国会よりBlog

4月7日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

ただいまの長妻委員からの御指摘にもありましたように、この地域包括ケアシステムと介護保険、双方大変大きな課題であります。介護保険は二〇〇〇年に始まりまして、今はもう、正直言って、持続可能性、破綻するかどうかが問われているくらいに私は思っておりますので、しっかりと持続可能性を守りたい。また、地域包括ケアの方は、やはり地域、すなわち人々の暮らしの場、私どもは国政におりますけれども、おのおの議員は地元、地域の生活の場を抱えておりまして、そういうところでの地方公聴会などもぜひ必要なものと思います。委員長には重々お含みおきいただいているものと思って、私の質問に入らせていただきます。

前半の介護保険の方、これは前回も聞かせていただきましたが、塩崎大臣に改めてそもそも論をちょっと伺いたいと思います。

介護保険という仕組みが日本で五番目の保険として俎上に上ったのは、自社さ政権のときだと思います。私はまだ議員ではありませんでしたし、塩崎大臣は多分もう議員であったと思いますが、そのときに、これを保険にするか、あるいは税にするか、そういう論議も含めてなかなか、保険という制度をみんなに納得してもらって導き入れるというのは、大ごとというか、大わざだと思います。しかし、これを保険として成り立たせて、二〇〇〇年から始まったわけです。

大臣に、一問目ですが、そもそも介護保険の目的とは何でありましょうか。よろしくお願いします。

 

○塩崎国務大臣 御指摘のように、自社さ政権で九十回とか議論を重ねて決めたことだということを記憶しておりまして、私も実は途中から、先輩議員にかわってもらって、福祉PTというのがありまして、プロジェクトチームがテーマごとに自社さでできていて、そのときに私も入っておりました。安倍総理も入っておられて、衛藤晟一補佐官もおられました。堂本さんなんかもおられました。

そういうような中で私も参加をさせていただいて、さんざん議論して、あのときは、まさに介護地獄という言葉が一番よく聞かれて、これを何とかせないかぬ、つまり、お嫁さんに全部しわ寄せが行って、認知症の高齢者の方の家庭でのお世話は全部お嫁さんがやって、お嫁さんがそれこそ介護の疲労のために自殺をされるというようなこともたくさんありました。そういうことで、介護を社会化するということを言っておられました。

当時、ちょうどドイツが介護の保険を導入したところでありました。我々としても保険でいくかどうか、あるいは税でいくのかということで、随分ドイツに視察に行かれた方、我々はまだぺいぺいでありましたから連れていってくれなかったですけれども、かなり勉強に行った方々もおられて、やはりうまくいっている、いきそうだというので、我々もそうすべきじゃないかということになりましたし、民間事業者を入れるかどうかということも大問題。当時は社協が主にサービス提供をしていた、そういうことでありました。それと、四十歳以上に今負担を、現役にはしていただいていますけれども、二十からするのか、いろいろなことがありましたが、今の形になった、そういうことになっております。

この理念は何かということでありますけれども、まさに先ほどの介護地獄がそうであるように、やはり、高齢者の方々が尊厳を保持しながら、その有する能力、力に応じて自立をした日常生活を営むことができるように必要な給付を行うための制度であって、これは第一条に書いてあります。第二条に、保険給付は、要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するようにということでございましたから、自立と重度化防止ということが大きな理念ということでスタートをいたしたところでございまして、現物給付でいくのか現金給付も入れるのか、こんなことも含めてたくさん議論があったことを今、先生の質問から思い出したところでございます。

 

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

 

○阿部委員 私も、このたびの論議はぜひ深い論議をしていただきたいと思います。日本は今、世界の中で断トツの少子高齢社会のトップリーダーになっております。我が国がこれを本当の意味で支え合って乗り越えられるかどうかということは、世界の範にもなることと思います。

その場合に、今大臣に御答弁いただきました目的のそもそもは、介護を受ける方の尊厳を保持しながら、あるいは御家族が介護地獄や介護殺人に至らないような、当事者も支え、支え手も支えるという仕組みであったと思います。

この介護殺人ということは、今、二週間に一件起こっていると言われるような状態になっております。一つは、高齢化が急速に進んでいる。それから費用の面でも、必ずしも今日本の社会は豊かになっていないから、所得が少ない中でどう実際にお金を払って介護を手に入れられるかなどの問題もある。また、家族の孤立もある。

その意味で、今回の見直しは、まずもってこの理念を共有した上で、そして、目的というところにある、その有する能力に応じて自立ということであって、介護度を三から二に軽減するとか、二から一に、いわゆるランクの軽減ということではない、その能力や程度に応じて尊厳と自立ということであると思いますし、また給付については、先ほど大臣は、要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するようとお述べになりましたが、それももちろんありますが、その一方で、その有する能力に応じた自立する生活となっております。必ずここにうたわれているのは、その有する能力に応じたということであって、必ずしも悪化の防止や軽減のみに着眼されたものではないんだと思います。

大臣に二点目の質問は、今、要介護の一とか二とか軽いものは、正直言って、介護財政も厳しいし、ちょっと我慢してもらって、あるいは違う形にして、介護を重度の三、四、五に持っていこうというようなことも介護保険の理念とは反すると思います。それぞれの有する能力に応じた自立。例えば要介護の一とか二、多くは痴呆を抱えた方であります。その能力に応じて尊厳と自立ということですから、ここをたがえると私は介護保険は崩壊すると思いますが、大臣の御認識を伺います。

 

○塩崎国務大臣 先ほど、もう一つ、導入するかどうか介護保険のことを議論していたときにあった言葉が、老老介護という言葉でありました。老老介護とお嫁さんにとっての介護地獄、この二つが一番大きな問題で議論されていたのを思い出したので、ちょっとつけ足させていただきたいと思います。

要介護度の軽重のみに注目をしてサービス提供するのは本末転倒じゃないか、こういう御指摘かと思います。そのこと自体は、私はそのとおりだと思います。要介護度の軽重のみで支援の中身、必要性を判断するのではなくて、個々の利用者の状態に応じた丁寧なケアマネジメントによって、自立した生活のために必要な支援を行っていくということが大事なのは、そのとおりであります。

ただ、フレイル対策と最近よく言いますけれども、とめようと思えばとめられることをとめないということはないだろうということであり、また、少しの努力でかなりみずからの体調もよくなり、そしてみずからの能力発揮のための環境も整うということであれば、そういうことのお手伝いはしていくべきなんだろうと思いますけれども、ただ単に要介護度の数字だけを見るということではない、ですから、今回、アウトカム指標だけじゃなくて、プロセス指標、何をやるのか。当然、加齢によって運動機能などが低下していくということは避けられない事実でありますから、そういうことも割り引いて、その方々にとっての尊厳ある人生が、暮らしていけるようにしていくということが大事なのではないかと思います。

 

○阿部委員 私が申したいのは、あくまで主体は介護を受けられる御本人の選択で、「被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、」というのが給付の二条の三項に出てございます。大臣は、今御紹介は、悪化の防止の二条の二項をおっしゃいましたが、私の方からは三項と四項をつけ加えさせていただいて、くれぐれも、本人のある意味での無理な圧力になったり、自分がよくならないことが家族にも負担をかけると思わせてしまうような状況に追い込まないこと、このことを行政としては念頭に置いていただきたい。

それから、認知症の御家族の会が今回の改正については強く反対をしておられます。大臣にもお声が届いているかもしれません。要介護一、二の方の多くが認知症、三、四、五となりますと身体機能の問題も抱えていらっしゃいますが、ただし、この要介護一、二というところ、認知症等を抱えた方を支える家族は、ある意味で動けない人よりも大変というところもあるわけです。ですから、くれぐれも、その程度、介護度じゃなくて、それぞれのニーズに応じた給付であるということを念頭に置いていただきたいと思います。

うなずいていただきましたので、確認をこれで終わらせていただきます。

次に、今回導入される新たな地域共生サービスについてお伺いをいたします。

地域共生サービス、地域でともに生きていくというのはとてもいいことで、先ほど長妻委員にも御答弁いろいろありましたけれども、障害、子供、御高齢、もろもろの困難を抱えた方がともに生きていくというときに私どもが第一に忘れていけないことは、いわゆる障害者について自立支援法という法律をつくったときに、障害当事者の皆さんから、自分たちの声を聞かずに自分たちにかかわることを決めるなということがあって、裁判にまでなり、その後、障害者総合支援法に名を変えていきました。この経緯というのは、私たち立法府にいる者は忘れてはならないことと思いますが、今回の地域共生サービスの発足に当たって、障害当事者の声はいかに聞かれたでしょうか。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

共生型サービスを今回の法案に盛り込むに当たりましては、障害を有する方やさまざまな分野を代表する団体の方に委員として参画いただいております社会保障審議会障害者部会において、御審議をいただいてございます。

その審議の中で、障害福祉サービスを介護保険に統合するのではないかというような御懸念や、共生型サービスが創設された場合に、引き続き障害者のニーズに応じた、きめ細かな配慮をすべきという御意見があったところでございます。

こうした御意見に対しまして、障害福祉サービスを介護保険に統合するものではないこと、今後とも障害者一人一人の事情を踏まえて適切に障害福祉サービスを提供すべきであること、そして、これまでも介護保険サービス事業所において障害福祉サービス等を行うことができる仕組みがあり、今回の共生型サービスは、その仕組みを踏まえて、さらに指定を受けやすくする仕組みを整えるものであることを回答し、理解を求めたところでございます。

今後につきまして、共生型サービスは障害福祉サービスを介護保険に統合するものではないという説明を丁寧に行うとともに、共生型サービスの具体的な基準等を検討する際に、引き続き同部会、障害者部会のことでございますが、等で御意見を伺うこと、そして、引き続き個々の障害者のニーズにきめ細やかな配慮をすべきことを自治体に求めることなどを通じまして、御懸念にしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

 

○阿部委員 今、多々御答弁いただきましたし、そのようにあってほしいと思いますが、障害のある皆さんが一番懸念しておられるのは、実は、昨年の七月に政府で地域共生社会実現本部というものが立ち上がりまして、その後、我が事・丸ごと、大ごとと言われる地域共生の仕組みというのが出てきたのですが、七月に立ち上がってから、今御答弁のあった、多分、社会保障審議会の障害者部会、二月のものを、ペーパーをつけてございますが、そこに至るまでの間はコンタクトがないまま過ぎたということを障害者の皆さんは大変懸念しておられます。

確かに二月に、まあ、もう物が固まってから聞かれたんではないかと。それでもなお、言われましたように、障害者に対するサービスと介護保険を同一にするものではないというふうに御答弁くださいましたけれども、私は、そのプロセスそのものも絶えず、障害の方と意見を交換していくような日々の努力、本当に密な、丁寧な努力が必要と思います。大臣にその覚悟のほどを伺います。

共生サービスの実施に当たって、障害のある方からきちんと、今回のように七月にやって二月まで、できちゃってから見せるじゃなくて、その経過もいろいろ聞いていくということについて、大臣のお取り組みの覚悟を伺います。

 

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

 

○塩崎国務大臣 障害者自立支援法をつくる際に私は党にいて、それこそ村木前の事務次官が企画課長でありましたが、随分一緒にやって、そしてまた生の声を聞くタウンミーティングをやって、田村さんは今中座されておりますけれども、全国いろいろ回って、障害者から初めて直接お聞きをするタウンミーティングというのを福岡、札幌、東京、それから三重県でもやりましたし、私の地元でもやりました。そういうような形でやったときに障害者の皆さん方が言っていたのを非常に印象深く覚えているのは、初めて政治家にこうやって公開の場で意見を言う機会を得たということを言われておられました。そういう意味では、今のようなことがもし事実だとすればディスコミュニケーションですから、これは決して好ましいことではない。

したがって、今回は第一弾ということでやっておりますけれども、これからさらに話し合いをよくしながら、御意見をしっかり聞いて、いろいろ誤解があるということもだんだんわかってきて、大ごとだの言われるとはとても思わなくて、どこに行っても我が事・丸ごとに一番いい意味で反応していただいてきたことが多かっただけに、桝屋先生からお教えをいただいて、少し慎重に事を運ばなきゃいけないなという反省を少ししながら、これからしっかり皆さん方の御意見を賜って、もう既に自然発生的に起きていることを、言ってみればこれを普遍化しながら制度化するということにも近い動きでもあることはわかっていただければありがたいと思っておりますので、御懸念があれば必ずそれは解消しながら前に進めてまいりたいと思います。

 

○阿部委員 今大臣に大変いい御答弁をいただきました。

ぜひ、委員長、再度お願いいたします。地方公聴会で障害当事者の方も含めて御意見を聞いていただくのは本当に大事なことと思います。それは、政治の質を変える、本当に障害当事者が発言をし、自分たちで社会の一つの、つくり上げていく、その大事なパーソンになるということですので、ぜひ理事会でよろしくお願いいたします。

あと、桝屋先生の御見識には深く傾倒いたします。ありがとうございます。長年やっていらっしゃるから、さすがだと思います。

そして次に、私から、大臣は今、自然発生的に、例えば共生型サービスができていって、それでいい面もあるかもしれないとおっしゃいましたが、悪い面もあります。私がきょう御紹介したいのは、資料の二枚目を見ていただきますと、地域共生サービスの、例えば高齢、障害、子供、介護保険などを全部一緒にやりましょう、場合によっては資格も共通化しましょうということが共生型サービスの中で出ていますが、果たしてそんなイージーなことなのかということをお示ししたいデータであります。

めくって、三枚目を見ていただきたいと思います。ここには、放課後等デイサービスに対する今後の対応という、最近、厚生労働省から出された資料をお手元につけてございます。

大臣は放課後等デイサービスというのを御存じのことと思いますが、平成二十四年に始まりまして、これは、障害のあるお子さんが、普通の放課後の学童保育ではなくてデイサービスとしてお過ごしいただく。障害を持った御家族にとっては、子供が普通の放課後児童クラブ等々に行けないときに、大変にこれは、希望の光が見えたという意味で、ある意味で前向きにも捉えられるのですが、ところが、私は、この取り組みというのは最初大きな過ちを犯したと思います。

大臣に見ていただきますと、ここに給付費の費用の伸びが出ておりますが、現在、児童サービス、この放課後等デイサービスに千四百四十六億、大変な高額な費用がここにかかっております。

その費用に見合う良質なものならいいのですが、実はこの放課後等デイサービスには、御高齢者分野のデイサービスではなかなかこれから先、サービス利用料も二割負担になったりするし、デイサービスの単価は引き下げられるし、そこは金目にならないぞと思った事業者が、子供たちの放課後等デイサービスに雪崩を打って参入したということが現実としてございます。

なぜそんなことができるのかというと、ここにはつけてございませんけれども、実は、この放課後等デイサービスにかかわる、児発管といいますが、児童発達支援の方の資格を、介護施設に勤めて経験が五年あればいいとか、老人系のサービスを五年やっていればいいとか、そういう条件で始めております。

私は、小児科医としていたたまれない思いで事の成り行きを見ていました。もちろん、御高齢ケアにかかわってくださる方のとうとい経験はあります。ただ、子供の発達を見て、その子その子に応じた支援を行うのに、そうした高齢者のサービスにかかわる方がそのまま移行してよいとはとても思えないのです。

ここを、大臣、自然発生的に五年やりました。そして、今回やっと改正がされました。

その次のページを見ていただきたいのですが、指定基準等の見直しによる対応が平成二十九年の四月に出て、そこで保育所等の児童福祉に関する経験を持った人、あるいは障害児、児童、障害者支援の経験を必須化する。やっとです、やっと。五年間、御高齢者の経験者がそのまま横滑ってもいいとしてやられてきた資格が、ここで初めて、子供たちの発達を見るものに変えられていった。

私は、共生型サービスというのがこれと同じような安易な仕組みで始まることは、大きく懸念をいたします。大臣の御認識を伺います。

 

○塩崎国務大臣 放課後デイについては私もよくわかっておりまして、十八歳の高校三年生のときに、途中で十八になると自動的にかえなきゃいけないというようなことで、それを二十まで延ばしていただいた、議員立法で直していただいたことがございました。民主党政権のときでありましたが、あれの言い出しっぺは私でありまして、この問題についてはよくわかっております。

今、資格が安易に共通化されることの問題点について指摘をいただきました。

先ほど申し上げた、十八でかわらなきゃいけないときに、なぜかというと、一つは、なれているところに通いたいという障害児の特殊性というのがあると同時に、なれた人というのは、やはり資格を持ったような人々にずっとそのままお世話になりたいということがあるので、そういう意味で、能力担保がないままで資格が共通化されるというのは好ましくないし、特に障害の場合には非常に難しいケースが多々あります。最近は特に医療的ケア児がふえつつあるわけでありますから、そういうことも鑑みれば、資格についても丁寧に考えていかなきゃいけないというのは、そのとおりだと思います。

 

○阿部委員 私は、この事案は真剣に総括していただきたいんです。

児発管と申しますが、児童発達支援員は、例えば九百日以上の介護に関する直接支援業務の実務経験がある。九百日以上介護をやっても、やはり子供の発達支援には横滑りはできないと私は思います。でも、そのようにやってこられました。くれぐれも、大臣はよく御存じであるとおっしゃっていただいたので、子供たちのためにも。

そして、一千四百四十六億、あっという間に雨後のタケノコのように伸びました。今、各養護学校の前にはバスがとまって、子供が学校を終わって出てくるのを待って、もう争奪戦のような姿になり、それでも私は、その質がよければ、子供のためになるならいいと思います。でも、安易に子供たちに時間を過ごさせるようなサービスも、実は目に余るものもあります。今後の共生型サービスの中で、子供、障害者、御高齢者、それぞれに特性があります。それぞれに専門能力を持った人を大事に育てて、そして、その地域でいろいろな課題を共有できるというふうにしていただきたいと思います。

残された時間で、地域包括ケアシステムということについて伺います。今、もう一問実はあったのですが、時間が足りませんので次回にさせていただいて、地域包括ケアシステムということをぜひきょうは伺っておきたいので、移らせていただきます。

地域包括ケアシステムという言葉が使われるようになったのは、大臣も覚えておいででしょうか、二〇〇五年のことでした。今、森友問題はみんな国民は知っていても、地域包括ケアということについて、このワーディングすらよく伝わっていない。二〇一一年に、介護保険法改正で、法文の中に地域包括ケアということが明記されましたが、果たしてこの地域包括ケアはどこまで何が進んだんだろうかということを改めてきょうはデータでお示ししたいと思います。

今お見せした障害児のデイサービスの次のページ、地域包括支援センターの業務と課題というところで、これは、実際に地域包括支援センターに勤めていらっしゃる方にとったアンケートです。

地域包括センターには、それぞれの専門家、例えばソーシャルワーカーとか保健師さんとかケアマネさんとかがおいでですが、その三者がいてもなお職員の力量不足を感じるという回答が半数、そして、業務量が過大だというのが八一・六%。この一の表であります。自分たちの力量の足りなさと、降ってくるような業務にあっぷあっぷしております。

その次の、課題の二のところでは、総合支援事業にかかわる業務がもう大変多くて過大、あるいは指定介護予防支援にかかわる業務も過大であると。

次のページをおめくりいただきたいですが、今度は、力量が不足している上でやれない業務は何かというと、地域におけるネットワークの構築、もうこれをやっている暇がない、これが七六・七%ございます。あわせて、権利擁護にかかわる業務ができないという方が六六・三%。

大臣には、地域包括ケアはすごく大事ですから、何が大事って、それを担う人材が本当にやれる体制をつくることが大事だと思います。こういうデータをごらんになって、もっと財政的な、あるいは人材的な強化を図っていただきたいが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 例えば私の地元の松山市であれば、十一、地域包括支援センターがあります。昨年も全部回りまして、存じ上げている方が保健師だったり社会福祉士だったりいろいろな方々がおられて、そして、先ほど来申し上げている我が事・丸ごとの特に丸ごとの部分で、実は、高齢者の話だけではなくて、いろいろな子供の問題あるいは障害者の問題、たくさん相談にあずかっているという現実を随分聞かせていただきました。

そういう意味では、今御指摘をいただいたようなデータに示されている問題を抱え込んで、大変厳しい状況だというふうに思いますが、高齢化が進む中で、地域住民の介護に関する相談などの業務を行っているこのセンターの機能を強化していくことは、当然のことながら大事だと思っています。

今回の法案においては、市町村等が地域包括支援センターを評価して、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを義務づけるということにさせていただいております。

具体的な評価というのは、センターの業務の実施状況とか業務量などを把握して、これを職能団体や利用者などから成る運営協議会で評価、そして点検することを予定しておりまして、市町村で一つつくられる運営協議会で、評価の結果を必要な体制整備や研修の実施につなげて、今御指摘をいただいたような、何で困っているのか、そして何が必要とされているのかなどをつぶさに把握した上で、財政措置を行うということも、当然この運営協議会の中で検討していただかなければいけないわけですけれども、そういうことでセンターの機能強化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

地域によって拠点の置き方というのが随分違っていて、高松はたしか、地域包括支援センターとしては一つしかなくて、あとはブランチのような形が三十八カ所あって、非常にきめ細かくやっているところがあります。松山は、行ってみますと、七つ校区を持っているとか、これはとてもじゃないけれども、ワークロードとしてえらいことだなと思うようなケースがまま見られておりますが、そういうことを考えてみると、全国がどうなっているのか、よく私たちも注意をしていかなければいけないというふうに思います。

 

○阿部委員 お金と人が足りません、本当に圧倒的に。ぜひ、地方の声、現場の声を聞いていただけますようお願いして、きょう取り残しました精神障害にかかわる地域包括ケアは次回やらせていただきたく、よろしくお願いいたします。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。

2017/05/25 国会質疑   abetomoko