国会よりBlog

6月1日原子力問題調査特別委員会議事録

○三原委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。
きょうは、原子力規制委員長の田中委員長にほとんど大半の御答弁をいただきたいと思います。
東京電力の福島第一原発事故という、我が国にとっても世界にとっても非常に衝撃のある事故の後を受けて、従来の経済産業省にあった保安院から、独立した形で、規制のための機関として原子力規制庁ができ、その初代のお役目をずっと一貫して、ある意味淡々とといいますか、本当に誠心誠意お務めいただきまして、その取り組みに敬意を表したいと思います。特に、IRRSのミッションなどを受け入れて国際的な水準に近づけようという御尽力についても英断というふうに思っております。
私が本日お伺いしたいのは、実は先日、我が党の初鹿議員がお尋ねを申し上げた柏崎刈羽の案件でございます。
私も今週月曜日、柏崎刈羽に行ってまいりまして、東京電力の方からもいろいろお話を聞いてまいりましたが、そもそも審査の過程で、いわゆる重要免震棟と言われて、東京電力福島第一原発事故の折にも大きな機能を果たしたということで高く評価されている重要免震棟が、本年の二月になりまして、この機能にたえられない、特に耐震機能にたえられないということで、それまで累次にわたって東京電力が申請してこられたことと、やはり事実がきちんと伝えられていない、審査書類の不備等々も含めて、田中委員長から厳しく廣瀬東電社長にも御注意が行ったものと思います。
私は、この間の経緯を見まして、また視察をして、本当に思いましたけれども、東京電力側は、もちろんデータを公表しなかった問題等、たくさん問題はあると認識いたしますが、非常に、耐震ということにこだわる以上に免震、耐震ということはもちろんだけれども、何とか免震という機能を持たせたいと思っておられたんだなと強く思いました。
その理由の一つは、東京電力福島の第一原発事故の免震棟の問題。実は、柏崎刈羽の免震棟は、中越沖地震を受けて、それを上回る地震にも耐えるようにということでつくられた免震棟で、その直後に東京電力福島がつくられたということで、二つ並んで来たものでありましたが、しかし、今回、耐震に足らざるものがあるということであったわけです。
原子力規制庁の方の規制の姿勢をちょっと拝見いたしますと、これは、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び施設の基準に関する規則の解釈第六十一条には、要求される機能として、「基準地震動による地震力に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにするとともに、基準津波の影響を受けないこと。」ということで、ここに「免震機能等により、」というふうに書かれておるということは、この指針というか、こうした規則がつくられたときに何らかの意味があった、免震ということに意味が込められたものであるのかどうか、この点を委員長にお伺いいたします。

 

○田中政府特別補佐人 基本的に、緊急時対策所については、免震構造にするか耐震構造にするかということについては、私どもは、どうすべきだということではありません。要するに、緊急時にきちっとした機能を果たせるかどうかということが最も重要なこととして求めております。
それで、「免震機能等」というふうに書かせていただきましたのは、当時、やはり、福島第一原子力発電所の事故の際に免震重要棟が非常に大きな役割を果たしたということがあって、わかりやすいという意味でそういうふうに書かせていただいたという経緯があります。
ただし、その後、実は、柏崎の地震以降、今回の要求の中では遮蔽性能とかそういったことも求めておりまして、実際に設計してみますと、非常に重量が重くなってきていて免震構造では耐えられないというところが出てきまして、ほとんどのところが、今、耐震設計で緊急時対策所の対策がつくられているという状況になっております。
将来的に免震でそういったことができるようになれば、免震のよさというのもございますので、そういうことになろうかと思いますが、当面は、耐震であろうが免震であろうが、私どもとしてはどちらでもよいということにしてあります。

 

○阿部委員 今の委員長の御答弁ですけれども、当面のところは、免震であろうが耐震であろうがよいであろうということで認めていくということでありましたが、確かに、今回、柏崎刈羽の免震棟を拝見しても、外力によって、七十五センチどころか、大きな、もう四メートル近いずれが生じてしまっては使えないということで、免震棟としてつくり上げていくにはまだかなり課題がある。特に長周期の地震に耐えられないということはよくわかりました。
その一方、私は、柏崎刈羽のみならず、東電の福一の重要免震棟に行きましても、改めて思いましたことは、柱がない構造で、中央司令部としては非常に情報が共有しやすい。緊急時の対応として広いスペースを持っているというメリットもあるように思いました。
これは、今後の方向性も含めてですが、やはり緊急時に迅速に対応できるということも要請される大きなファクターと思いますので、今、委員長の御発言は、当面はというふうにある意味おっしゃったやに思いますけれども、求める方向性として、耐震であっても免震であっても、そうした十分な地震対応、耐震対応ができるというふうな方向性を目指しておられるというふうに確認してよろしいでしょうか。もう一回お願いいたします。

 

○田中政府特別補佐人 免震構造というのは、先生御存じのように、下にいろいろな免震の治具が入りますので、そういったことで、本当に厳しい地震動に対して重い重量物を支えられるかどうかという、これは耐震というか、建築の方の一つの課題だと思います。そういったことができるようになれば、多分、電力の方もそういった方向に進むことはあろうかと思いますが、とりあえずは今、電力の方も、事業者の方も耐震構造でとにかく今の機能を果たそうということですので、とりあえずそういうことで私どもとしてはよしとしているところでございます。

 

○阿部委員 科学技術は日進月歩ですし、より適切な緊急対応ができるような施設のあり方について引き続き御尽力をいただきたいと思います。
それで、資料一枚目に、東京電力の動きというのを、この申請にかかわって、原子力規制庁の方から、いついつどういう申請をしてどういう検査が行われということを書き出していただきました。
今申し上げましたように、二〇一五年の二月には既に、長周期成分を含む一部の基準地震動に対して機能を満たさない場合があるというふうに報告して、しかし、これが一部ではなくて全部であったということで、二〇一七年の二月にこの免震棟は使わないということになり、これが、何でわかっていたのに長い年月言わなかったのだということにもなっております。
と同時に、それに先んじて東京電力側が、実は、この免震構造が十分に地震に耐えられないということで、既に三号炉の方に緊急の対策所を移転するということを試みておられたという経緯が二〇一四年の十一月です。
しかしながら、この三号炉については、二〇一六年の十月に、荒浜側の防潮堤が地面の液状化により機能喪失をする、すなわち、柏崎刈羽の立地構造は、一、二、三、四と五、六、七が少し分かれておりまして、一から四号機側につくった、荒浜側につくった防潮堤が、実は地盤が液状化することで、津波が来たら傾いてしまうということがわかったということで、この三号炉を今度緊急に五号炉に変えるということでありました。
私は、この経緯を見ても、少しこれは考えが足りないのではないか、失礼な言い方ですが、液状化という問題を甘く見ているのではないかなというふうに思いました。
もちろん、私とても、東日本大震災の前には、液状化ということは余り、言葉では知っていましたが、どういうふうな事態が来るかがよくわかっておりませんでした。
しかし、実は新潟というところは、一九六四年に新潟大地震というものがこの近くでございまして、建物が傾き、液状化がひどいという出来事、それから、二〇〇四年の中越地震においても液状化による被害、さらに、二〇〇七年の中越沖地震のときには、液状化によって、私もよく覚えておりますが、原子力発電施設の地面がうねっておりまして、何が起きたんだろうと思うような地層のあり方でありました。
すなわち、地歴、その土地の持っている歴史を見れば、非常に、液状化ということは慎重に、そして、恐らく不適格地ではないかと私は思い、では、どんな規制がなされているのかなということで、また規制庁の方の資料を拝見いたしました。
ここには、設計基準というものの第三条に、基準地震動による地震力に対する支持性能が確保されていること、地震が来て支持性能が確保されていること、そして、変形等々が、ある意味では起こらない、すなわち、支持地盤の傾斜及びたわみ及び、地震発生に伴う建物の構造、建築物の不等沈下、沈んだり、液状化及び揺すり込み沈下等の周辺地盤の変形を伴わないということであって、そうなると、あれだけ液状化してたわむということは、そもそもこの設計基準対象施設として不適切なのではないかと思いました。
この液状化という現象と地震、原子炉施設の立地、もちろん、炉だけじゃなくて、周辺のそれを固める施設も必要でありますが、このことについては、委員長はどのように、今回の三号炉の問題を含めて見ておられますでしょう。

 

○田中政府特別補佐人 少し正確に今回のいきさつを御説明させていただきますと、もともと中越沖地震のとき、液状化が起こって噴砂が起きて、かなり有名になりましたけれども、重油の火災が起こったりということがありましたので、私どもとしても、その点については十分注意深く見てきました。
特に、その基準地震動が厳しくなりましたこともありまして、それと、防潮堤というものの要求が、要するに津波対策ですね、そういったことで、東電側がつくった荒浜側の防潮堤については、液状化によって海水が敷地に押し寄せるのではないかと。そうすると、三号機、荒浜側にありますいわゆる緊急時対策所が水につかって機能できないのではないかということで、三号炉自身が傾くとかそういうことではなくて、水につかって実際には使えなくなるのではないかという指摘があって、それを受けた形で、五号機に、こちら側の、北側の原子炉の方に緊急時対策所を移すという提案がありました。
既存の免震重要棟については、もともと、緊急時対策所というよりは、それを補完する施設として、東京電力はせっかくあるから使いたいという御希望だったようですけれども、それも、実際に地震動の評価をしてみるとなかなか難しいということもありまして、今回は五号機の方に緊急時対策所を移すということになっています。
敷地全体について見ると、確かに決して望ましい地盤ではないということは以前から言われておりますけれども、当面、今そういった機能を果たせないかというと、そこについてはきちっと今審査中ですので、最終的な結論は出ておりませんけれども、きちっと評価をして、そこのところは見きわめていきたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 私が指摘したいのは、そもそも立地においても不適格であったのではないかということであります。
お手元の資料の二枚目をあけていただきますと、今委員長がおっしゃった防潮堤の構造が出ております。これは、深いところ、二十メートルから五十メートル下の西山層というところにまでくいが打ち込まれて、その一番上の方に、黄色い部分ですね、液状化しやすい層があって、ここが水の流入などによって揺らぐことで、全体、防潮堤が恐らくこの形状が保持できないということであります。
では、この地盤自身は急にでき上がったものではなくて、もともと、地歴を見ますと、次の資料を見ていただきたいと思いますが、この柏崎、刈羽、西山地区の歴史というふうに、東京電力からいただきました資料で挙げさせていただきましたが、明治中期から昭和四十八年までは、この地域は油田が開発をされておりました。もともと砂のあったところと思います。それが、その後、昭和四十四年から、油田はもう終わることが目に見えておりまして、それにかわって、柏崎市や刈羽の村議会が誘致を決定して、次々とつくられていったということであります。
しかし、そもそも、こうした地歴、地盤、今、活断層の問題、どのくらい古い年代の断層かということも言われておりますが、私は、支持基盤になるところの地盤そのもの、もっと表層の部分も不安定で、非常に液状化しやすい、そこに七基もつくられてきたということは、大きな問題であろうと思っています。
この点は、委員長の時代ではないことですし、当時、保安院が含めて立地指針で見てきたものかとは思いますが、今、改めて、こういう事態で、この防潮堤がかしぐことが心配されたりする事態、あるいは中越沖地震のあの経験を見ますと、非常に、そもそもの不適格地であったというふうに私は思っております。
これから規制委員会が、特に今、六、七号機の審査が始まっておって、委員長がおっしゃったように、五号炉を緊急対策所にして、六、七の再稼働を審査していくということでありますが、地盤自身の持つ問題も大きかろうと思いますので、重ねて念頭に置いていただきたいと思います。
また、ちょうどけさのNHKの報道で、柏崎の市長の桜井さんが、一号炉から五号炉までについては、津波に対する対策なども今とれておりませんし、また、いろいろなこの間の立地の問題も含めて思っておられると思いましょうが、柏崎市と原発との距離が、市役所と原発は六キロしかない、非常に近いわけであります、人口密集地でもあるわけで、一号炉から五号炉の廃炉ということを東京電力に提案されていて、桜井市長はそれも含めた計画を二年間のうち、六、七号の再稼働を東京電力が求めておられるわけですが、出すことを東電に対して求めておられます。
規制委員長のお立場でそれをどうこう、廃炉をしなさいとかいうことではないと心得た上で、私は、そもそも不適格地ではないかということを重く見ますので、ちょっと、委員長の御所見というか、私が今指摘した点についての感想といいますか、お考えを伺いたいと思います。

 

○田中政府特別補佐人 感想ということですが、私の立場から感想というようなことは申し上げることはできません。
それで、廃炉するかどうかということも、これは事業者の判断ですので、私どもの立場としては、申請があれば、新しい規制基準に基づいて地盤も含めましてきちっと評価をして、その上で耐えられるかどうかということの確認をする。確認が得られなければ、もちろんそれは稼働できませんので、認めるわけにいきませんので、そういったことはきちっとやっていきたいと思います。
先生御指摘のように、ここの地盤は決して望ましい地盤ではありませんので、いろいろな意味で相当きちっとした対策が必要だろうということは想像できますけれども、いずれにしても、申請があって、それについてきちっと評価する。
そういう意味で、六号機、七号機の方は、ちょっと、地盤は一号機から四号機の方とは大分違いますので、そういった点も含めて今評価を進めているところでございます。

 

○阿部委員 大分違うといっても、すぐ続いておりますので。
一号機から四号機の方は、液状化しやすい地盤にくい打ちをしているところにさらに砂を詰めたりしようということで、東京電力の皆さん必死でありますが、これはそもそもちょっと私は難しいものと判断をいたしました。
あわせて、ここは非常に地下水が多いところで、設置の時点から日量にして二千トンから四千トンのくみ上げを行っております。先ほど、どなたかの委員の審議の中にも、東京電力福島第一原発、もともとあそこも八百トン日量くらいをくみ上げていたところですが、実は、この地下水位の問題がいろいろな意味で東電の福一の処理に非常に大きな影響を持っておると。
私は、原子力規制委員会としても、この地下水の問題、非常にくみ上げ量が多いところでありますので、この柏崎刈羽の審査に当たって念頭に置かれる、特に事故を経験しておりますので、これが福島のように、事故を起こした原子炉に水をかけて、その水と地下水がまざらないように、海側から山側にドレーンを置いたりいろいろして、本当に苦慮しておられますので、私は、こうしたところで事故が起きたときの地下水の大量くみ上げとの関連等々について、運よくそこに当たらなければいいですが、それだけの水の豊富な液状化しやすい地盤であるということもぜひ念頭に置いて審査を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 

○田中政府特別補佐人 御指摘のように、柏崎刈羽の原子炉というのは、半地下構造と言った方がいいぐらい地下にかなり入っているというふうに理解しております。地下水も多いということで、サブドレーンといいますか、そういうことで、日常的に大量の水をくみ上げております。
一F事故のようなことが起きたときにもということで、今審査の中では、そういった場合のくみ上げのためのバックアップ施設ということも要求しておりますので、そういったことを含めて厳密にきちっと評価していきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 では、柏崎刈羽関係はここまでにいたしまして、せんだっての委員長の冒頭の、この間取り組んできたいろいろのお話の中で、特に私がぜひお願いしたい点がありますので、最後の質問とさせていただきたいと思います。
この間の原子力規制庁の発足並びにその機能強化の中で、放射線審議会の役割というものもまた、これはIRRSミッションを受けた結果ですが、放射線防御についてより指導的な役割を原子力規制庁も果たしていただくことが期待されていると思います。
その中で、放射線審議会がこれまで一旦持っていたけれどもなくなってしまった調査や提言機能というものを、放射線審議会を通じて行っていくということになったと思います。原子力規制庁としてのこの放射線審議会の取り組み、そして、私は願わくば、福島の事故ということを経験して日本から発信すべき点も多いと思いますので、委員長の御所見を伺います。

 

○田中政府特別補佐人 先生はお医者さんだからよく御存じだと思いますけれども、放射線というのは、悪者だけではなくて、我々の健康とかいろいろな意味で非常に重要な役割を果たしております。注射器の滅菌とか、そういうことで、なくてはならないものになっています。
そういったことで、複数の省庁がいろいろなかかわり合いがあって、いろいろな基準が決められております。しかし、それを横串で見ますと、放射線防護の考え方、実際の具体的な状況というのが、国際的に見ても相当ずれているところもあるし、整合性がとれていないというところがあります。
これは長期的に見ると我が国の国民にとっても非常にマイナスの面もありますので、合理的で整合性のある放射線防護基準をきちっともう一回見直していただきたいというのが今回の放射線審議会の法律改正に至った経緯であります。
ですから、放射線審議会では、そういった技術的基準を国内法に取り入れるということについて、新しい知見とかを積極的に取り入れる、そのためにいろいろな各省庁に考え方をそろえていただいて、それを、どんな形になるかわかりませんけれども、いろいろ提案するということであります。
こういうことができるようになることによって、我が国の放射線防護の体系、それから利用もきちっと進むようになるだろうということを期待しております。
ただ、この審議会は八条委員会で、独立性を持っていますので、私どもの期待は述べる機会はあろうかと思いますけれども、独自にいろいろな活動をしていただきたい、我が国のためにきちっとしたいい仕事をしていただきたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 審議会の独立性というものは承知しておりますので、その中で、原子力規制庁と共同しながらやれることもまたあろうかと思います。それと、何よりもやはり、福島事故の経験というものは放射線防御にも生かされるべきですし、その点について、またよろしくお取り組みをお願いいたします。
以上にて終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

○三原委員長 次に、伴野豊君。

2017/06/20 国会質疑   abetomoko