国会よりBlog

5月12日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、いただきましたお時間を全部、待機児童問題にかけさせていただきたいと思います。

私は現在、民進党の待機児童プロジェクトの座長を務めておりまして、きょうの冒頭の御質疑も子供の問題、待機児童の問題、自民党もお触れいただきましたが、今そこに生きる大事な子供たちに何がやれるかは、いつも申し上げますが、与党、野党を超えた、本当に、この国を将来担える人材をどうつくるかという問題ですので、私からも前向きに提案をさせていただきますので、ぜひ大臣にもお聞きをいただきたいと思います。

待機児童問題は、平成二十五年、杉並区で、お母さんたちが子供を連れて、私の子供が保育園に入れないじゃないの、どうしてくれるのという直接行動を起こしたときから政治の中でも大きくクローズアップされるようになりました。

もちろん、昨年ですか、保育園落ちた日本死ねもそうですけれども、とにかく、子供を抱えて、この子をどこに預けたらいいのか、仕事も続けられるのか、復帰できるのかと切実な思いが渦巻いておりまして、それに対して政府の方も呼応する形で、平成二十五年度から二十九年度末にかけての五年間で五十万人、本当は三十一年度まで四十万人だったのを前倒して、そして数もふやして、今お取り組み中であると思います。

ところが、数の増加と質の担保というものがどうなっているのかということにおいて、私は先回、平塚での夜間の保育園での死亡事故を取り上げさせていただきましたが、今回は、特にいろいろな不祥事として新聞等でも取り上げられますさまざまな形態の保育園の問題をきょう共有したいと思います。

大臣のお手元に資料を届けてございますので、ごらんいただきたいと思いますが、一枚目、ここには、厚生労働省からいただきました保育所の設置主体別認可状況というようなものが数値で上がってございます。

認可をふやそうということもございますし、ここで、平成二十六年から平成二十八年、全体数は、例えば二万四千四百二十四から二万三千四百四十三とふえていないように見えます。だがしかし、実質には保育園の数はふえておりまして、また、この数値を見るだけでも、株式会社立はこの三年で約二倍、また、社会福祉法人は横ばいですが、大臣も御承知のように、一つの社福がたくさんの園を運営するというような形で、社会福祉法人の大規模化ということも進んでおります。

この保育園について、実は、小泉政権下の二〇〇〇年から株式会社の参入ということをより容易にしようということもあって、右に書いてございますが、委託費、補助金の弾力運用というものもあわせ始まってございます。

二〇〇〇年には、一応、この株式会社の参入とセットで行われた弾力運用として、人件費、管理費、事業費をそれぞれに融通し合えるという仕組みに変えました。それまでは、人件費は人件費、管理費は管理費、事業費は事業費という区分をとっておりましたが、ここで一段目の規制緩和がございました。

そして、平成二十七年、ここは塩崎大臣のときですが、さらにこの規制を緩和して、同一法人が既に運営する施設で得た補助金をもとに二件目以降にもそれが使えるという形にして、賃貸料や土地の取得、整備を容易にする、これはふやしたいということでなさったことであります。

さらに、ことし四月、この緩和は、保育園の補助金の三〇%以内を、保育ではなくて他の介護施設等にも、もし保育にかかわる部分が健全であればという前提ですが、回してよいと。いわゆる多角経営が可能になるような、また、理事長などの人件費も補助金から出してよいと。

この規制緩和、私はちょっといかがかと思っておりますが、こうした大きな流れの背景を受けた中で、きょうは三つの案件を取り上げたいと思います。

一つ目は、この委員会でも既にお取り上げがありました、わんずまざーの問題で、兵庫県姫路市にございます、設置主体は個人の私立こども園、県が独自に認定するこども園でございまして、これは大臣も既に御答弁でありますので重なる部分はなるべく避けて、こども園が始まって以来の初めての認定取り消しケースでありました。二〇一七年の三月末、ことし末に取り消されております。

このわんずまざーは、一番有名になったのは、子供の給食の量をカットした、あるいは、働いている職員に遅刻したら一万円の罰金を取ったり、十日間ただで働くことを強要したり、とても労働基準法から見ても信じられないようなことをやっていた。そして、事業も、例えば、かけ持ちでシッターさんをやらせるとか学童の方にも派遣するとか、とにかく、あらゆる驚くような事態をやっていた。プラス、定員も四十六人のところ、七十人くらいを預かって完全に定員オーバーだ。もう目を覆うばかりの実態です。

塩崎大臣に伺いますが、このわんずまざーの事態を受けて、県は取り消しましたが、厚労省としては、改めて何を改善すべきと思っておられるか、またどういう取り組みをされたか、一点目、伺います。

 

〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

 

○塩崎国務大臣 このわんずまざー保育園のケースでありますけれども、認可外保育施設の一つであるわけでありますが、この認可外保育施設の指導監督基準、ここにおきましては、立入調査などを行った場合に、労働基準法に基づいて保存することとされております例えば労働者名簿とか賃金台帳、それから雇い入れ、そして賃金などの労働関係に関する書類を活用して、職員の状況を各自治体の指導監督において確認するということとしております。

これは、わんずまざーが人件費の流用とかあるいは労働条件の違反というのを行っていたということがありました。今、食事の話もありましたけれども、それはそれとして、こういうことで確認をすることとしているわけでありますので、これは自治体がもちろん確認をするわけでありますので、こういった点についても、今回のようなケースがあるということで、適切な運用がなされるように指導をしていかなければならないということを改めて考えているところでございます。

 

○阿部委員 私からは、この件に関しては二点、大臣にお願いがあります。

この件は、県の独自の認定こども園ということで、約二年間にわたって毎年五千万円くらい県から補助で入ってございます。事態が発覚するまでに二年間ありました。そうすると、不適正な使用が二年間続く。この監査のいわゆる間隔があき過ぎている。せめて物事が始まって六カ月くらいしてから、開始される前の申請段階では書類審査いたしますが、やはりその事業が始まって、だって、子供の数が一・五倍もいれば、早い監査でわかったと思います。

そうした、事業がスタートしてからの初回の監査のあり方と、あるいはまた第三者委員会等々をきちんと県なりに設けて、今大臣がおっしゃった賃金とかあるいは労働契約がどのように結ばれていたかとか、実はこの園は、もともと県の認定こども園とされる前から就業規則における問題を持っておりました、いわゆる遅刻したらただ働きしなさいというような。

これはそもそもからわかっていたことだと思うのですが、これが県の認定を受けて、そしてこういう事態になっているということでありますので、やはり監査、特に自治体の監査、あるいは必要によれば第三者委員会などの設置を、これは有識者も勧めておられますので、大臣にはぜひ念頭に置いていただきたい。

また、御質問ですが、例えば、今の労働条件その他をチェックされるときに、その保育園の人件費比率についてはチェックをなさっているんでしょうか。

と申しますのも、規制緩和によって事業費、運営費、人件費は融通可能になりました。人件費比率がどのくらいかということは、この監査指導チェック項目に入っておりますでしょうか。それは自治体が行うもの、もし入っていなければ厚生労働省の方からも積極的にそういう働きかけをしていただきたいが、いかがでしょうか。

 

○塩崎国務大臣 人件費率自体は年齢構成とかいろいろなことで変わるので、人件費率自体が問題かどうかというのはケース・バイ・ケースになるので、それ自体を監査の指標として見るということはしていないわけで、むしろ、例えば加算をちゃんとやっているのかとか、そういうことは当然見るわけでありますけれども、人件費率自体が問題になるかどうかは必ずしも指標にならないわけでございますので、適正な給与かどうかというのは総合的に見ていかないといけないということでございまして、問題があるとすれば、総合的に見ているかどうか、何を見ているかということが問題になるんだろうというふうに思います。

 

○阿部委員 私は、残念ながらその認識が、この労働集約型産業という保育を扱う分野においては、やはり失礼ながら甘いと思うんです。

というのは、一定の人がいなければ成り立たない分野でありまして、それを人件費比率として外側からチェックをいたします。今のような御答弁ですと、大臣のお手元の、きょうの私の資料の終わりから二枚目ですけれども、ここには、株式会社立と社会福祉法人における人件費比率の差が、小さくですが載っております。

株式会社立の場合は、人件費比率が一番多いのが四〇から五〇%、そして、社会福祉法人の場合は六〇から七〇あるいは七〇から八〇というところで、もちろん社福でも三〇%未満というようなところもありますが、しかし、私は、一定の数の人がいなければ成り立たない保育という仕事の重要性、人手にかかるということを共有するときの非常にわかりやすい指標だと思っております。

これからもこの質問は続けますので、同じ質問が何回かあらゆる場面で出てまいりますので、ぜひ、大臣にはこの終わりから二枚目の人件費比率について試算されたものをまず念頭に置いていただいて、次の質問に移らせていただきます。

次の不祥事は、夢工房という、これは兵庫県の芦屋市に本拠地を置く社会福祉法人であります。

私の今の言葉を使えば、平均すれば株式会社よりは人件費比率を高く持ったところでありますが、しかし、この兵庫県芦屋市の社会福祉法人夢工房は、お手元にお示ししました資料のあけて二枚目を見ていただきますと、あらゆるタイプの不正をいたしております。

法人の本部は兵庫県芦屋市にございまして、この本部扱いの中で、理事長及び親族に、簿外債務、記帳されていない債務、これを六千二百七十万円払っておりますし、あと、保育にはとても不必要と思われる洋服や家具などの物品の購入も、これは親族への供与ということで百八十七万円上がっております。

同時に、県の管轄する中では姫路市で二つ、これは、労働実態のない理事長のお母さんが病気で御入院中に理事長給与を払うということで、タイムカードが押されていた。病院から出てきて押してきてもいいですが、やはりそれは仕事ができないでしょう。それだけでなくて、今度は勤務実態のない義理のお母さんを事務員として雇って五年間で一千万円、これも、全く架空の労働実態について一千万円が支給される。

同じように、東京都目黒区、品川区、港区などでもございまして、品川区は、実はことしの三月にこの保育園は業務委託の停止を受けております。

何だかんだで合算いたしますと、県並びに東京の区あるいは都などがこの法人に出したお金のうち、約一億八千五百四十四万円が不正に使われていたという事案でございます。

これは、実は年度も二〇一〇年くらいからことしくらいまでで非常に長いですし、なぜその間発覚しなかったのか、非常に問題が大きいものと思いますが、大臣は、まずこれについての御認識。

ちなみに、この社会福祉法人は七都道府県にまたがっております。なかなかチェックが突合されないということもあると思います。プラス、もしおわかりであれば、これは実務サイドで結構ですが、国からの補助金はこの夢工房に対して幾ら入っていたんだろうということを教えていただきたい。

私は、新聞記事を一生懸命拾って、都や区が返還要求をしているお金をここに合算いたしました。まだ抜けもあると思います。これをつくるだけでも大変でした。でも、果たして国はここに補助金を入れていないんだろうかということについては、申しわけございませんが、雇児局長かな、どなたに答弁していただくのか、わかれば、わからなければ次で結構です。

 

○定塚政府参考人 補助金については雇児局の所管でございますけれども、今確認もしましたところ、現時点で、国から出ている補助金について額は確認できていないということでございます。

 

○阿部委員 では、大臣にお願いがありますが、宿題にいたしますので、国から補助金はどのくらい出ているのか、これは私も計算できませんので。

と申しますのも、先ほどの新聞記事の、後ろから二枚目、また見ていただきますと、昨今のいろいろな社会福祉法人や株式会社の施設の現状を見ますと、大体一億七千百七十一万円規模の事業をやっておられるところで、補助金額というのは、国、県、市合わせて一億六百七十三万とか、これは東京なのでプラス東京都あるいは区の独自なものなどなど、結局、自前は四百四十七万くらいで事業ができる、大変いびつな形をとっております。

それがまた私は非常にルーズな運営を可能にしているという懸念をいたしますので、大臣には、宿題のお願いは、夢工房にはどのくらいの補助金が国から入っているのか、そしてお尋ねは、なぜこんなことが約七年間も放置されてきたんだろうか、この二点、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 これは、社会福祉法人改革を先般やらせていただいて、本年四月から改正が施行になっているわけでありますけれども、その際に、評議員会を必置化するということ、それから法人に対する会計監査人の設置を義務づけるということをやるなど、組織のガバナンス強化を図って、自主性、自律性を高めるということをやりました。それから、定款あるいは会計書類等の公表や備え置きの義務づけ、そして、事業運営の透明性を確保するということをやってまいりましたけれども。

それに対して、所管庁が行う法人監査について、今御指摘がありましたが、その実効性を高めるために、指導監査事項を詳細に定めるなどの見直しも行っています。ただ、監査の周期については、改正前は二年に一回だったのを、監査の実施時期を原則三年に一回というふうにいたしまして、運営等に問題がある場合には特別監査を随時行うということで重点化を図っているわけであります。

社会福祉法人としては今のようなことでありますが、なぜ見つけられなかったのかということであれば、それは二つあって、一つは、みずからそれらを見つけ出すガバナンスが欠けていた、そしてもう一つは、この所管庁が行う監査でも見つからないということで、今申し上げたような指導監査事項を詳細に定めるなどの網の目を細かくするということをやっていますけれども、それがひっかからないような状態の監査であったということを反省しないといけないんだろうと思います。

一方で、保育園の場合は、保育園としては毎年一回、これは実地の監査を行うということでありますが、保育園としての問題があるということであれば、今のは多分、社会福祉法人全体としての問題点を御指摘になっているんだろうと思いますが、保育園に関しては実地監査を毎年行っているわけでありますので、一回以上となっていますから、これで見つからないということであれば、これの問題点についてもしっかりとレビューをしていかなければいけないというふうに思っております。

 

○阿部委員 まず、大臣のおっしゃった後者の御答弁から取り上げますと、実は、目黒区、港区、品川区などでも恐らく自治体の監査というのはあったと思うんですけれども、例えば施設長加算を本来そこにいない施設長に対して払われるとか、栄養士さんが非常勤なのに常勤に扱って補助金をとるとか、もろもろございます、実は運営上も。そして、これらはなかなか監査では浮かんできていないという実態があることは大臣も認識をしていただきたい。

それは、私は自治体を責めたいから言っているのではなくて、自治体も急増する保育園の監査になかなか手が回らない。細かなところまで、名簿上見れば施設長はいることになっているけれども、実態はそこで働いていないなどはなかなか見抜けないのであります。私が人件費比率のことを申し上げますのは、ちゃんと給与として払われて、そこで労働実態があれば、それはそこの会計に出てくると思いますので、それも明示化できる指標だろうと思うものです。

もう一つの法人監査について申しますれば、今、大臣がさきに御答弁されたのは、今年の四月から社福についての監査の二年を三年というお話でしたが、現状において、社会福祉法人にどのくらいの頻度で監査ができているかということも私は大変おぼつかないと思います。それをまたさらに二年を三年に延長していって、ざるの網目が大きくなる懸念がございます。

プラス、大臣にぜひ知っていただきたいのは、今は社福は、この社福もそうですが、七都道府県にまたがって運営をされておりまして、これらを、本当にその情報を集めて、社会福祉法人としての経営的健全性、運営的健全性をチェックするのがなかなか大変になっております。もちろん、そこに監査法人を社福が設けて、それを信じてやるということもある方法かと思いますが、逆に、こうした事態が次々起こっている現状の中で、社会福祉法人監査は果たして有効に機能しているのか等々、ぜひ大臣には念頭に置いていただきたいと思います。

加えて、子ども・子育て支援制度の中で、先ほど大臣もおっしゃいましたが、指導監査制度というのは、確かに通知をされております、平成二十七年十二月七日付で。そして、県と市町村が連携して、なるべく監査なども二重三重にならないように合理的にやりなさいということになっているんですけれども、幾つもの都道府県をまたぐような場合には、大変これは、本部のある法人の県とほかのところというふうに、もう股裂き状態になっているような社福の実態があるわけです。

果たして平成二十七年の十二月のこの通知で十分であるのか、そういうことを想定していたのかと私は懸念がございますので、大臣については、いかがでしょうか。今の社福のありようというのは、今御紹介したのは七都道府県をまたぐ実態がございます。社福としてきちんと監査できる体制があるのかどうかであります。

 

○定塚政府参考人 御指摘いただきましたとおり、社会福祉法人に対しての法人監査、それから、それぞれの施設に対しての、施設の運営についての監査ということと両方ございまして、これは相互に密接な関係にあるものですから、法人の監査を行うところと、法人の施設が所在する区域の行政庁が行う監査、両方の情報、資料提供、連携を十分にとっていくということが大変重要なわけでございます。

これまでも双方から通知を出して、施設監査、法人監査、両面を行っている複数自治体間で連携をとるようにということを通知を行ってきているところでありますが、今回、法人改革も行い、四月から新しくスタートしたばかりでございますので、御指摘のようなことについてしっかり連携をとれるように、こうしたこれまでの通知の趣旨について徹底をしてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 先ほど申し上げましたように、こういうものが七年間も放置されて、補助金が本当に生かされずに流用されているという実態が起きたという現状をもう少し私は緻密に検討していただきたい。先ほどの法人監査と施設監査で情報、資料提供をしていて、なおかつ起こっているんです。

一カ所で発覚すると、あっ、うちにも夢工房がある、もしかして、どうかなと各自治体は考えるわけです。よもや、その一つの、例えばですよ、目黒区のその保育園が、うちの法人は七つをまたいだところにあるから、そのどこで何があるかなんということはふだんは気にもいたしません、毎日のことで忙しいです。その結果、でも、不祥事が出たら芋づるで、あっちもこっちも、そっちもどっちもというようなことは、日ごろの、やはり私は、監査、連携、そして何よりも国が、またがるものについてはそういう注意を払うくらいの気概がなければね。だって、七つの都道府県の知事とかが集まってやるというわけにいかないわけですよ。よくよく国の主導権が必要となると思いますので、大臣にはテークノートをしていただきたいと思います。

引き続いて、まだまだありますので、次の問題に移らせていただきますが、お手持ち三ページ目を開いていただきます。

ここには、どろんこ会と申します社会福祉法人について、これは、平成十九年三月九日の設立でありまして、現在、百カ所以上を運営しております。あるものは株式会社などの設置もあるようでありますが、ここでも、実は、東京都の労働委員会に持ち込まれたり、あるいは、ここの場合は、実は、社会福祉法人といっても、その社会福祉法人の理事長が他の株式会社の社長、代表取締役をやっている、さらに複雑な構造をとっております。

夢工房の場合は、まだ社福は社福、単体でした。ところが、このどろんこ会というところは、社福プラス、その同じ方が社長を務める株式会社をお持ちであります。そして、百カ所と申しましたが、保育園が急増している中で、武蔵野市、西東京市の保育園の開設に当たっては、他の保育園で使っている備品を開設のときの審査のときだけ一時お借りして、転落防止柵なんですけれども、それを設置して、また終わったら戻しちゃう。では、これだったら、一体何を見ていけばいいのか。あるいは、社会福祉法人が株式会社から物品を購入して、これが随契であるとか。もうあらゆる問題が発生をいたしております。

もちろん、この労働問題については目下係争中でありますので触れるつもりはないですけれども、大体起こるときはみんな同じです。働く現場での、非常に労働基準法に抵触するような現状、そして、保育の質を担保できない使い回しなど、プラス、これが今は社福と株式会社も持ってやっているケースも決して少なくない、それが同一理事長であると。

そうすると、社福の場合、理事長報酬は大体一千万円くらいをめどとしても、ほかの株式会社で利潤を上げて自分に収入があれば、結局、その方は、収入はトータルで多くなるわけです。社福のところの規制でひっかかっても、ほかでお金が入ってくる構造になりかねないということで、大臣、今、累次にわたる規制緩和の結果、こういう事態も生じていて、その監視、監督がすごく難しい。

だって、社福と株式会社の法人監査はおのおの別々に入るわけです。頻度も違います、何年に一回というような。それは当然名寄せできるでしょうか。あの人はここでももらっていた、ここでももらっていた、ここでももらっていた。名寄せなんというのは本当に技術を要するというか、高等な技術だと私は思います。

まず、大臣、こういう実態について、今、社福が拡大をしている、そして多様な経営形態をとっている、これからは介護施設にも運営を広げるとなったら、本当にチェックし切れるのかと私は思いますが、大臣の御認識を伺います。

 

○定塚政府参考人 今回の社会福祉法改正による四月から施行されております社会福祉法人改革におきましては、御承知のとおり、社会福祉法人のガバナンスの強化ということで、さまざまな規制の強化も行っているところでございます。

先ほど御指摘をいただいたような、社会福祉法人の理事長が株式会社の代表取締役を兼務しているような場合には、こうした株式会社、関連企業との不適正な取引を禁止するという観点から、法律上、新しく、法人と理事との利益が相反する取引を行う場合に理事会の承認を得なければならないということ、また、法人が理事長やその親族などから、あるいはその経営する企業から不当に高い価格で物品を購入するなどの特別の利益の供与を禁止すること、これを新しく明文で法律上禁止しているというところでございます。

また、会計監査人の設置を義務づけているなど、関係企業との取引状況を含めてチェックを行うということとしているほか、理事長や親族が議決権の過半数を有するなど、法人が一定の支配権を有する関連企業等と一定額を超える取引を行う場合には情報開示を義務づけるということなどしておりまして、こうしたことで、財務規律の強化、事業運営の透明化を図るための見直しを行っております。

また、理事長の報酬につきましては、株式会社側の報酬というのはなかなか把握しがたいわけでございますけれども、社会福祉法人の理事長を含めた役員報酬等につきましては、これも、ことし四月からの改正施行によりまして、新しく民間事業所の役員報酬に準拠して、不当に高額なものとならないような支給基準を定めて、それを公表するということ、また、区分ごとの報酬総額を公表することなど明確にわかるようにしておりますので、こうしたことを通じて指導を徹底してまいりたいと考えております。

 

〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

 

○阿部委員 社会・援護局長は、起きてしまったことに全く無関係に、こうやります、ああやりますと言って、私の一番聞いた、理事長の給与と株式会社の取締役の給与、これは名寄せできるんですかというところは、そこは答えないわけですよ。できないんですよ、今の仕組みでは。そういうことで、ざるがいっぱいあるでしょうと私は指摘したんです、大臣。

今のなんか、御丁寧な御答弁ですけれども、答弁じゃないんですよ。そして、こういう事態が起きているということに自覚がない、夢工房についても、どろんこ会についても。もちろん、どろんこ会はまだ全貌がわかりません、決めつけるつもりもありません。でも、すごくチェックが難しいでしょうと私は申し上げているんです。だって、今までそんな監査人を置いていないかもしれない、議決権だってどうなっているかわからないでここまで来ちゃったんですよ。そういうことにしらっとして、こんないいことも計画中、こんないいこともって言わないでくださいな。最も肝になる、名寄せできるんですかといったら、できないと答えただけじゃない。私、そういうのは答弁と言わないと思います。

大臣をかばおうとして手を挙げてくださったんでしょう。でも、私、これはちゃんと質問通告しているんです、三回にもわたって。こんなこと、わかりにくく、私だって、これを解明するまでに本当に大変でした。それだけ入り組んだ出入りがあるんですよ、人的にも金的にも。それがわからない形で進んでいくことを大変懸念しているので、きょう大臣に伺いました。

問題意識を共有していただけるか否かについて御答弁をお願いします。

 

○塩崎国務大臣 今回の夢工房については、夢工房は収益が三十七億、年間ありまして、当然のことながら、今回初めて導入する会計監査を受けなければならないという対象に最初からかかるわけでありまして、それも、都道府県をまたがって活動しているという問題による公的な所管官庁による監査が難しいという御指摘をいただいて、その点についての連携が不足をしているということに関しては工夫をしていかなければならないと思っております。

ただ、社会福祉法人としての適正性をどう確保するかということに関しては、ガバナンスの強化については私もとりわけ強くこれを進めることを推進してきたものでございますので、監査について随分後で抵抗がありましたが、やはり公的なものが、公的資金がたくさん入っているわけであります、社会福祉法人は。とりわけ老人福祉系は八割とかが公的資金であるわけでありますので、ますますもってガバナンスの強化をして、一つ一つが自律的に、やはり不正がないようにしていくようにしていかないと、全部公的なものだけで見ていくというのはなかなか人員的にも難しいわけでありますので、公的な所管部署の監督の強化と、また複数の都道府県にまたがる場合の連携と、そしてまさに自律的に不正をみずから暴くような仕組みを持つということが大事であって、だからこそ、評議員会もそうですし、将来、会計監査も導入するというのは、十億にまで下げていくということでやっているわけでありますので、とりわけ社会福祉法人に関しては公的な資金がたくさん入っているということも忘れてはならないと思っています。

一方で、株式会社を持っていて、そこと同じ代表者が社長をやり、理事長も社会福祉法人でやっていることについての問題点でありますが、社福は社福で、やはり税に至るまでのいろいろな恩恵があって、そのかわり縛りがあって、みずから株式会社をぶら下げることはできない、社外流出は許されないということになっているわけですから、それはそれとしてやるべきであって、倫理的な問題で、社長を株式会社でやり、理事長でまた報酬をもらうということについてどう考えるのかということについては、また別のレベルで問われることはあるのかもわかりませんが、少なくとも、法律として、法律上の問題があるのかどうかということに関しては、それぞれの枠組みの中で徹底して不正がないようにしていくということを私どもは見ていかなければいけないと思いますし、ましてや、補助金等、公的な資金の扱いについては、これは一切不正があっていいわけがないわけでございます。

 

○阿部委員 私も大臣のおっしゃるとおり思いますけれども、何度も申しますが、法人監査も、株式会社の監査と社会福祉法人の監査と突合はできないのですね。そうすると、なかなか情報は一つにはならない。もちろん、おのおのがちゃんとやっていればわかってくるものもあります。でも、わからないところもあるでしょうということをぜひ念頭に置いておいていただきたい。これからはこういう形態がふえると思います。というのは、厚生労働省側が随時規制緩和してきたからです。

これからは、大臣がおっしゃったように、介護事業にも子供に対しての補助金の一部が使われます。私はやはり、今、介護事業はどちらかというとお金をみんな引き揚げています、かわってその穴を子供の補助金が埋めるのでは到底納得できないんです。

本当に今充実させるべき子供たちのための保育の問題、でも、それを担保するのは、実は大臣、人件費なんです。ここの保育現場でどのくらいの人にどのくらいのお金が払われているか、これをベンチマークにするということを私はきょう提案しています。

時間の区切りで最後になると思いますが、実は、こうした補助金のほかに、社会福祉医療機構というところが貸し付けをいたしております。

これは、どろんこ会の例をとりましたが、大体、昨今の社会福祉法人は、こうやって二十カ所以上の保育園等々を担保にしながら総計三十何億とかの貸し付けをされている。社会福祉法人にとっては、補助金も入ってくるし、この貸し付けによって、実はこの貸し付けは初年度は利子だけ返せばいい、利子も自治体から補給されるので、非常に使い勝手がいいというか、手元にお金がある状態ができて、それが次の事業展開に役立てられているといえばそうですし、使われてしまうといえば、そういうことがございます。

私は、社会福祉医療機構とこの間何回もお話を重ねて、では、社会福祉医療機構がお金を貸すときのベンチマークに人件費をきちんと見たらどうですかと御提案しました。理由は、社会福祉医療機構が人件費については、平成のこの三年間にわたって、だんだん減ってくるんですけれども、七二%くらいから今七〇%に、貸し出している相手先の人件費率をデータでとっておられたわけです。そうであれば、これをベンチマークにしていただけば、より健全なところにお金が回ると思いますが、この点について、最後、御答弁をお願いいたします。どなたでもいいです。

 

○塩崎国務大臣 保育士の処遇改善が問題になって久しいわけでありますけれども、二十九年度の処遇改善については申し上げてきたとおりでございますけれども、今回、特に技能、経験に応じた処遇改善という新しい、四万円、五千円、それぞれ行うということをやるわけであります。

一方で、御指摘のような、保育士の処遇改善が確実に行われるかどうかについて、人件費比率を福祉医療機構の融資条件とするという御提起をいただいているわけでありまして、一般的には、さっき申し上げたとおり、人件費率は組織の年齢構成とか人員の年齢構成などによって変わりますから、固定的に人件費率を、先ほどのいただいた資料でも、組織形態によって大分違うようでありますので、そういうことで、一律に比較するということはなかなか難しいのではないかというふうに思うわけであります。

しかし、何らかの目安で、健全な経営を、何をしているのかということを見るには、当然、処遇が適正で、みんながやる気を持って、例えば保育園であれば、子供に伝播しますから、先生方がどうだということで。そのときにやはり希望を持って働いているということが大事なので、そのときに処遇についてどういう指標を見るのがいいのかということは考えていくべきではないのかということは私も考えます。

人件費率だけということではなく、今申し上げたように、一番大事なのは、子供にとってどういういい影響が出るかということは職員の処遇がどうなっているのかで決まるという発想を持てば、何らかの形で、処遇を見る目安をどう考えるのか、それについては考えていくべきかなというふうに思います。

融資の事前相談を受けた場合には、当然、個別に、今言ったようないろいろな要件を処遇改善を含めて確認する取り組みはさらにきめ細かくやっていかなきゃいけないというふうに思います。

 

○阿部委員 では、引き続き前向きに、そして一つの大きな指標になるようにお願いいたします。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

2017/06/13 国会質疑   abetomoko