負担すべきか、もう一度きちんと負担の額を定めて、全体像を見せて論議すべきだと思いますが、いかがですか。

井原大臣政務官 阿部議員にお答えを申し上げます。

 議員おっしゃるとおり、まず見える化というのは納得化ということですから、そのことについてはできる限り努力してまいりたいと思いますが、福島の廃炉等について特殊事情も当然あるわけで、どこまで見積もれるかということを、ひとつ、できる限り見識のある方々で、幅は広くなるかもわかりませんが、見積もりもとりながら見える化については取り組まなければならないとまず思っております。

 福島第一原発事故について、まず、さきに責任のお話をされておりましたけれども、政府及び原子力事業者は、いわゆる安全神話というのは確かにあったんだと思うんです、そのことに陥りまして、十分な過酷事故への対応ができずに、あのような悲惨な事故、事態を防ぐことができなかったことへの深い反省はひとときなりとも忘れてはならないと私どもも考えております。

 御指摘の審議会で、さまざま、こういう託送料に付加するかどうするかという話でありますが、御指摘の審議会での議論は、福島事故の以前から、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえた上で、自由化が進展する環境下という新たな事態が生まれておりますから、その中で、受益者間の公平性等の観点から負担のあり方をどのように考えるかについて、現在、まさに検討を行っているところでありまして、いずれにいたしましても、現時点で何らかの方針が固まったということではございません。

 外部の有識者の意見をいただきながら、徹底的に検討した上で、国民が納得できるような解決策を見出してまいりたいと考えております。

阿部委員 もちろん経済産業委員会でも取り上げさせていただこうと思っておりますが、この国会はなかなか本当にそういうエネルギー政策の負担と受益の論ずる場がないと言ってもいいほどのものだと思います。

 簡単に言えば、安全投資を低く踏んでいたから事故が起きたら賄えないという事態が現在で、それについての負担の問題でもあると思いますし、実は、こうやって託送料を使い回そうというのは、使用済み燃料の再処理費用についてもかつて問題になり、PPSの皆さんにも負担してもらおうといって問題になったことがあるんだけれども、その一回限りね、これでもうないからねといってそのときは認めたということでありますので、もう二匹目のドジョウはいない、同じことはやっていただきたくないと申し添えます。

 そして、これで最後になるかと思いますが、実は、東京電力の広瀬さんが、十月の五日の記者会見で、東京電力が、もし今の負担の増加、例えば賠償、除染、廃炉、これを明示した場合は、債務超過になって東電が倒れてしまうリスクがあると述べられて、初めて広瀬さん御自身の口から債務超過ということが出ました。そういう認識がおありなんだと思います。

 私もそうだと思います。廃炉費用が二兆円と言っていたのがあと四兆円とか、除染だってあとプラス四、五兆円とか、賠償だって足りないとか、これ全部どうするよと、新たな仕切りが今必要となっていると思います。

 そこで、これから先ということもありますが、そして繰り返しになりますが、東電の責任分、株主の責任分、銀行の責任分、国民の負担すべき分、それが電力料金か税金かはまたあると思います。そういうことのための論議の大枠をきちんと経産省でおつくりいただきたいが、いかがでしょう。

村瀬政府参考人 委員御指摘のとおり、国民が納得するような形で解決策を提示していくということは大変重要だと認識しておりますので、できる限り全体像としてわかりやすい説明、こういうことをしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。

阿部委員 きょうは東電問題を主に取り上げましたが、一般炉の廃炉も同じようなだまし絵のような構造がございますので、それについてもまた取り上げさせていただきます。

 ありがとうございます。

2016/12/19 国会質疑   abetomoko