国会よりBlog

国会質疑

3月17日環境委員会(参考人質疑)議事録

○阿部委員 本日は、原子力規制のあり方について、おのおの深くそのことにかかわった人生をお過ごしの皆様の貴重な御発言をいただきまして、私は本来この委員会の所属ではございませんのですが、この機会を得て、きょうはラッキー、よかったなと思いました。そして、そういう観点から御質問をさせていただきます。
 三・一一、二〇一一年のあの原発事故の後、原子力と私どもはどう向き合っていくのかというのは、大きな国民的関心事でもございます。その関心事の中心はやはり安全性ということにあって、まず関村参考人に伺いますが、恐らく最も長く原子力規制のあり方にかかわってこられて、三・一一事故が起きた原因は、多様な、いろいろな組み合わせというか、複合的、あると思いますが、規制上、何が最も問題で三・一一に至ってしまったのか。多様ですけれども、一つと言われたら、一番肝の部分は何か、お答えをいただきたいと思います。

○関村参考人 ありがとうございます。
 一つということでは済まされないというのがまず第一、一つ目の重要な点になってしまうわけですが、規制という立場でということでございますので、やはり規制だけで安全性が向上するわけではなく、事業者がどのように物を見ているかということについてきちんと入り込んでいかなくちゃいけない、これは、検査制度という観点できょうはお話をしておりますので、そのような観点で申し上げさせていただかなくちゃいけないというふうに思います。
 もし安全性を向上するということが共通認識になっていかないのであれば、これは厳しく、どうしてあなたたちは安全性向上をできないのかということを指摘し、国民にもしっかりと提示をしていくという役割が規制側にあり、かつ、安全性を向上していくという意図があるのであれば、あなたたちはどうしてそういうことが気づかなかったのか、気づいたところはどうやって具体化しようかという問いかけ、それに対してちゃんと答えを出していくプロセス、このような、コミュニケーションという言葉で言うと非常に陳腐に聞こえるわけですが、このようなインタラクションをきちんと持っていくことによって安全性が向上するんだという考え方が決定的に不足をしていたという観点が極めて重要な一つのお答えになろうかなというふうに思っております。

○阿部委員 ありがとうございます。
 一九五五年に原子力基本法が制定されて、自主、民主、公開でしたけれども、おっしゃったように、コミュニケーションの前提には公開、情報が公開されてコミュニケートしていくということがあると思いますので、その点でいろいろな隠蔽体質と呼ばれるようなものも大きく影響していたのかなと思います。
 引き続いて、伴参考人にお伺いいたします。
 伴参考人が今所属、代表を務めておられる原子力資料情報室は、高木仁三郎先生が、市民とのコミュニケーションというか、国民と原子力ということをずっと考えて、そのための資料情報を提供しながらあり方を考えていこうという長い歴史のあるものであると思います。お取り組みにも敬意を表します。
 その上で、伴参考人から見て、先ほど関村先生はコミュニケーションの問題が大きかったとおっしゃいました。一番、一つ挙げるとすると、三・一一が起こった原因、何と思われますでしょう。

○伴参考人 規制との関係でいいますと、私は、規制委員会、以前は原子力安全・保安院になりますが、それがきちっと独立した活動をできていなかった、ちょうど国会事故調査委員会の報告書にもありますように、事業者の言いなり、規制のとりこになっていたということが規制の関係では一番大きな原因であろうかというふうに思います。
 その反省を踏まえて今の原子力規制委員会ができたわけですが、今般の改正案、定期検査の改正案は、むしろその流れに少し逆行しているのではないかというふうに受けとめています。
 というのは、やはり独立した規制としてそれをきちっと強めていかないといけない中にあって、事業者の善意あるいは自主性に任せてしまうというのはよろしくないというふうに受けとめていて、違うシステムをつくるべきだというふうに考えています。

○阿部委員 引き続いて、小倉参考人に伺います。
 先ほど、長年原子炉の技術分野にかかわられて、設計自身が、ベントをつくらなくちゃいけなかったり、あるいは水素を逃すような、圧を下げるようなものを付加しなければいけないということの構造的問題がそもそもあったということの御指摘はありましたが、それを踏まえた上で、さて、三・一一について、お立場から、最も原因と考えられることは何であるとお思いでしょう。

○小倉参考人 お答えします。
 先ほど私、冒頭にお話ししましたけれども、二〇〇七年の中越沖地震で、要するに、基準地震動を超える地震が起きる可能性があって、その大きな地震が、どのぐらいの大きさでどのぐらいの確率で起きるかがわからない、そういうことをお話ししました。そういう、非常に危険がある程度見えていたわけですね。
 それと、二〇〇六年に耐震設計新指針を安全委員会が策定し、それを保安院が各電力会社の社長さん宛てに送った手紙に、万一基準地震動を超える地震が来て大量の放射能が環境に漏れたときのその影響を定量的に検討し、速やかに報告しなさい、こういう文章が入っているわけです。ところが、その保安院の問いかけに対して、ちゃんと回答した電力会社はないんですよ。
 例えば、当の柏崎刈羽原発で、三・一一と同じような、三月という、季節風が北から吹いているときに同じような事故が起きたら、関東平野はもう全滅ですね。あの福島の経験を見ればわかりますね。ところが、その恐ろしさ、怖さ、そういうものを理解する想像力、これが私は電力会社の経営者に足りなかったんだと思うんですね。それだけのデータあるいは情報があれば、想像力を働かせれば、このままで運転したらどういうことが起きるか、それがどれほど恐ろしいかということは理解できたはずなんです。
 もしそれがあれば、わずか二年後にあれが起きたんですから、三年ぐらい安全かどうかを確認する、つまり、原発の運転をちょっと待って、三年ぐらい待って、そしてそれが確認できてから再稼働すればよかったんですよ。そこに私は原因があったと思います。

○阿部委員 御指摘ありがとうございます。
 ちょうど二ツ川参考人にお伺いしようと思っていたことなのですが、実は、三・一一の福島事故の後、私の後輩に当たる、東大のアイソトープ研究所の所長の児玉龍彦さんが、私も三月の下旬に福島に参りましたら、もう既に拡散してしまった放射能をどうやって人々の生活から取り去るか、特に子供さんの保育園とかそういうところで、既に一生懸命活動をしておられました。
 私も医者ですが、ここほどの、こんなに飛散する放射能の状態、特に霧のようになって飛んでいくというのはなかなか経験がなく、それまでアイソトープ管理というのは、厳重に閉じ込めて、逆に言うと隔離していくということを旨としてきたことから見ると、真っ逆さまの事態が起きてしまったと思うのです。
 先生の直接の御専門、医療分野で特に重要であったり、さまざまに今アイソトープは生かされますけれども、と同時に、これが事故により拡散する場合の問題も多々あると思いますが、先生は、この三・一一事故について、先生御自身のかかわりという意味ではなくて、どのような要因が問題であったと思っておられますでしょうか。

○二ツ川参考人 私が直接的に原子炉等の設備に関係していないので、その原因等はわかりかねるんですが、やはりおっしゃられたとおり、放射線というのは、本来、私どもは、規制された管理区域の中で放射性物質を通常取り扱っております。ですから、このように大量に飛散されたものについて、それをどう取り扱っていいかということは、通常我々は、施設の中で廃棄物が飛散した場合には除染という形をやるわけですけれども、それはごく限定されたものでやっておりますので、今回のようなものに対してどのように除染に取り組めば本当に原状回復ができるかというところには、ちょっと知見を有してはおりません。
 ただ、やはり我々としては、放射性物質を有効に利用するには、きちんとした、限定された中で安全に取り扱う、それが基本であろうというふうには思ってございます。

○阿部委員 では、引き続いて、主に関村参考人と伴参考人にお伺いをしたいと思いますが、お二方とも、事業者による規制と原子力委員会の規制がどうあるべきかというところで、それぞれのお考えがおありであると思います。
 関村参考人には、私は、今回、事業者が第一義的に定期検査を行うということは、それは必要ではあるのですが、と同時に、ある意味では、並行して規制委員会による検査がないと、やはり、小倉参考人もおっしゃいましたが、いろいろな複雑な重要系統も含めて、むしろ規制緩和になってしまうのではないか。
 NRCなどの陣容と比べますと、正直言って私は、今の原子力規制委員会が、人数もそうですし、スキルもそうですし、もっともっと直接検査にもかかわって、みずからも高めながら規制水準を上げていくべきで、今回の改正はそれにはちょっと後退してしまうように私は懸念しますが、いかがでしょうか。

○関村参考人 ありがとうございます。
 現状で、米国の規制委員会で四千人ぐらいの人員を有していらっしゃる。それに対しまして、現在の規制庁が、従前のJNESという組織をマージしましたので、千人という規模になっているということを考えますと、まだ十分な人材が確保できていないのではないかという御指摘はそのとおりであるというふうに考えております。
 しかしながら、それをカバーするような仕組みというのをこれからつくっていかなくちゃいけない。それが不十分であれば、原子力を進めるということに関して懸念が生じるのは当然のことであろうというふうに考えているところでございます。
 しかしながら、米国の、例えばROPというような検査にかかわる制度も、スリーマイル島の事故を経ていろいろな取り組みをした結果として、二十年間程度の取り組みが着実に実ってきた結果としてあのような仕組みができ上がってきたというふうに考えております。
 しかし、日本は、二十年間ということを待てばいいというわけではなくて、米国の例、それからIAEA等の基準をうまく取り込むことによって、人材の運用、これはベースとしては技術者等のベースがしっかりあるわけですし、我々も教育機関としての役割を果たしていかなくてはいけないというふうに考えていますので、現状を踏まえながら、そこをどうやって継続的に改善していくかという努力を傾けていく。そのために、いろいろな方々と議論をする場が必要であり、そのきっかけとなるような制度的なフレームワーク、これについては、今回の原子炉等規制法の改正がきっかけになるのではないかな、そのように考えております。

○阿部委員 私は、三・一一の直後、五月に、塩崎現在の厚生労働大臣と二人でアメリカのNRCに行かせていただいて、サイトごとに人を配置して、非常に精度高く、正直言って口もきかないほどの、独立性を持って検査しておられるというのを見てまいりました。
 それからすると、人材的にも、今の原子力規制委員会は、本当に、再稼働の審査のために残業も多くしておられて、もうきちきちの中で、果たして、今ここで事業者の監督、監視というふうに上げてしまってスキルも成り立つだろうかと、直截に私は不安であります。
 先ほど伴参考人のおっしゃったのは、そういうスキル、技術上の問題もあるけれども、勧告九に従っていけば、IRRSのもともとの要請が、この規制委員会の方にも独自に、事業者とは独自な管理監督をすべきだという観点からという御指摘がありました。
 もう一度、ここは本当に日本の規制行政の大事なところと思いますので、伴参考人に御意見を求めます。お願いいたします。

○伴参考人 アメリカの規制が、長い期間をかけて今日のようになってきて、それを日本は参考にするというふうなことのようなのですが、アメリカの規制が今日になってきたその背景としては、例えば、事故が起きたときに事業者に課せられるペナルティー、罰金といいますか、それが非常に高額な金額が、事故の程度にもよりますけれども、課せられているとか、あるいは事前通告なしの検査ということも可能になっているとか、そういう仕組みの中で今日の状態があるというふうに思います。
 日本がまねをしようとしているのは、何となくいいところだけをとってきて、厳しい部分について言うと、まだ導入していないというふうな、あるいは導入の計画がないというふうな状態ではないかというふうに受けとめています。
 そういう意味から、非常に厳しいシステムとして、罰金なら罰金はもっと厳しくするとか、あるいは事前通告なしの検査制度を導入するとか、そういったことが片方ではどうしても必要ではないかというふうに考える次第です。

○阿部委員 私も、今回の改正で、事前通告なしの検査の立ち入りの権限の付与というのは法定化されるべきだと思います。やはり、そこに向かう人たちを保護するためにも、例えば内部告発のような形で言わなくちゃならないような立場にも置かれかねませんし、検査上、これは担保された、あなたたちに付与された権能であるということを、私ども国会が意思として決めていくべきではないかと思います。
 きょうの参考人の御発言を生かさせていただきまして、またよりよい原子力規制の取り組みをいたしたいと思います。
 ありがとうございました。

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2017/04/06 国会質疑   abetomoko

3月3日厚生労働委員会議事録(阿部知子の質疑が記事になりました)

3月3日の衆議院厚生労働委員会における阿部知子の質疑が、翌日、3月4日の朝日新聞「認可外も報告義務化 厚労省検討 保育中の事故死」として掲載されました。

 

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阿部委員 民進党の阿部知子です。
 本日は、大臣所信に対する質疑の時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
 実は、私は、先国会からずっと大臣の所信についての質疑を準備してまいったのでありますが、なかなか厚生労働委員会は対立マターが多くて、後回しになりまして、でも、私は、この厚労委員会に集う皆さんは、国民の生活をよりよく、少しでも改善できる、国民生活のために皆さんの思いは一つだと思いますので、きょう私が取り上げさせていただくテーマは、大臣を筆頭に総意をもって取り組んでいただける、そういう問題かと思いますので、よろしくお願いいたします。
 きょうお伺いしたいのは、実は、私は小児科の医者をやっております。一九七四年に医者になりましてから、もう四十数年やっております。今でも時々夜間救急はやっていて、でも専門医ではございません、塩崎さんに言われちゃうので。普通の小児科医をやってございますが、私ども小児科医にとって一番深刻で、防ぎたいのは、子供の死であります。
 大臣にお伺いいたしますが、今、我が国の子供の死の全体像、なぜ子供は亡くなっているのか、どういう状態で亡くなっているのかなどについて、把握されたものはありますでしょうか。一問目です。

 

塩崎国務大臣 子供さんが亡くなるということは、本当につらい、厳しいことだと思います。
 今、統計的にどうなんだというお話でありますけれども、お子さんが亡くなったことについて、その死因を把握する統計としては、人口動態統計というのがございます。
 この人口動態統計におきましては、子供を含めた全ての方々の死亡に関して、死亡届に添付をされた死亡診断書の医師の記載をもとにいたしまして、WHOが定めた国際疾病分類、いわゆるICDに準拠して死因を選択し、集計、公表を行っているところでございます。
 一方、その死因に至った傷病名以外の動機とかあるいは背景とか、こういったことにつきましては死亡診断書への記入を求めていないことから、人口動態統計ではこれらの事項は把握できていないということでございます。

 

阿部委員 今大臣にも御指摘いただきましたように、私たち医師が書く死亡診断書によって、子供たちの死亡統計、もちろん御家庭で亡くなって発見されたものは、警察等々の解剖、あるいは警察での死因究明になる場合もございますが、大半が医師の書く死亡診断書にのっとっておるわけです。
 ところが、この死亡診断書は、背景を見たものではございませんので、頭蓋内に出血があった、これは、診断書上は頭蓋内出血と書きますが、果たして虐待によって投げ飛ばされて頭にそうした事態が起きたのか等々は全くわかりません。
 おまけに、これから取り上げますチャイルド・デス・レビュー、前にも一回取り上げさせていただきましたが、子供の死を全て登録して、いろいろな検討を加えて分けていくと、実は、死亡診断書と異なる死因が見つかるものが三分の一あるというふうに、これはアメリカの統計でございます。死亡診断書でそう書かれていても実は違うというようなことが、このチャイルド・デス・レビューによってわかってきたということがございます。
 子供の死は、病死、一番これが私どもの目に触れやすいですが、虐待、事故死、交通死、交通事故を含む死亡、転落などなど、あるいは自殺というものもありましょうが、防ぎ得る死かどうかという観点が、実はすごく重要だと思います。
 大人の死でも当然なのですが、子供は本来、まだまだ長い命をいただいて健やかに育つべきものが中断されてしまう、もぎ取られてしまうということによって、まず防ぎ得る死かどうかというふうに視点を変えてみるためには、全体をもっと背景も含めて分析しなければならないという問題意識であります。
大臣のお手元に、見ていただきたい資料がございます。
 これは、チャイルド・デス・レビュー、子供の死の登録、検証が最も進んでいると言われるアメリカの事案で、アリゾナ州、一番症例の報告数が多かったので取り上げましたが、実は、チャイルド・デス・レビューは一九七八年にロサンゼルスから始まりまして、現在アメリカでは五十州のうち四十八州が、そこで起きた全死亡について報告し、分析し、そして防ぎ得る死かどうかを見ているという実態がございますが、特に進んだアリゾナ州について取り上げさせていただきました。
 ここに書いてある内因死、御病気が、一歳以上と一歳未満で分けてございまして、大体これは七、八割が、子供の死は病気関連であります。しかし、その中にも八%は防ぎ得る死がある。御病気であっても防ぎ得る死があるということは、救急医療が適切であったり発見が早ければ防ぎ得る、こういうデータが出ております。
 一方、外因死、ここに書いてあります自殺や他殺や虐待や溺死や交通事故死、こういうものを丹念に調べますと、実は九一%の外因死は防ぎ得る。例えば、虐待ですと未然の監視システムがあったり、交通事故では、最近出ておりますが、子供の巻き込まれが多くて、これもいろいろな配慮、子供を守るための取り組みによって防ぎ得るであろうなどを全部背景分析していくと、外因死の九割は防ぎ得るというデータになっております。
 母集団がアリゾナのものが一番多いので出させていただきましたが、四千八百六名の小児死亡の予防可能性について分析をいたしました。
 私は、日本の社会が本当に子供を守っていこうと思うならば、こういう視点、そして分析、これを改めてきちんと厚労省のリーダーシップのもとに、塩崎大臣のリーダーシップのもとに、まず物事は、視点を変える、どこに目をつけるかということが大事なので、大臣において、このチャイルド・デス・レビュー制度とその成果、意味などについてのお考えを伺います。

 

塩崎国務大臣 これは以前にもお取り上げをいただいて、私も、こういうことを海外ではやっているんだということを学んだ記憶がございます。
 これは去年の五月十八日、阿部委員から御質問をいただいたわけであります。その際に私は、例えば海外の事例を参考にしたモデル事業の検討など、予防可能な死亡から子供を守るために必要な取り組みを検討してまいりたいというふうに答弁をしているわけであります。
 これを踏まえて、まず、平成二十八年度から三カ年の調査研究、厚生労働科学研究、これを実施いたしまして、予防可能な死亡から子供を守るための医療分野における情報収集の方法であったり、あるいはその進め方について検討をしているところでございます。
 私は、三年というのはまた随分時間をかけるんだなと、正直、指摘をしたところでありますけれども、今まで日本でこういうことをやったことがない中にあって、少しじっくり研究をしたい、そういう動きのようでございますので、とりあえずこれを二十八年度から動かし出すということで、今ちょうど一年目が終わるところでございま
すけれども、ぜひこれを進めてまいって、今のように三分の一が予防可能死であったということであれば、予防するために何をすべきなのか。
 昨年の通常国会での児童福祉法の改正の虐待対応、今回もまた児童福祉法、さらに司法関与などについて御提起を申し上げたいと思っておりますけれども、これも、こういった予防することが可能な死をどうやって減らすかということで、もっともっと司法にも関与してもらおうということでもありますので、この分析をしていくということは大変大事ではないかというふうに思います。

 

阿部委員 大臣の基本的視点を大変に評価いたします。
その一方で、実は、このチャイルド・デス・レビュー制度については、厚生労働省の科学研究としては平成二十二年から既に始まっておりまして、少しずつタイトルが違いますが、目的は、防ぎ得る死、子供の死を防ごう、そして、そのための報告制度や検証制度はどうあるべきかという研究班は実は続いております。そして、平成二十五年度には、子どもの死亡予防のためのチャイルド・デス・レビュー創設のためのガイドラインまで研究班報告で出ております。
 三年は先行研究があって、次の二回目の研究でガイドラインが出されて、さて今さら、はたまた厚生労働科学研究で三年間かけてというのは、研究ばかりしている間にも子供は死んじゃうじゃないか。大臣、ぜひスピードアップ。
いい研究成果がたくさん出ています。特に、私の小児医療の仲間たちは、必死に、この国でこの制度をどう実現しようかということで取り組んでおりますので、都度報告書を出すんだけれども、また次も研究、次も研究となって、実行されないのであります。本当に私は歯がゆい思いで実は今回また改めてこの俎上に上らせていただきました。
と申しますのも、大臣は今の私のことを聞いて即々やってくださる大臣ですし、今度、児童福祉法の改正も司法の関与も含めてあるということも存じておりますので、あわせて、ぜひこの制度、とにかく全部の死を登録する。その登録からしか始まらない。
 実は虐待も、虐待として上がっている事案と同じ数だけ事故死の中に混入しておるというのが、先行のアメリカなどの事案でもあるところであります。今もちろん虐待死の研究もしていただいていますが、そこにはまってこない、その網に入ってこないものが同じだけあるとしたら、私たちの社会は随分損をしている、大事な子供たちを守れていないと思います。
 その事案に例示できるものを挙げさせていただきます。
 大臣も御承知のように、昨年の国会は、保育園落ちた日本死ねということから始まりまして、子供の保育所をふやそうと私ども野党は野党でまた主張をし、大臣にあっても御尽力をいただいていると思っております。当然ながら、受け皿の数の増加は第一でありますが、質はどうか。そこで安心して子供が預けられるか、不慮の事故で亡くなったりはすまいかということが一番問題であります。
 二ページをあけていただきますと、「これまでの保育施設等における死亡事故の報告件数等」というのが、平成十六年から平成二十七年までここに上がっております。
 この報告、全体で百七十四件になっておりますが、平成二十六年が十七件ですか、あったかと思いますが、いずれも、見ていただきますと、認可外の保育園の方が圧倒的に多いわけです。これも多々御指摘があるところと思います。
 保育園において起こる死亡事故については、内閣府の方で子ども・子育て支援制度にのっとって報告を義務化しておるのですが、無認可の保育園等々には義務がかかってございません。
 報告されたものはされるでしょうということであって、どういう仕組みになっているかというと、三枚目をあけていただきますと、「重大事故発生時の報告の仕組み」というのがございまして、上に具体的な根拠となる法令とか対象となる施設の区分があって、下に「報告の系統」というチャート図がございます。
 大体、認可外の保育園や、始まったばかりですね、居宅型の保育施設は都道府県の管理監督になっておりまして、死亡等々重大事故も都道府県に上がるようになって、これが義務ではないということです。
 上の保育園等々については、義務化されているのは認可保育園で、例えば学童保育、ファミリー・サポート・センター等は任意でありますが、上がるところが自治体であるというところで、まだ近いということであります。無認可では県に上がるということを、まず大臣、この図で御認識いただいて、そういう仕組みかということを、御存じかもしれませんが。
 そして、ここにどんな問題があるのか。一つは義務化されていないということと、県の立入調査は実は大変に間隔があるということもございまして、なかなかこれは俎上に上りにくいということがございますが、まず、これらの実態については、子ども・子育て支援制度は内閣府の担当だと言わず、子供を守るために各省庁連携してお願いしたいので、いかがでありましょうか。

 

塩崎国務大臣 今お話しのとおり、認可保育所での事故につきましては、内閣府の運営基準によって報告が義務づけ、こうなっているわけでありますね。
 一方で、認可外の保育施設で発生した事故については、国に設置された有識者による検討会の取りまとめを受けて、平成二十七年の四月から、割合最近であります、通知によって報告を求めているということで、義務化をされているわけではない。
 厚労省の事務方としては、この仕組みについて、保育の担当課長会議など全国会議の場などあらゆる機会を活用しながら周知徹底をして、認可外保育施設からの事故報告というのがしっかりと行われるようにしていきたいということであります。
 問題は、施設の問題ではなくて、子供の死でありますので、やはり、子供の死は認可外であろうと認可保育園であろうと同じだと思いますので、同様な扱いにする方がよいのではないかと私は思っておりますので、義務化をするということを厚労省としては考えたいなというふうに思っております。

 

阿部委員 おっしゃっていただいたように、報告を求めるだけだとなかなか上がってまいりません。
次に御紹介するのは、私は藤沢が選挙区ですが、隣が茅ケ崎、その隣が平塚なのですが、その平塚で起こった悲しい事例でございます。
 皆さんのお手元の四枚目の紙を見ていただきますと、「元保育士を再逮捕」という新聞記事が載ってございます。
この平塚のちびっこBOYという、認可外で夜間も預かっている保育園ですが、ここで二〇一五年の十二月に実は生後四カ月の赤ちゃんがお亡くなりになって、この子は病院に運ばれて、病院の方で、やはりちょっとおかしいかということを考えまして解剖いたしましたところ、頭の中に出血があったということで、これは、ただ保育園ですやすや寝ていて亡くなったものではないのではないか、暴行が加えられたのではないかということで、この角田という容疑者を逮捕して起訴するということを今やっております。
 実はこの角田という容疑者は、これまでその保育園に勤める前に児童ポルノの製造をしていたということで、二〇一五年の九月に、この保育園で預かっているお子さん、赤ちゃん、女の子の服を脱がせて裸にして、スマートフォンで撮影した、あるいは、彼はほかの保育園でも同じようなことをやっていたということが次々明らかになりました。それだけでなく、実刑判決を受けた過去もあったということで、これはどんな実刑判決だったかというと、幼児の体をさわった強制わいせつ罪で懲役三年の実刑判決を二〇一〇年の十一月に受けていた。
 思うだに、ぞっとすると思うんです。子供を預けているお母さんたちは、女の子であれば裸にして撮影し、男の子であれば暴行を加えて殺され、その保育者は実刑判決まで受けた人であった。何でこんなことが起こるのか。もちろんこの事案は、県に報告される前に医療機関から、これは疑わしいぞということで解剖もして、発覚をしたわけです。
 実は、この施設は県から三回勧告を受けております、保育士さんの数が足りないと。足りない、でも埋められない。こういう過去のある人と知ってか知らずか、保育士として雇って、究極的には子供が殺されたかもしれない。もちろん、まだ容疑です。でも、これまでの経緯を見ると、子供を預かるには極めて不適切な、最悪な方が保育士さんとして使われていたということであります。
 大臣には、この一例を検証するだけでも、私はいろいろな改善点が出てくると思います。本来は、そういう実刑判決を受けたら、二年間は保育士としての資格を取り消されます。なぜ取り消されなかったのか。本当に二年間でいいですか。再犯を繰り返し、子供たちを餌食にしています。
 大臣、きょうはこの事案を御紹介することで、厚生労働省としても、やはり国主導でこの検証を行っていただきたい。県任せでは、もちろん県はやらねばいけません、だって県に報告があったかどうかだって定かではありません、うやむやです。そうこうしているうちに次々事案が発覚をしております。
 私は、ベビーホテル、昔から問題でしたが、今、働くお母さんがふえて、勤務時間も長時間化して、子供を預ける、預けざるを得ないという方はふえていると思います。そうした中で、何の監視もない、この人はたった一人で子供たちを見ていた、そういう事案です。
 ぜひ、きょう、私が大臣に御紹介しただけに終わるかもしれませんが、問題意識を共有していただいて、子供にこういう人を近づけていいわけもない、起こるべくして起こっていると思いますので、大臣の御認識を伺いたいと思います。

 

塩崎国務大臣 今御指摘をいただいた平塚の死亡事案、そしてまたこの犯人の扱いでありますが、私もこれを見て、改めて、また仕組みを見て、知って、はねるには、こんなふうになっていてはなかなか難しいなというふうに思いました。
 保育士の欠格事由に該当した場合に、保育士本人がその旨を都道府県知事に届け出ることとなっております。つまり、自分は欠格事由に該当したということを、こういう犯罪を犯して懲役刑が確定したということをみずからが届け出る、こういうことになっているわけで、欠格事由に該当した保育士の登録の取り消しが適切になされるように、保育士証を発行する機会などを捉えて、届け出義務の徹底を周知しなきゃいけないというふうに、私どもは、とりあえず、できることは、そういうことでやらなきゃいけないと思っておりますけれども、本人からの届け出ということ自体が、やはり不可解なことだなというふうに思います。
 したがって、例えば、本籍地の市区町村が犯歴情報というのを最終的には持つようになっているようでありますけれども、これが生かされていないということでありますので、本人が届け出るという限りは。ということであれば、どういうような形にすれば、このような情報がしっかりと把握できて、実効性のある対策として、このケースであれば、保育士としての資格は登録できない、認められないということ、これが担保されるということにならなければ、次々とこういう犠牲者が出てきてしまうということになりますので、どういうようなことができるのか、実効性のある対策を、検討を至急やっていきたいというふうに思います。

 

阿部委員 ありがとうございます。
 先ほど申しましたように、認可外で起きた事案は、県には、基本的には報告を求めるということであって、それ以上でも以下でもない。それから、県に登録している保育士さんの資格等々で、本人が言ったか言わないかで、全くやぶの中になってしまう。そして、何回も県が監査に入っても、人手不足が指摘されながら改善もされない。これでは子供が守れない。
 問題点は多々あると思いますので、ぜひ、厚労省としても、きちんと焦点を絞って改善をお願いしたいと思います。
 引き続いて、虐待の問題に入らせていただきます。
 保育園で起きるさまざまな死も、ある意味で、十分な監視の目がなく亡くなる、あるいは、果ては、こういう暴力、縛って、子供を熱中症で死なせる等もありまして、それは虐待とも言えると思いますが、そういうもの以外にも虐待の事案というのはたくさんございまして、虐待ということは、二〇〇〇年に児童虐待防止法ができまして、あるいは、平成十六年になりますか、児童虐待防止について国が検証委員会を持つということが法改正され、さらに、平成十九年には都道府県に検証委員会を設けよう、今度、虐待問題でやらせていただきますが、そういう仕組みにはなっています。
 虐待という事案について、重篤な事例、死亡事例は国への報告、これが平成十六年改正、そして平成十九年の改正が、都道府県でそういうものをきちんと把握していくということをやった上で、大臣、次のページを見ていただきますと、これは、昨年度、第十二次と書いてあるのは、昨年度の集計の中で起きた、県に報告されているというか県が収集したいわゆる虐待事案についてどのくらい検証がなされているか。
 検証というのは、なぜ死んだのか、どういう事態が起こったのかということを見るということですが、ここに上の段、表がございますように、心中と心中以外を分けた場合に、検証が実施されているのは約半数であります。先ほど申しました、国が集約する情報を、そして県が検証する。でも、半数しか検証がなされていない、残ってしまうという実態がございます。
 時間の関係で、そのすぐ下へ行かせていただきます。
 ここは、では、医療機関に来たもののうち、虐待あるいは虐待を強く疑う、虐待可能性高度、これが3B、そして虐待確定的が4というこの二つ、虐待としてきた例がどのくらい解剖をされているか。解剖というのはやはりつらいことですが、死因を明らかにしていく大事なツールでございまして、虐待が確定的とされても、実は剖検率は半分であります。検証も半分、剖検も半分。不確実な、よくわからない不詳死群では、剖検は二割というふうになっております。
 こういう実態が全てをやぶの中に追いやり、再発防止の策も出されず、繰り返し子供が亡くなるということになると思いますが、大臣には、県における検証のあり方とその改善点など、そして、実は私は、これらは改善もされねばいけないけれども、先ほどの、全体の死を登録するものがないと、ここに来るのは新聞で報道されたものと
か明らかな、顕性なもので、実際それの二倍、三倍あるものはつかまりませんので、全体のチャイルド・デス・レビューのような登録制度に振りかえていくべきだと。
 国としては、国の虐待検証制度をやってきた、そして都道府県にもおろした。だけれども、実際半分くらいでとどまっているということを受けて、大臣の御所見を伺います。(発言する者あり)

 

丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。

 

〔速記中止〕

 

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 

塩崎国務大臣 恐らく、都道府県別にかなり跛行性があって、虐待対応で、児童相談所も、あるいは専門性のある人の配置なども含めて非常にばらつきがございまして、今半分ぐらいのところしか解剖をやっていないじゃないかというお話を頂戴いたしましたが、確かにそのようなばらつきがあって、本来しっかりと原因を究明するということを果たした上で子供の健全な発育を確保していくというのが都道府県がそれぞれやらなきゃいけない責務なんだろうというふうに思います。
いろいろやっていて、死因がなかなかわからない、死亡と虐待の関係がどうなっているのかわからない、あるいは裁判中とか、いろいろな理由でやっていない理由があるんだろうと思うんですけれども、それも不統一でやっては、我が国の子供ですから、地方自治体が考えるにせよ、ある程度の目安を持って、徹底的にきちっとした解明がなされるようにしていくということが大事なんだろうというふうに思いますので、私ども厚生労働省としても、各都道府県がなぜ亡くなったのかということがわかるまでしっかりと検証するように指導していきたいなというふうに思います。

 

阿部委員 子供の死を防ぐために、国にあっても都道府県にあっても最大限努力していただきたいし、虐待あるいは保育現場での死、事故死、ばらばらにやっていては、なかなか能力が向上しません。そのためのチャイルド・デス・レビューですので、一括して集めて、振り分けて検証しながらトータル像をつくるということでありますので、大臣には念頭に置いていただければと思います。
 最後ですが、こういう死亡事案以上にもしかして深刻なのは、子供の性虐待だと思います。潜在化しやすくて、子供は何が起きたかわからない、でも非常に自己否定的な感情になりますし、そして離人感、子供は自分が誰なのということを自分で確定していけなくなる、深刻な事態が起きております。
 こういう子供に起きる性虐待を含めて、子どもの権利擁護センターというものが神奈川県にできております。伊勢原というところにございまして、日本で初めてですが、もしかして大臣には御視察に行かれたかもしれませんが、子供が性虐待等々を受けたときに、受けたのではないかということが疑われたときに、そこでいろいろな職種の人が協力し合いながら体の診察や司法面接をしていくための機関でございます。
 私は、虐待の中で一番隠れやすい性虐待、これが深刻だということを踏まえた上で、この子どもの権利擁護センター、大臣にもぜひ御視察をいただきたいし、今度、児童福祉法の中で、司法の関与ということがあるときに、司法面接の必要性も再度出てまいりますので、どんな取り組みがなされているか、御参考にもしていただきたいですが、いかがでしょうか。

 

塩崎国務大臣 これは中心的にやっていらっしゃるのは山田さん、私もよく存じ上げておりますし、今回、児童福祉法の改正の後につくりましたワーキンググループの中の司法関与と特別養子縁組のワーキンググループにも入っていただいて、積極的な貢献をしていただいている方でございます。
 このセンターについての趣旨は御本人からも聞いておりまして、診察を含め、そしてまた、いろいろな人が取っかえ引っかえ来て子供さんにさらなる心のストレスを与えるようなことはないようにというようなことで、配慮を行き届かせて立ち直るようにということをやっているのは、私としても大変大事なことだというふうに思っておりますので、こういうことを全国に周知して、やはり同様のことが、どこでもこういうことが行われるように、私どもとしても広めていきたいというふうに思います。

 

阿部委員 ありがとうございます。お金もかかります、よろしくお願いします。
 終わらせていただきます。

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2017/03/28 国会質疑   abetomoko

12月9日原子力問題調査特別委員会議事録

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 本日は、三原委員長初め与野党筆頭理事の熱心なお取り組みで本委員会が開かれましたこと、心から私は感謝を申し上げたいと思いますし、また、先ほど来、田中委員長が日ごろから多様な業務に携わられて非常に御尽力いただいていることにも感謝申し上げたいと思います。

 あわせて、経産省からは高木副大臣にお越しをいただきました。高木副大臣には後半の質問をお願いしたいと思います。

 まず冒頭、田中委員長にお伺いをいたします。

 実は、十一月の二十二日に、ちょうどその日は福島県と茨城県でマグニチュード七・三の地震がございまして、津波も心配されている中、東京電力の福島第二原発の三号炉で冷却ポンプがとまるという出来事がございました。

 私は、十一月二十二日にそのことを取り上げさせていただきまして、当初の東電発表に基づいて質問をしたわけですが、プールの水温が二十八・七から一時間半余りで二十九・五となっているという発表がございましたので、予測されるより温度上昇が早いではないかというふうに質疑をいたしました。

 委員長にあっては、私の質問に対して、先生がどこで入手された情報かはわかりませんけれども、あるいは誤解を招くような報道があったのではないかというような御指摘を御答弁の中でされました。

 お手元に私が三つ資料をつけさせていただいておりますが、いずれも東電のホームページのものが二枚と、そして規制委員会のものからが一枚でございまして、私は、これらをもとに質問をさせていただいたものであります。

 ところが、その後、足立委員等々が、私の質問について、デマで、あるいは誤った情報で質問したというふうに大々的に取り上げていただきまして、議事録も残っておりまして、私としては、デマでも何でもない、東京電力の公式な発表に基づいたものである、このことは私の名誉のために言っておかないとならないと思いまして、前半、お時間をいただきます。

 まず、委員長に三つ確認をしたいと思います。

 お手元の資料にあるように、最終的に、測定場所の違いによって温度の誤差が出たという御発表があったのは、私の質問が終わった後の十六時四十分の規制委員会のホームページであるという点と、そして、御答弁の際に、冷却水二十八・七並びに二十九・五という水温が東電の発表であるということは委員長は御存じであったはずでありまして、これが二点目です。そして、最終的には、原子力規制庁も、御自身がまずこの水温の発表に疑問を持たれて、東電側に確認をされて、東電から訂正が発表されたというふうに私は理解しておりますが、この三点、事実確認、イエス・オア・ノーでお願いします。

田中政府特別補佐人 私が十一月二十二日の本委員会で阿部先生からの御質問を受けた時点では、東京電力がそういう発表をしているということはわかりませんでした。承知しておりませんでした。

 ただ、こちらに来る前に、〇・二度程度の温度上昇だから一週間ぐらいはもつということについては聞いておりましたので、それならそんなに心配することはないなということでここに参りましたけれども、そういった御指摘がありました。

 私がそういう情報をきちっと捉えていなかったということの不明についてはおわび申し上げたいと思います。

 結局、その後、先生の御質問もありましたし、私もちょっと気になりましたので調べてみましたら、やはり東京電力から、先生御指摘のような発表が当初なされました。

 その後、違った場所ではかっていてそういうことになったということはここでもお答え申し上げましたけれども、そのことについて東京電力は誤った情報を出してしまったということですので、それについてはきちっと注意をしまして、訂正を求め、その情報に基づいて、規制委員会の方の、規制庁の方のホームページにも掲載させていただいております。

阿部委員 委員長から謝罪をしていただきましたので、私は別に、これだけ頑張っておられる委員長を責めたいのではなくて、やはり東電発表というものが国民に与える影響の大きさですね。特に、事故の後は、水温がどうかとか使用済み燃料プールの状況というのは、国民も瞬間的に四号炉の問題を思い起こしますので、慎重なるが上にも慎重に、また、東電の発表もきちんと、測定する場所も同じにして発表していただかないと混乱を来します。

 委員長が善処していただきましたので、その後正しい報道になったことというのは、規制庁のお仕事としてありがたく受けとめております。

 そして、これからの、今後のこともございまして、ぜひ委員長のお考えをお伺いしたいんですけれども、使用済み燃料プールの持つ危険性というものは、東京電力福島第一原発事故の四号炉の問題でも、NRCからも一番先に指摘をされておりました。

 我が国では、今、使用済み燃料プールにおいて、一部は、ドライキャスク、ある程度粗熱がとれればというか、低下してくれば乾式貯蔵に変えてございますし、またそういう国も幾つかあると思います。

 特に、使用済み燃料が多くて、リラッキング、積みかえをしていくような場合は、やはり、非常に水の漏れ出てしまう、揺れて出るなどの影響も、なかなか私は予測しがたいものがあると思うので、委員長にあっては、今後の汚染水プール管理において、原子力規制庁としての基本的な方向性、認識などあれば、お願いをいたします。

田中政府特別補佐人 初めにお断りしなければいけないのは、プールに使用済み燃料を貯蔵するということについては、規制上許されていることです。ただ、一Fの事故の反省を踏まえれば、やはり、プールに無限に、無限にというのはちょっと語弊があるかもしれませんが、多くの使用済み燃料を貯蔵しておくというのは、潜在的リスクが大きくなるということが明らかになりました。

 一般的に、国際的に見ても、ある程度冷却が、原子炉から取り出した使用済み燃料は、五年から七年ぐらいたてば、乾式容器に入れてサイト内に貯蔵しておくというような方策がとられております。

 今回の一F事故でも、東京電力は、一部乾式容器に入れてあった燃料があります。建物は相当むちゃくちゃに壊れましたけれども、乾式容器の中に入っている使用済み燃料は、容器も含めて健全であったということが確認されておりますので、私自身が先日も規制委員会の中で規制庁の方に検討をお願いしましたけれども、できるだけ乾式容器に入れてサイト内に貯蔵できるような方法を検討していただくようお願いしたところであります。

 ただし、乾式容器に入れてサイト内に貯蔵することについては、地元も、そのままになるのではないかというような御懸念もあって、なかなかそういった点での難しさはありますけれども、よりよい安全を求めるという観点からは、乾式容器に入れる方がよいというふうに考えております。

阿部委員 今、委員長は災害などにおける安全性の問題で御指摘いただきましたが、同時に、テロとかいろいろな問題があるかもしれませんし、ぜひまたお地元の、受け入れてくださっている地域住民の皆さんにもいろいろお話をこれからいただきまして、より安全な管理ということでお願いをしたいと思います。ありがとうございます。

 では、引き続いて、高木経産副大臣にお伺いをいたします。

 けさの新聞は一斉に、東京電力福島第一原発事故の事故費用の見積もりがこれまでの倍近くに膨れ上がっておるという報道、各社ございましたと思います。この間、私は、先回この委員会でも取り上げさせていただきましたが、廃炉にしろ、除染にしろ、賠償にしろ、費用がかさみ、それをどのような形で負担していくのかということは、まず国民論議でなければならない。起きた事故自身は責任は東電にございますけれども、全体、巨額ですので、どのような形でこれを乗り越えていくかということは、国民の合意のもとで運ばねばならないと思っております。

 副大臣にあっては、本日発表の経産省からの数値ということで、まだ公式発表ではないのかもしれませんが、新聞紙上に言われております、二十一・五兆あるいは二十二兆という数値だけががさっとつかみで出ておりますが、これを今後どのような形で国民に伝え、事故が起きて、十分な賠償がこれでできるのかなどについて、どう運んでいくのかということについての経産省としてのお考えをお願いします。

高木副大臣 今御指摘いただきましたように、本日、けさ開催されました東京電力改革・一F問題委員会におきまして、復興加速化の観点から必要となる制度の整備、また資金の確保に資するように、福島第一原発事故に係る賠償、また、除染、中間貯蔵施設事業の費用の見込みについてお示しをさせていただきました。

 具体的には、被災者、被災企業に対する賠償ということで約八兆円、除染、中間貯蔵施設事業で約六兆円を見込んでおります。

 また、福島第一原発の廃炉に要する資金につきまして、現時点では、燃料デブリ取り出し工法が決まっておらず、合理的な見積もりはなかなか困難ではございますけれども、同委員会の中で、原賠機構の提出した資料において、有識者が、現時点で得られる福島第一原発事故の情報をもとに、過去の事例、これはスリーマイル等を参考にしておりますけれども、一定の仮定を置いた上で機械的に算出した結果、約八兆円と示されたというふうに承知をしております。

 その上で、今、国民議論というふうな御指摘もございました。やはりこれだけの巨額のお金でございますので、まずはこの東電委員会でしっかりと議論を進めていただいて、その中で提示をさせていただいた上で、最終的な決定をさせていただきたいと考えております。

阿部委員 東電委員会は基本的に非公開ですし、会議の後、数値が発表されたりはいたしておりますが、国民的には確認するすべがないわけであります。

 それのみならず、例えば今副大臣が御答弁いただいた数々の数値を、結局、どこからどなたに何を負担していただくかというときに、託送料金、これから電気をどなたの御家庭にも企業にも送りますが、その託送料金に上乗せしようというようなお話がもう既に先行して出ているんだと思います。確かに、国民から見ても、今までの言っている額ではおさまるまいなとは思います。こんなにかかるんだ、では、電気を使っているあなたたちねと言われても、これは到底納得できない。

 ちょうど、おとといになりますでしょうか、私ども、原発をゼロにするための政策提言をしている議員の会でも記者会見をやらせていただきまして、原子力基本法においても、自主、民主、公開、公開というところは非常に大事で、民主とは国民をきちんと入れ込んで論議しなければならないということですので、今回発表された今の数値がどこで検証され、そのどこで国民がかかわれるのかということも、今後しっかりと経産の中でも御検討をいただきたい。

 私は、国会にそういう場が実はほとんどないんだと思います。復興関係の会議の中でももちろん扱えるかもしれませんが、これは電力総体の、今後の日本の産業もかかわってまいります。また、賠償には将来の医療もかかわってくるかもしれません。本当はこういう東電問題の特別な委員会なりエネルギー特別委員会なりがふさわしく、きょうは三原委員長の御高配で、先回もそうですが、この場で取り上げさせていただいていますが、国民が多くこのことを理解し、どのような形で納得していくのかというプロセスについて、もう一回お願いいたします。

高木副大臣 委員の御指摘のことは至極もっともなことだと私も認識をしております。

 私も、この経産副大臣、そしてまた原子力災害の現地対策本部長に就任して三年目に入りました。福島にこれまで百九十五日通っておりますけれども、その中で感じたことは、例えば賠償一つとってみてもそれぞれ事情が違うなと。やはり、それぞれの被災者の皆様方に寄り添ってこの賠償の問題も解決しなきゃいけない。一方で、廃炉と汚染水の問題。これも、オンサイトの中も私も十回入らせていただきました。凍土壁の問題、または廃炉、デブリの取り出しということでさまざまな試みをさせていただいておりまして、やはり、今まで想定した以上の経費がかかることは事実だと思います。

 そういった中で、どれだけかかる、または、それをどうやって負担していただくかということについて、今、東電委員会の中で議論はしていただいておりますが、最終的には、委員御指摘のように国民の理解を得なければそれは実行できませんので、やはりまたこの委員会等でも、そういった問題、最終案という形で取りまとめた場合にはいろいろな形で御議論をいただく、そういう場面が出てくるであろうと思いますし、私たち経産省としても、やはりここのところは、ただ単なる、委員会で決定したから、ではそれで終わりですというふうな認識も持っておりません。やはり、一つ一つ丁寧に御説明をしながら、そして理解を得ていくという努力を最大限してまいりたいと思います。

阿部委員 私が改めて今の点を指摘させていただきますのは、前回も本委員会で取り上げさせていただきましたが、今後の費用のみならず、現状においても費用は多く国民が負担しております。それを私が整理したものを前回資料提出させていただいて、きょう、お手元の資料の六でございますが、これだって、ほとんどの国民は、ああ、今、電気料金に加わっているのね、あるいは、特に除染など国が立てかえているのね、いろいろな形の隠れた負担になっております。

 私は前回、井原政務官に、私が整理したこれでよいか、よければ、これの現状の額、既にですよ、これからじゃなくて、既にどれだけがここで費用発生しているか、項立てをして区分立てして国民に説明してほしいと申し上げましたが、これについてもいつごろ出していただけましょうか。

高木副大臣 今提出していただいているこの資料、また、前回これをもとに御質問されたというふうに伺っておりますけれども、今現在、例えば原賠・廃炉機構は交付国債を通じてやっております。これらについては、まだ、東京電力は長期の期間でもってこれを返済するということになっておりますので、現時点でどれだけかかっているかということについては、今御指摘をいただきましたので、なるべく精査をしながら御提示できれば、このように考えております。

阿部委員 ぜひお願いしたいと思います。

 先ほど申し上げましたように、今後託送料金に乗るというのは電力自由化の本旨からも外れておるということを申し上げましたが、既に計画の中でも、託送料金にという項目が余りに多過ぎます。これもお手元に資料をつけさせていただいたので、後ほど資料の四、五などを見ていただければと思います。

 そして、もう一つきょうは、これだけはちょっと、だけはというか、どれもやめていただきたいですが、この問題はどうかということで、いわゆる、今、電力業界、特に東電以外の電力業界が、起きました東京電力事故に対して一般負担金という形で賠償のための費用を負担しております。今後電力が自由化されました場合に、これがどのような形で電力会社が負担金を持っていくのかということも含めて、実は、これまで十分に総括原価方式の中で価格に転嫁してこなかった、事故があることを想定してこなかった過去分というものが発生をしております。

 お手元の資料七ページに「「過去分」のイメージ」という図がありますが、二〇一一年から二〇一六年、これは、この期間には今の原子力賠償機構法ができまして、今のような電力会社の負担の仕組みができましたが、それ以前というのは、残念ながら、事故はないという想定でありましたので、その分電力料金を安くして売っておった。ところが、事故があったら、足りない、どこからお金を取ろうか。もう既に売ってしまった人からは、本当はもっと高かったともう一回取るわけにもいかないだろうと言われて、では、これから電気を使う人に過去分を、未来の人に過去分を押しつけようという考え方であります。

 私は、電力料金を安く設定してきた、それで十分だと思ってきた国の責任、あるいは、東京電力を含めて株主などはその上がった利益で配当を受けてきた、企業が栄えてきた。まずはお金を出すべきはそうした部分ではないか。未来に乗せたら、責任が曖昧になると思います。一億総ざんげみたいなものになってしまいます。

 誰が責任があってこういう制度で来たのか。誰が安全神話の、国民全部といえばそうなのです、でも、やはりそれのもとに料金がつくられ今日まで来て、足りないからといって先に乗せるというのはいかがなものかと思いますが、高木副大臣の御見識を伺います。

高木副大臣 これは委員御存じだと思いますが、今回の廃炉と、さらには除染、または中間貯蔵、そして賠償、これはやらざるを得ないということの認識は共通していると思います。

 その負担をどういうふうにするか。お金が天から降ってくれば全然問題ないんですが、また、東京電力がまず第一義的に責任をとらなければいけないというのはもっともであります。しかし、ここで東電が破綻をしてしまう、そうしますと、その負担は全部国民負担ということになるのは当然であります。税金でやらざるを得ない。

 しかし、ここのところは、さまざまな議論がある中で、東電委員会でも一案、二案、三案、四案というふうに示しました。なるべく負担を減らしていこうじゃないか、こういう考え方のもとに今回は議論が進められているというふうに認識をしております。

 その一方で、御指摘もありましたように、一F、第一原発の事故において、政府及び原子力事業者、いわゆる安全神話に陥って十分な過酷事故への対応ができず、あのような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへ深い反省をいっときたりとも忘れてはならないと私たちは思っております。

 そういった部分で、この審議会で今議論されているのは、福島事故以前には、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえた上で、自由化が進展する環境のもとにおいて、受益者間の公平性等の観点から、負担のあり方をどのように考えるかについて検討を行っている。これは前回、井原政務官も答えたと思います。

 回収する額について、必ずしも過去分の全額ということではなくて、委員の御指摘のような責任のあり方等を総合的に勘案して検討していく必要があるとも考えております。

 いずれにせよ、現時点で何らかの方針がこれで決まったわけではございませんので、外部の有識者の意見をいただきながら徹底的に検討した上で、やはり最後は国民が納得をしていただくような解決策を見出していくべき、このように考えております。

阿部委員 国民は、新電力といって、原発以外の再生可能エネルギーなどを使った場合も、送電線を使ったというので託送料金で上乗せして、いや応なく取られてしまうという構造をとっておりますので、この託送料金問題は、またきっちりと論議の場を設けていただきたいと思います。

 いただきました時間が終わりますので、最後に委員長にお願いがございますが、前回のこの委員会の足立委員の質疑の中のデマという言葉は削っていただきたい。議事録訂正をしていただきたい。デマでも何でもなく、東電の発表でございますので、よろしく御検討のほどお願い申し上げて、終わらせていただきます。

三原委員長 理事会で話をして、正しい方向に持っていきましょう。

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2016/12/19 国会質疑   abetomoko

11月22日原子力問題調査特別委員会議事録

【注】福島第二原発3号機使用済燃料プール冷却停止に係る田中政府特別補佐人(原子力規制委員長)の答弁(下線部)については問題があり、12月9日の本委員会で田中委員長より謝罪と訂正の答弁がありました(⇒議事録)。

 

【参照】11月22日の原子力問題調査特別委員会での阿部知子質問及び田中原子力規制委員長答弁について

    田中原子力規制委員長が11月22日の答弁について謝罪

 

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阿部委員 民進党の阿部知子です。

 冒頭、委員長には通告をしてございませんが、けさ方の東京電力福島第二・三号炉の冷却用のポンプの停止、一時間半ほどで復旧をして、他のルートからの冷却水が入っているようでございますが、ここにおいて、委員長がまだこれから原因あるいは今後の対策等もお考えになろうかとは思いますが、少し確認をさせていただきます。

 私は、けさ方このニュースを聞いて、ああ、こういうことでも冷却用の水はとまってしまうんだろうかと、一つは驚き、そして、当初の報道ですと、一時間とまると〇・二度の温度上昇だと言われておりましたが、一時間半の停止で二十八・七度から二十九・五度、〇・八度上昇しておりました。当初、一週間くらいはお水がなくてもと言われましたが、もしこの上昇幅が違えば、もっと実はこの事態が進行するのが早いというふうに思いましたので、二点お尋ねをしたいです。

 冷却用のポンプの停止、そして予測よりも早い温度上昇は、何か委員長としてお考えになるところはおありでしょうか。

田中政府特別補佐人 まず、温度の点が非常に明快なんですけれども、実は、先生がどこで入手された情報かわかりませんけれども、私どもが得たところですと、二十八・七度というのはポンプの出口に近いところ。それで、実際にプールの温度をはかりますと、二十九・三度だったのが二十九・五度という、やはり〇・二度ということで、そこには間違いはないんだということでありまして、はかった場所が違うのに、何かちょっとそういう誤解を招くような報道があったのではないかということでありますので、もしそうであれば、やはりきちっと間違いのない報道をするように私どもとしても注意したいと思います

【下線部の答弁の問題については冒頭の注を参照】

 それから、このポンプの性格ですが、プールの上面、上の方に浮かぶごみのようなものを取り除くことも兼ねたようなポンプで、ポンプの水の吸い込み口がかなり表面にあったということで、それが空になってとまったということで、それだけで冷却が完全にとまってしまうというようなものでもありませんので、ただ、そういうふうにしてもポンプはとまるということも十分に反省材料として、今後原因をきちっと根本原因も含めて検討して、その上で対応させていただきたいと思います。

〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

阿部委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。稼働していなくても、使用済み燃料プールの問題は非常に危険のあることですので、今の委員長の御指摘の点も踏まえて、また原子力規制庁としてもより安全な方向に進めていただきたいと思います。

 私のこれからの質問は経済産業省の政務官にほとんどお聞きをいたしますので、委員長には、お聞きになっていただいているということでお願いをいたします。

 私が本日取り上げたいのは、原子力にかかわる費用負担の問題でございます。

 ことしの九月でありましたけれども、毎日新聞の報道で、福島の第一原発の廃炉費用と、またそれ以外の一般の原発の廃炉費用を、今後、託送料金、送電の料金に乗せるというような記事が出た後、九月の二十日に、政府の方で、東電改革・一F問題委員会と電力システム改革貫徹小委員会、さらに原子力損害賠償制度の専門部会という三つが立ち上がりました。

 私はもともと、例えば廃炉の費用をこれからの託送料に乗せるなんて、よもや、まさかお門違いだなとはっきり言えば思っておりましたが、この三つの委員会の審議が進めば進むほど、何だか託送料金の可能性がクローズアップされておりまして、ちょっとここで明確にさせていただきたいと思います。

 まず、お手元の資料の一枚目を見ていただきますと、ここには、事故を起こした福島第一原発事故の費用負担の問題で、国民負担の現状というものを、これは私の事務所で鋭意いろいろピックアップいたしまして作成したものでございます。

 実は、こういうものを作成しようと思ったきっかけは、これも二週間ほど前、NHKスペシャルで廃炉シリーズの三弾として、今、東京電力福島第一原発の廃炉や賠償や除染などで生じている費用負担がよくわからず、そして、結果的にその七割が国民負担ではないかという指摘がありました。そうであれば大変なことですし、まず見える化するということが国民合意の上でも大事であろうと思って、私の方でつくらせていただきました。

 少し例を挙げさせていただきますが、一F安定化維持費用というのは、例えば防護服とかマスクとか、今一Fを安定させるために使っているいろいろな道具というかそういうものも含めた費用で、八百三十六億が二〇一五年度。

 そして、その下の廃止措置資産償却費というのは、例えば、以前であればALPS等の装置を使って、それを費用として認識していたわけですが、実は、二〇一四年の三月末以降でここが幾らになっているのか、それ以降が明確でありませんので、現段階における廃止措置資産償却費というのがわかりません。これは何を言っているかというと、事故が起きた後、廃止のためにいろいろな設備をつくりました、それの減価償却費の積み重ねでありますが、これがいろいろなものを見ましても明確に記載をされておりません。

 また、廃炉研究開発費というのは、これはもともと税金で出ておりまして、これも二〇一四年までは出ておりますが、その後は出ておりません。

 さらに、原子力発電施設解体引当金、これは、既にこれまで積んでいる、二〇一一年度分までの国民負担でありますので、今からではございませんが、これまで負担しました。

 次の、原賠機構法の一般負担金は、各電力会社が原賠機構のために負担しておりますが、実はみんな電気料金に乗せられておりますので、これも国民負担。

 賠償対応費用のうち、ここに書いてある二百五十九億は二〇一四年度までのコールセンター等々のですが、一五、一六はどうなったのかはどこにも出ていない。

 除染費用は、国が立てかえて、これまで三・八兆円。

 中間貯蔵施設費用が一・一兆円。

 これはあくまでも私の方でピックアップしたもので、また、途中まで、探してもないので、ここまでしか自力ではできなかったというものですが、経済産業省の方から、これは既に国民負担ないしは負担していただいたものですから、明確にしていただきたいが、いかがでしょう。

〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、全体の一F事故に係る費用に関する情報提供、これをしっかり国民に提示していくべきだという点については重要な点だというふうに理解しております。

 これまでも費用負担のあり方等の情報につきましては可能な範囲で御説明してきているところではございますけれども、より一層、情報提供等はしっかりやり、対応し、全体の数字についてもわかりやすい説明を心がけていきたい、このように考えております。

阿部委員 これはくれぐれもお願いいたします。いろいろな資料をひっくり返しても、どうしても出ていないので、お役所の方できちんと提示をしていただきたい。

 資料の二枚目でございますが、これは電力システム改革貫徹のための政策小委員会の財務会計ワーキンググループで今検討している検討事項、通常炉の廃炉、事故炉の廃炉、原子力賠償などで、おのおの検討課題が出てございます。でも、これもまたすごくわかりづらくて、国民から見て、何を検討していて何が自分たちの負担にかかわってくるのかよくわかりません。

 そこで、私の方で、またもう一枚あけていただきまして、これは、この間のさまざまなワーキンググループ等々の検討の中で、託送料金に転嫁されるということが検討されているものの一覧をつくらせていただきました。これも私どものオリジナルでありますので、これ以外にもあるかもしれませんが、例えば、事故を起こした一号炉から四号炉、あるいは廃炉を決めた事故炉以外のものも、いわゆる廃止措置資産というものは、今後、託送料金にかけていく、あるいは、廃炉時の資産の残存簿価も、これは事故炉以外をかけていく。

 ここでとても重要なのは、四十年廃炉した場合も、六十年廃炉の予定だったということで、その費用も加わっていく、あるいは、解体引当金の未引き当て分も加わるなど、事故の廃炉費用、損害賠償費用も、一号炉から四号炉まで託送料金にかかわってくる。

 これは非常に、本当にわかりづらかったですけれども、引っ張り出してこれだけをつくりましたが、これは村瀬さんの方で、これで確かであるか、まだあるか、お願いいたします。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 きょう御提示いただいているこの資料、ワーキングにおける主な検討事項というのは、いわゆる貫徹小委員会という審議会において提示された資料でございます。このほかにも幾つか数字も含めたものを提示させていただいているところでございまして、そのような中で、数字についてはできる限りお示ししていきたいと思っておりますけれども、今、審議会でまだ方向性といいますか結論が出ていない論点が多いものですから、そのような審議の進捗も踏まえまして、しっかりとした数字をできる限りお示ししていきたいというふうに思っております。

 今配付されているこのゼロの会の事務局まとめというものの中には、いわゆる一般廃炉と、あと事故廃炉、賠償・廃炉費用ということを取り出して書いていただいているようでございますけれども、これは例えば、一般負担金以外に特別負担金といったようなものもございますので、できるだけ全体像がわかりやすいように、我々の方で工夫して、今後しっかりとした情報提供に心がけていきたいというふうに思っております。

阿部委員 要は、まだあるということで、そして、これらが明示されないのに託送料だ何とかだって決めないでいただきたいんですね。大体、論議する場もないんです。私は、大変おかしなことだと思います。わかりづらくて、論議の場がなくて、結果だけが国民負担に押しつけられるというのは、民主主義の原則に反していると思いますので、くれぐれも政務官にもお願いを申し上げます。論議が先行し過ぎていると私には見えます。

 さらにお尋ねをいたします。

 その次の資料をめくっていただきますと、この四というのは、先ほどの御答弁にも含まれておりますので、廃炉会計制度、これから、事故を起こしていない原子炉やあるいは事故炉の廃炉にかかわる費用も託送に乗せられるということを書いたものですが、これは見ていただければよくて、次の資料の五というところをごらんください。

 これは、原賠機構法に基づく一般負担金、何を言っているかというと、原子力賠償機構法ができたときに、東電はもちろんのこと、他の電力会社も、これから起き得る事故についてもおのおの負担をしていきましょうというところで、一般負担金というもののあり方が決められましたが、ここで注意していただきたいのは、今後、電力自由化が進展するという環境の中で、もしもこの一般負担金をこれまでの原発の電気事業者にのみ課した場合には競争力が損なわれるから、託送料でみんな均等で負担しましょうと、簡単に言えば託送料の出てくる根拠であります。

 しかし、あくまでもこれはおかしい。だって、電力を発電する事業と送電事業は別でありますから、今電力会社が担っている一般負担金のために託送料金を利用しようというのは、お門が違うと思いますが、政務官、いかがですか。

 では、どうぞ、村瀬さんでいいです。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘の、審議会における議論でございますけれども、福島事故の以前から、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえました上で、自由化が進展する環境下において受益者間の公平性の観点から適切な負担のあり方ということを議論、検討していただいているという状況でございます。

 いずれにいたしましても、現時点で何らかの方針、方向性が決まったということではございません。外部の有識者の意見をいただきながら、徹底的に御議論いただいて、国民が納得できるような解決策を見出していきたい、このように考えているところでございます。

阿部委員 村瀬さんは言葉がすらすらと出ていますが、これは実は、今まで原発は安い安いと言って費用に乗せてこなかった。そのことが、事故が起きてしまって、もう取り立てられないから、将来の託送料でカバーしてもらおうと、簡単にわかりやすく言うとそういう構造をとっているんですね。

 だったら、安い安いと言わないで。だって、それでも安いかどうかもここで言ってくださったので、これから論議をしますが、これはあくまでも過去分なんですよ。過去に積み立ててこられなかった。気がついたら、事故が起きちゃったら一般負担金が大変になる、自由化してこれを電力会社に課したら負けちゃう、だから託送料で均等になんていうのは、やはりもともとの備えがないからですよ。備えあれば憂いなしなんですね。この構造は、やはり原則が違うと私は思うんですよ、これまで語られてきたことの。

 政務官、今私は簡単に言いかえましたけれども、そういうことをこそ政治の場は論じていかないと。私は、自由化されて託送料金が高くなるのは反対ですよ。だって、私たち、自由化は電気をより安く産業発展のために役立てようと思って、皆さん賛成してやることです。でも、気がついたら、昔の分を取っていなかったから、これからの託送料に乗せさせてねと言われたって、おいそれと言えない。

 そうであれば、なぜこんな事故が起きて、誰が何を負担すべきか、もう一度きちんと負担の額を定めて、全体像を見せて論議すべきだと思いますが、いかがですか。

井原大臣政務官 阿部議員にお答えを申し上げます。

 議員おっしゃるとおり、まず見える化というのは納得化ということですから、そのことについてはできる限り努力してまいりたいと思いますが、福島の廃炉等について特殊事情も当然あるわけで、どこまで見積もれるかということを、ひとつ、できる限り見識のある方々で、幅は広くなるかもわかりませんが、見積もりもとりながら見える化については取り組まなければならないとまず思っております。

 福島第一原発事故について、まず、さきに責任のお話をされておりましたけれども、政府及び原子力事業者は、いわゆる安全神話というのは確かにあったんだと思うんです、そのことに陥りまして、十分な過酷事故への対応ができずに、あのような悲惨な事故、事態を防ぐことができなかったことへの深い反省はひとときなりとも忘れてはならないと私どもも考えております。

 御指摘の審議会で、さまざま、こういう託送料に付加するかどうするかという話でありますが、御指摘の審議会での議論は、福島事故の以前から、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえた上で、自由化が進展する環境下という新たな事態が生まれておりますから、その中で、受益者間の公平性等の観点から負担のあり方をどのように考えるかについて、現在、まさに検討を行っているところでありまして、いずれにいたしましても、現時点で何らかの方針が固まったということではございません。

 外部の有識者の意見をいただきながら、徹底的に検討した上で、国民が納得できるような解決策を見出してまいりたいと考えております。

阿部委員 もちろん経済産業委員会でも取り上げさせていただこうと思っておりますが、この国会はなかなか本当にそういうエネルギー政策の負担と受益の論ずる場がないと言ってもいいほどのものだと思います。

 簡単に言えば、安全投資を低く踏んでいたから事故が起きたら賄えないという事態が現在で、それについての負担の問題でもあると思いますし、実は、こうやって託送料を使い回そうというのは、使用済み燃料の再処理費用についてもかつて問題になり、PPSの皆さんにも負担してもらおうといって問題になったことがあるんだけれども、その一回限りね、これでもうないからねといってそのときは認めたということでありますので、もう二匹目のドジョウはいない、同じことはやっていただきたくないと申し添えます。

 そして、これで最後になるかと思いますが、実は、東京電力の広瀬さんが、十月の五日の記者会見で、東京電力が、もし今の負担の増加、例えば賠償、除染、廃炉、これを明示した場合は、債務超過になって東電が倒れてしまうリスクがあると述べられて、初めて広瀬さん御自身の口から債務超過ということが出ました。そういう認識がおありなんだと思います。

 私もそうだと思います。廃炉費用が二兆円と言っていたのがあと四兆円とか、除染だってあとプラス四、五兆円とか、賠償だって足りないとか、これ全部どうするよと、新たな仕切りが今必要となっていると思います。

 そこで、これから先ということもありますが、そして繰り返しになりますが、東電の責任分、株主の責任分、銀行の責任分、国民の負担すべき分、それが電力料金か税金かはまたあると思います。そういうことのための論議の大枠をきちんと経産省でおつくりいただきたいが、いかがでしょう。

村瀬政府参考人 委員御指摘のとおり、国民が納得するような形で解決策を提示していくということは大変重要だと認識しておりますので、できる限り全体像としてわかりやすい説明、こういうことをしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。

阿部委員 きょうは東電問題を主に取り上げましたが、一般炉の廃炉も同じようなだまし絵のような構造がございますので、それについてもまた取り上げさせていただきます。

 ありがとうございます。

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2016/12/19 国会質疑   abetomoko

11月18日厚生労働委員会議事録

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 久しぶりの厚生労働委員会、質問のお時間をいただけて大変幸せです。

 まず、年金ということが論議になりますときには、今回もそうですが、表面上、与野党が激しく言い争うような場面ばかりが国民に伝わっていくということは、私は大変にマイナスであろうと思っています。

 では、それを避けるために何をすればよいかということですが、やはり共有できる客観的なデータというもの、今回も、年金審議、この問題の、いわゆる年金カット法案と野党、私どもが呼ぶ法案はきょうで二回目になっておりますが、ここまでずっと伺ってまいりましても、データそのものがお互いに合致しない。同じ土俵の上で話せないということは、私は大変不幸なことであると思います。

 そうしたことに向けて、データをきちんと整理していく第三者的な、それは厚生労働省内のものではなくて、もう少し第三者的な機関が必要で、それがないと、実は私は塩崎先生のおっしゃることもある程度理があると思います、そして、野党から指摘させていただいていることも私たちなりに真剣に考えて、どう見ても計算が合わないと思っておるわけです。

 そこで入れ違っていたのでは、実りが全くないまま、果ては強行採決などの言葉が飛び交って、国民は、一体国会は何をしているんだと思うと思いますので、ぜひ、特に塩崎大臣にお願いしたいですが、年金におけるデータの精度とか客観性というものをどう担保していくのか、これからまだまだ、長い長い、日本は世界一の高齢社会ですし、少子社会ですからもっと深刻になると思います。そこを、どういうものを共有しながらやっていくかということをお考えいただけることを、私から冒頭、お願い申し上げます。

 そして、実は、私はこの前の加入期間の十年への短縮のときも質問をしたかったんですけれども、なかなか時間が回ってまいりませんでしたので、積み残し分として、恐縮ですが、既に参議院で成立をいたしました加入期間の十年への短縮による受給権の発生ということで、特に担当部局の厚生労働省にお願いをしたいことがございますので、冒頭はその件を伺わせていただきます。

 今回、加入期間が十年でも受給権が発生するということは、特に女性を含めて低年金の皆さん等々には朗報であると思いますが、いわゆる空期間、その期間、加入はしているけれども年金の受給には結びついていなかった空期間も含めて加入の期間として十年の中に算定されていくわけです。

 昔、よく女性たちは、企業等に勤めて途中で退社されるときに脱退一時金というのをもらわれて、寿退社をする場合もありましょう、あるいはかえる場合もありましょう、とにかく、一時金をもらって、その間の年金加入期間はもう捨てたものと思っておられたと思います。ところが、平成二十二年の年金記録の回復の中で、実は一九八五年からこの空期間もきちんと算入されることになっておるということが普及をいたしまして、年金の記録回復ということが行われました。

 担当の役所に伺いますが、平成二十二年の多分九月に、脱退一時金をもらわれた方に対して、あなたの加入期間は回復、年限として数えられるものですよという処理をどのようになさったでしょう。

伊原政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問がございました平成二十二年九月の段階でございますけれども、脱退手当金の支給の記録があるにもかかわらず脱退手当金の支給日前に脱退手当金の計算の基礎とされた厚生年金の被保険者期間がある方、十四・三万件に対しまして、二十二年九月に、実際に脱退手当金を受けたかどうか確認するお知らせを送付いたしました。

阿部委員 もう少し続けて言っていただきたいですが、十四・三万人に送られて、処理をされたのが何件でしょう。御当人が、あなたはそういう対象者ですよと聞いて、その後のアクションについて教えてください。

伊原政府参考人 お送りしました方は、その可能性がある方にお送りしたわけですけれども、実際、その中で四千五百七十八件の方に、平成二十五年四月末までの間に、脱退手当金は私は受けていないという形で申し立てをいただいております。それを総務省の第三者委員会あるいは年金事務所で審査し、脱退手当金をお支払いするか、あるいは年金記録として記録を回復する、そういう取り扱いを行っております。

阿部委員 より正確に言えば、その四千五百七十八人についても、実際に年金を受給されるに至ったか、あるいは、その浮いている空期間がその後どのように記録化されているかが全くないんだと思います。理由は、第三者機関が解散をしてしまったからです。

 こういう一つ一つをとりましても、結局、年金の信頼性というのは、お手紙は行った、私はもしかして一時金をもらったけれども、その後の処理はどうなっているの、あるいは、加入期間にきちんと算定されるのかということを御本人は知らないわけです。

 今回、十年に加入期間が短縮されて、新たに受給権がこの空期間も含めれば発生する方が必ずおいでだと思うんです。

 大臣、ちょっと入り組んだ話で恐縮ですが、いわゆる空期間ということで呼ばれていて、しかし、今回、十年への加入短縮によって受給権が発生する人のフォローをどうやっていくか。

 何でこういうことを伺いますかというと、さきに、十月二十八日に、長妻さんとの御質疑の中で、そのとき出ていたのは、この空期間に相当するのはサラリーマンの配偶者である、あるいは学生である、海外居住であるなどの属性は出ておりましたが、一時金をもらって脱退の手続をして、しかし加入の期間はあるという方については、全く芽出しをされておりません。年金記録回復の第三者機関は解散してしまっている。宙に浮いているわけです。これをどうフォローするか、大臣にお伺いをいたします。

 あるいは、きちんと、この方たち、もし十年になれば受給権が発生するということを厚生労働省としてやっていくための体制についての覚悟をお話しください。

伊原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生から御質問のありました脱退手当金の申し立てをされた四千五百七十八件ですけれども、これは第三者委員会に申し立てていただいていますので、御本人お一人お一人には結果を通知いたしております。

 それから、先ほど、受給資格期間短縮に当たりまして、十年に満たない方、この方々にしっかりと空期間の御連絡が行くのか、特に、こういう脱退手当金を受けていて、ひょっとするとこの空期間に該当する方に対してちゃんと説明が行くのかということでございますが、十年に満たない方、いわゆる一月でも年金記録をお持ちの方には全員通知をいたそうと思っております。その際、追納とか後納の可能性があることに加えまして、空期間、それも脱退手当金を受け取られた方でも、もし以前に納付した期間があれば、それも空期間になり得るということもあわせて御紹介しよう、このように思っております。

阿部委員 私が大臣に確認したいのは、この十四・三万人、うち、何らかのレスポンスがあったのは四千五百七十八人しかございませんので、まだまだ潜在している受給権者があり得るということで、今局長の御答弁でありましたから、きちんとこちら側から働きかける。

 大体、年金というのは申請主義ですから、知らないままに終わって、自分の受給権が発生しているのに、ないと思っているものが多いので、必ず今の御答弁のとおりにやっていただきたいと思いますし、大臣にもよろしくお願い申し上げます。

 では、引き続いて質問に入らせていただきます。今回の法案についてです。

 まず、今回、皆さん、盛んにモデル世帯の所得代替率ということをお取り上げになって、経済の成長の指標がいろいろ、Eであるとか、いや、Gであるとか、それの妥当性などをお話しでありましたが、そもそも、ここで多く論議されているモデル世帯とは、今の年金の保険者の何%を占めるのか、あるいは年金受給者のどのくらいの割合であるのか。モデル世帯、モデルは、年金全体のプールの中で、保険者と受給者ありますが、どのくらいの割合を占めているのでしょう。これも担当で構いません。

鈴木政府参考人 お尋ねのモデル世帯でございますけれども、これは、夫または妻が厚生年金に加入をして、男子の平均的な賃金の水準で四十年間就業する、そして、その配偶者の方は四十年間にわたって専業主婦などの国民年金の第三号被保険者である、こういう夫婦の世帯でございます。

 この世帯につきまして、その全数を具体的に把握しているというわけではございませんけれども、各種の調査でその状況を見てみますと、まず、厚生労働省で実施をしております老齢年金受給者実態調査、これによりますと、六十五歳以上の夫婦世帯の中で、夫が現役時代に正社員中心であった世帯の割合、そして、そうした世帯の中で、その妻が現役時代に専業主婦等であった、そういう状況が中心であった世帯の割合、これは推移も含めて申し上げますと、十九年の調査では、夫が現役時代に正社員中心であった世帯は全体の七二・七%でございます。その中で、それを一〇〇といたしまして、妻が現役時代に専業主婦が中心であった、これがモデル世帯に該当するような世帯でございますけれども、そのうちの五九%でございます。二十四年調査では、同じく七六・四%、そのうち五四%でございます。

 そしてまた、今後モデル世帯となり得るような世帯、いわば今現役でいらっしゃる方々の状況でございますけれども、これは国民生活基礎調査を引いてみますと、夫が二号被保険者で妻が三号被保険者である世帯、これは、夫が二号である世帯全体の約六割ということになります。

 それから、単身世帯と夫婦のみの世帯の割合でございますけれども、老齢年金受給者実態調査ですと、これは子供と同居をしている世帯も含めた全世帯の中での割合になりますが、単身世帯が十九年調査で一二%、二十四年調査で一六%、そこで、もう一方の夫婦のみ世帯は、十九年調査で三六%、二十四年調査で三八%という状況でございます。

阿部委員 今、ややちょっと、申しわけないけれども、意図してじゃないでしょうが、わかりづらい御答弁だったと思うんですね。

 例えば、夫が正社員で、そのうち妻が三号であろう人は、約半数、五四%とか五六%ですから、七〇%、七割のまた半分しかこのモデル世帯ではない。多く見積もっても三五%くらいがモデル世帯なんです、最大限見積もっても。そういうのは、四十年間その状態が続いたかどうかわからないからであります。皆さんがモデル、モデル、モデルと言っているのは、せいぜいが三割の半ば、せいぜいがです。

 私が、きょう皆さんのお手元に、今局長が御答弁のものと違う資料を用いまして、いただいた資料で、例えば共働き世帯数の推移とかを見ていただきますと、男性の雇用者と無業の妻から成る世帯が平成二十七年は六百八十七万に対して、共働き世帯は千百十四万という形で、明らかにもうトレンドは、夫が四十年正社員、妻が三号というのは非常に少なくなっている。これはもう塩崎大臣も日々、身の回りの御実感であろうかと思いますし、下のグラフ、三号被保険者は女性全体の中の三割であります。だから、大体三割、モデルとして一生懸命、口角泡を飛ばしているのは三割とみなしてもよいほどのものなんだと思います。

 もちろん、論議ですからモデルは必要です、架空ではできませんので。ただ、塩崎大臣、私が指摘したい点、今、全部の年金の財政検証の中で、あるいは与野党を激しく対立させているモデル世帯の所得の代替率というものは、年金の受給者全体の中の三割、多く見ても三五%程度のものであるということを共通の認識にしていただけますでしょうか。

塩崎国務大臣 おっしゃるように、家族構成というのは随分変わってきていますから、絶えず私たちはその実態に即した制度設計に努めていかなければならないというふうに思いますので、問題意識は共有をさせていただくところでございます。

阿部委員 私がこの点を申しますのは、これまでの民進党の各議員の質問の中にも、単身者はどうか、あるいは、きょうこれから私が問題にしたい女性の低年金はどうかなどが今、社会的には大変大きな問題になっていて、モデル世帯の所得の代替率がどうかという問題では語り切れない、それをはるかにはみ出したところに実態が、多く困難を抱えているということが共有されないといい解決策も出てこないと思うので、大臣にも確認をしていただきました。

 あわせて、いわゆる所得代替率ということにおいて、特に一九八五年の吉原年金局長とのやりとりが多く取り上げられて、そのときに、消費実態調査、あるいは生活扶助額、プラス、年金の保険料を払う側とのバランスでどうかという論議がずっと行われておって、そこを大臣が、野党側、民進党側が、果たして本当に基本的な消費の生活を賄えるものであるかというところを、あえて明確にお答えではありませんが、私はずっと答弁をお伺いしていて、当初の、実は社会保障制度審議会年金特別委員会、年金の特別委員会が一九五七年にできて、ここで次に国民年金法というのができ上がっていくのですが、このときの国民年金の概念は、いみじくも、農村部における生活扶助額と同じ額にするというところから始まっております。

 そこを引き継いで吉原局長も生活扶助ということも言葉に出しながら消費実態調査を挙げられたわけですが、今も、皆さん御指摘のとおり、これは逆転が既に生じていて、私は、そのことをやはり厚生労働省の最高の責任者である塩崎大臣はお認めになった上で、しかし、なおかつ、今私たちの持っている年金制度に意味があるとすれば、国民にその意味をどう伝えるのかというふうに考えていただいた方が、本当にそれで生活できるのかと思う国民の不安と、しかし、この制度は不可欠のものであって、それがどんな役に立つのかということをある意味で分けてでも伝えなきゃいけない時代になってきているんだと思います。

 ちなみに、結論的なことを申しませば、私は、賃金スライドを今の段階ではかけるべきではないという意味で、大串さんの先ほどおっしゃった立場と同じものでありますが、そして後ほど私なら何をするということもお伝えをしたいと思いますが、大臣には二点確認。

 一つは、モデル世帯が極めて限定的なものであること。それから、年金の長い歴史の中で、特に二〇〇三年のマクロ経済スライドが始まったときから基礎年金部分が毀損していく、生活を賄えなくなっていくことはある意味で避けられない、ある意味でです、おおむねと言いましたね、大臣は。その認識も私は共有していただいて、だったらどうするという次の論議に進みたいですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 冷静な議論ができるのを大変ありがたいと思います。

 平成十六年の改正につきましては、現役世代の保険料負担がこのままいくとどんどん上がってしまうという危機感を皆さんがやはり共有したんだろうと思います。それがゆえに、上限を固定して、その範囲内で給付水準を調整する仕組み、いわゆるマクロ経済スライド、これを導入するということにして、高齢期の生活の状況等を参考にしながら給付水準の下限を定めるということで、いわゆる代替率の下限というものも考えられたわけでございます。

 その具体的な水準については、我が国が二〇五〇年に一・二人で一人の高齢者を支えるという未曽有の少子高齢化社会を迎えると予想される中で、給付と負担のバランスを考えて、一八・三という保険料の上限、所得代替率五〇%という給付水準の側の下限、これをセットで法律で通したということだと思います。

 その上で、五年ごとに実施をしている財政検証で、所得代替率が単に五〇%を上回っているか否かを検証するだけではなくて、報酬比例部分と基礎年金部分に分けて代替率を算出する、そして、その分析を通じて、政策として対応が必要な課題を明らかにしてきているわけでございます。

 したがって、基礎年金部分を分けて代替率を出しているということで今盛んな議論が行われているわけでありますから、それをどう考えるかということについては、冷静に議論をさせていただきたいなというふうに思うところでございます。

 今般の年金改革法案に盛り込んでおります賃金の変化に合わせた年金額改定ルールの見直しは、まさに財政検証において明らかになった将来世代の基礎年金の水準低下といった問題に対応するためのものでありまして、議員の問題意識にも通じるものではないかというふうに思いますし、繰り返し、基礎年金の将来の姿が随分、特に経済前提の悪いケースのところで示されて、こんなに下がってどうするんだ、どうするんだというお話がたくさん出ました。

 しかし、今回のルールをもし当てはめないで、今までのような形でデフレがもし続いたらその水準すら下がっていくということを捨象してその議論は成り立たないんだろうなというふうに思いますので、ぜひ冷静な御議論がいただければありがたいと思っております。

〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

阿部委員 今の大臣の御指摘を私なりに翻訳いたしますと、実は、基礎年金部分にもマクロ経済スライドがかかるので、その年月がなるべく短く終わらないと基礎年金の毀損も著しくなる、マクロ経済スライドでより多くダメージを受けるのは基礎年金部分であるのでという問題意識で、そうであるならば、年金の賃金スライドをここで導入せざるを得ないかというお考えなんだろうと思います。

 と同時に、いろいろ動いている経済、このことが予測できない面も確かにありますから、経済の状況が悪ければ当然五〇%も割ってしまうということもあるし、そのことは、実は、私ども政治家であれば誰しも、国民の生活がよくなるように経済の上昇を願うわけですが、私ども野党から見ますと、一方で、甘い見通しというふうに見えるんだと思います。

 では、そうではない見通しで物が解決できるのかどうかということは、また後ほど触れさせていただきます。

 モデル世帯の話に少しまた戻らせていただきますが、大臣のお手元の二ページ目、ここには「高齢者の配偶関係の将来見通し」というのがございます。

 これは、御高齢者を男性と女性に分けまして、例えば、二〇一〇年であれば、男性のうち、年金受給者の八割は配偶者がおられますが、一割はお亡くなりである。女性の方は、実は半数近くが配偶者が亡くなっておられる。すなわち、女性の方はお一人でお暮らしのケースが多いということです。

 これが、二一〇〇年になってまいりますと、男性でも配偶者のある方は五六・六。これは先ほどの稲垣さんがやってくださったシミュレーションで、「女性と年金」というところでお出しでありましたものを借用いたしました。一方、女性の方は、配偶者のある方は三割、死別をされている方が三割、そして未婚と離別が三割。シングル、あるいは御結婚されても、離婚をされた、あるいは死別をしている。すなわち、女性の高齢の年金受給者のうち、多数は、六割以上は、七割近くはお一人で、死別されたか、離別されたか、全く結婚されなかったか。

 ここに、膨大な数の女性の年金受給者があり、そしてこういうプロフィールを持っているということを、まず私はこの場で確認をさせていただきたいです。

 というのも、多く、御高齢期、女性の方が長い寿命をいただいておりますし、年金問題は、その女性たちが幸せに暮らすことができなければ、例えば、皆さんのお母さんの世代、おばあちゃんの世代を考えていただければ、いろいろなことで、私たちを育ててくださいましたし、社会をも支えていただきました。そういう方がおひとり暮らしで大変に厳しい状況になるということに、社会は、あるいは国は何をすべきか。すなわち、年金にはジェンダーの視点が不可欠であるということであります。

 そこで、大臣に、次の資料を見ていただきますとわかりますように、これは、年金の将来見通しを男性と女性と分けて、二一〇〇年までとって、そして、第三・四分位、第一・四分位、第一は少ない方、第三は多い方と、男女、男女、分けて考えますと、やはり、一番厳しい、常に男性より厳しいラインに女性が入る。女性の中央値を見ても、平均的な現役男子の手取り収入に対する比率、今の所得代替率に近しいものをいうと、実は十数%に落ちているわけです、この図から見ていただけることは。

 私は、ぜひ、これからの年金のいろいろな試算の中で、属性を分けて、もちろん、男女を分ける、それから女性の属性も分けて、一体どのくらいの所得保障率があるかということを分析の手法として取り入れていただきたいが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 今お話しいただきましたように、特に女性の高齢者、ここの構成を見て、お一人の方が多いというお話をいただいたわけであります。

 もちろん、死別の中には遺族年金をおもらいの方々もたくさんおられるんだろうというふうに思いますので、全員が基礎年金だけということでもないのかもわからないということですから、そういうことになりますと、今御指摘のように、やはり、まず実態がどうなっているのかということをしっかりと押さえるということ。その上で、さまざまな光を当てる角度から、この年金の問題についても、そして、所得階層や年齢とあわせてしっかりと見ていくということも大事かなというふうに思います。

 財政検証の話が先ほど来出ているように、あと二年少々でそうなりますので、これについては、それに向けて、どういうものが一番実態に合って、年金をもらう立場から見て意味あるデータとなるかということを考えていかなければいけないというふうに思います。

阿部委員 今、いみじくも大臣がお取り上げくださいましたように、次のページを見ていただきますと、女性の年金の将来見通し、これはいずれも先ほどの稲垣さんが発表されたものですが、パートナーと死別された方、あるいは有配偶者の夫の年金の二分の一がある方は、まだそうはいっても、年金額において、年で七十数万円から八十万円、もっとある方も、もちろん、第一・四分位ですから、これよりもっと上の方もいらっしゃいます。一番低いところでもこれだけだという意味です、第一・四分位は。ところが、未婚、離別、あるいは妻の年金だけの方というのは、四十万円から五十万円のところにずっと張りついております。

 こうなってしまう理由が、実は、二〇一〇年から二〇四〇年あたりまでかかるマクロ経済スライド、これがどんどん下げている。それゆえに、私は、大臣と共有する認識は、早くマクロ経済スライドが終わるようにしなければならないというのは一緒なんです。

 と同時に、しかし、今現在でも、これだけスライドが今の案でもかかってしまうわけです。ここまで下がってしまう。プラス、年金の賃金スライドがかかったら、もっと下がる。これが非常に、今回の法案が、女性に厳しい現状の年金の受給実態をさらに悪化させる、女性の貧困防止ではなくて貧困加速法案になってしまうということを私は大変懸念します。

 大臣には、先ほどおっしゃっていただいたように、配偶者があって、その遺族年金があるケース、あるいは生涯お一人で、あるいは離別をされてというような属性の差でこれだけの差が出てきている現状、このことも踏まえての分析をお願いしたいし、果たしてこれ以上下がってしまう危険性はないのかということについても、今回の大臣たちがお出しになっている賃金スライドではどうなるのか見せていただかないと、今でも厳しいのにさらに厳しくなったら、多数の女性が暮らせない、生きられないと私は思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございまして、今お配りをいただいているような、いろいろな立場の女性がおられ、そして、この方々の将来、まだ高齢になられていない現役の方々にとってみれば、例えば同一労働同一賃金の問題に今取り組んでおりますけれども、非正規であるがゆえに賃金が低い、そしてまた、厚生年金の適用になっていないというようなことがある場合とない場合で随分変わってくるわけでございますので、やはり、今回の法律の中にも入っていますけれども、適用拡大の問題についてさらに進めていくということをやっていくことは、こういう問題を解決する一つの手だてにもなるわけでございます。

 したがって、働き方の改革と、年金の改革と、そして全体の経済の成長を図ることで賃金と物価が上がる、そのことによって、今回のような、賃金が下がった場合のルールの変更でありますから、そのようなものが当てはまらないようなケースがずっと続いていくという経済政策をやっていくことがまた大事になってくるんだろうというふうに思います。

 いずれにしても、さまざま考えた上で、実態に合った制度となるように、絶えざる改革を進めていかなければいけないというふうに思います。

阿部委員 もう時間が限られていますので、少し続けて私が話をさせていただきます。

 次の次のペーパーは、「高齢女性の貧困率の将来見通し」で、先ほどの繰り返しになりますが、未婚と離別の方は半数以上が貧困、そして、死別は遺族年金があるのでそこほどではない、有配偶者であれば貧困率は低い、一般的にこういうプロフィールが出た上で、そして、高齢の女性だけじゃなくて、女性自身の貧困問題が一方にあり、シングルマザー等々、あるいは若い女性の非正規雇用等々で今、貧困問題が深刻であるということで、そういう中で、今回、唯一と言っては失礼ですが、評価できる改正は、国民年金に、女性の、特に出産前と後の休暇、これについて手当てがなされるようになった、十二週。

 皆さんのお手元の終わりから二ページ目の一覧に、これは実は、私が初当選してからずっと問題にしておりますところの、国民年金や国保の女性たちはこんなに不利である、もらえるものは出産一時金しかなくて、有給の産休もとれなければ、傷病手当もなければ、育児休業もなければ、おまけに、出産するときの保険料免除もなかったんだ。その最後の一つだけ、最後のバツだけマルになりましたけれども、本当に今、今回の法案で、約二十万人の国民年金一号の女性が保険料をその十二週間だけ払わなくてよくなる。いいことですが、突端ですので、さらに深めていただきたい。

 そして、最後のペーパーは、大臣がおっしゃったように、非正規雇用の方に今拡大をしておりますが、これを千二百万人まで拡大すると将来の貧困率の発生は大きく下がってくるというグラフで、実は、厚生労働省の二〇一四年六月三日の社会保障審議会の中でも、三つのオプションがあって、今回のような賃金スライドにするのか、あるいは非正規の皆さんへの保険の拡大にするのか、あるいは四十五年の加入期間にするのか、三つを比べると、実は、千二百万人に加入拡大したときの方がマクロ経済スライドの下がり率が少ないというデータが出ております。

 私は、これは、今、政府が出して……

三ッ林委員長代理 申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力お願いいたします。

阿部委員 はい。

 出しておられることに対しての対案ですので、これをきちんと審議していただきたく、時間を延長して申しわけございませんが、ぜひ次の委員会で取り上げさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

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2016/12/13 国会質疑   abetomoko

【速報】田中原子力規制委員長が11月22日の答弁について謝罪

本日12月9日の原子力問題調査特別委員会で阿部知子は、11月22日の本委員会での田中原子力規制委員長の答弁について事実確認と謝罪を求めました。

 

11月22日の委員会で阿部知子は同日朝、福島第二原発3号機プールの冷却が一時停止したことを取り上げましたが、田中委員長は阿部知子が指摘したプールの水温について、「先生がどこで入手された情報かわかりませんけれど」あるいは「測った場所が違うのに、何かちょっとそういう誤解を招くような報道があったのではないか」等答弁しました。

(詳細は「11月22日の原子力問題調査特別委員会での阿部知子質問及び田中原子力規制委員長答弁について」)

 

これについて、9日の原子力問題調査特別委員会で田中委員長は、「11月22日の本委員会で阿部先生からのご質問を受けた時点では、東京電力がそういう発表(冷却停止時のプール水温28.7度、冷却再開時29.5度との当初発表)をしているということはわかりませんでした……私がそういう情報をきちっと捉えていなかったということの不明についてはお詫び申し上げたいと思います」と述べ謝罪しました。

また、「東京電力は誤った情報を出してしまったということですので、それについてはきちっと注意をしまして、訂正を求め」たとしました。

 

なお、阿部知子は、11月22日の委員会でその後に質疑に立った足立康史議員が、阿部知子が「デマ」を言ったという趣旨の発言をしたことについての取り扱いを理事会で協議するよう三原特別委員長に要請しました。

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2016/12/09 国会質疑   abetomoko

11月1日TPP特別委員会議事録

【注】本議事録には岸田外務大臣の答弁の誤りが訂正されないまま掲載されています。事の経緯は以下をご覧下さい

阿部知子に対する岸田外務大臣答弁について発行済み会議録の訂正という異例の事態

 

**********

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

 本日は、質問のお時間をいただき、ありがとうございます。

 私は、きょうは主に医療分野で質問をさせていただきたいと思いますが、冒頭、せっかくいただきましたお時間ですので、岸田外務大臣に、このTPPと直接には関連いたしませんが、我が国のまさに国際的に占める位置、役割ということにおいて、さきの核兵器禁止条約における対応、大臣のお地元の広島もそうです、大変、被爆者の皆さんも残念に思っておられる。先ほど石原伸晃大臣がおっしゃいましたが、我が国が世界のルールメーキングのリーダーとなるとすれば、この核兵器の禁止というのは最も肝要な、日本こそ最先端でやるべきことだと思います。

 この点について、岸田外務大臣に、なぜ日本の対応がこのようなものになっているのか、お尋ねをいたします。

○岸田国務大臣 まず、我が国の核軍縮・不拡散に対する考え方は、一貫して一つの考え方に基づいて取り組んでいるということを申し上げさせていただきます。

 すなわち、我が国は、核兵器の非人道性に対する正確な認識とそして厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識に基づいて、核兵器国と非核兵器国の協力のもと、現実的、実践的な取り組みを進めていく、これこそが核兵器のない世界を実現するために有効な取り組みであるという基本方針のもとに取り組んでおります。

 そして、先般、国連総会第一委員会におきまして、各国が提出した決議について採決が行われました。その中の一つの決議についての我が国の対応について御質問いただいたわけでありますが、各国が出しました一連の決議の対応についても、今申し上げました基本的な方針を貫いているというのが我が国の対応であります。

 そもそも、我が国自身も決議を提出しているわけでありまして、今申し上げました基本的な方針に基づいて我が国の決議を提出した、結果として、米国を含む百を超える多くの国から共同提案国になってもらい、そして、結果的に百六十七、多くの国々から賛成してもらう、最も多くの国から支持を得た、これが我が国の決議でありました。我が国の基本的な考え方が、この核軍縮・不拡散の議論の中で、国際社会において最も多くの支持を集めているという結果となりました。

 そしてその上で、御指摘の決議について、要は核兵器禁止条約の交渉開始を含む決議について、我が国の対応について御質問いただいたわけでありますが、その決議に対しまして我が国は反対をいたしました。この反対の趣旨は、先ほど申し上げました二つの認識に基づく現実的、実践的な対応にそぐわないのではないか、さらには核兵器国と非核兵器国の協力を重視するという立場にも沿わないのではないか、こういった理由で反対を表明したわけであります。

 こうした我が国の考え方、評価は、他の国々の御指摘の決議に対する賛否にもあらわれていると考えています。すなわち、他の国々の賛否の結果は、御指摘の決議に北朝鮮は賛成をしました、そして、五つの核兵器国は全て賛成しませんでした、そして、我が国と同じく非核兵器国として核軍縮・不拡散に取り組んできたドイツ、あるいはオーストラリア、あるいはオランダ、こういった国も全て賛成をしておりません。こうした各国の賛否の結果を見ましても、我が国の御指摘の決議に対する判断、これは裏づけられているのではないか、このように感じています。

 そして、御指摘の決議は結果的に採択されました。来年から核兵器禁止条約の交渉が開始されるということが確認をされたわけであります。この交渉においては、我が国は、引き続き、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場から、堂々と議論に参加するべきであると思います。唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国の橋渡し役としてこの議論にも堂々と参加するべきだと私は思っています。具体的には手続がこれから確認されて、政府として正式にその対応を判断するわけですが、現時点において私はそのように感じているところであります。

 このように、我が国の決議においても、御指摘の核禁条約の交渉開始に関する決議においても、そして今後の交渉においても、我が国は核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場を貫いております。今後も、この方針をしっかり貫きながら、唯一の戦争被爆国として、核軍縮そして不拡散の議論を堂々とリードしていきたいと考えています。

○阿部委員 核兵器の不拡散あるいは廃絶に向けて、まず第一に、この非人道的兵器を使わない、禁止するということは不可欠な一歩だと私は思います。化学兵器も生物兵器もそういう意味で禁止されております。人道に対する罪だからであります。

 特に大臣にあっては、御自身の御地元での経験もおありでありましょう。我が国がこれは使ってはならないものだと明確にしない限り、おっしゃったように北朝鮮が賛成した、いいことではありませんか、使わない、この北東アジアの核をめぐる状況に一つ前向きになると私は思うべきだと思います。

 きょう、この場はTPPの問題ですので、これ以上私もこのことに時間を費やしませんが、今の大臣の御答弁は大変に残念ですし、日本がこれまで歩んできた核廃絶、あるいはそのことの本気度、実際に何をステップにしていくのか、やはり使わない、お互いに使わないということから始まるものだと私は思っております。(岸田国務大臣「一言だけ」と呼ぶ)では。

○岸田国務大臣 核兵器のない世界を目指す、この目標を多くの国が共有しています。そして、私は、三年十カ月外務大臣をやる中で、核兵器国と非核兵器国の協力なくして結果を出すことはできない、こういったことを確信する場面に多々直面してきました。

 こうした経験の中で、核兵器を持っていない国だけが理想を掲げても、核兵器を持っている国がその外にいたのでは結果に結びつかない。この現実の中で具体的に結果を出すためにはどうしたらいいのか、それこそ責任ある対応ではないか、こういった信念に基づいて、一つの考え方に基づいて、具体的なそれぞれの課題について判断を下してきました。

 この判断は決して簡単なことではありませんが、説得力を持つためには、一つの信念、立場、これを貫いていかなければなりません。今申し上げましたこの考えに基づいて、先ほど申し上げました基本的な立場、これをしっかり守りながら、今後も努力をしていきたいと申し上げております。

 残念だというお言葉がありました。しかし、私は、私の経験、考え方に基づいて、一つの考え方を貫いた結果であるということも御理解いただきたいと思います。

○阿部委員 基本的な我が国の立場とは、戦争による核の使用で被爆をしたということであります。そして、これは到底どんなことにおいても許される状況ではないんだということをまず、これは我が国が戦争による被爆国である、そこからくるものであります。

 本来であれば外務委員会などで、さらに岸田外務大臣には頑張っていただきたいので、私はこのことの論議は深めていきたいと思います。

 本来のTPPに戻らせていただきます。

 岸田大臣に引き続いてお伺いいたしますが、十月の二十七日の日に共産党の笠井委員がお取り上げの、いわゆるサイドレターについてでございます。

 これまでEPAとかWTOとかいろいろな他国との協定がございました中で、特に医療保険分野に特記して、このサイドレターは将来の医療保険分野でのさまざまな協議も含むということがわざわざ書かれたものでございますが、これまでの中でそのようなものはございましたでしょうか、前例が。お伺いいたします。

○岸田国務大臣 今回我が国が取り交わしたサイドレターは全部で二十一本あったと承知をしていますが、その中の一つについて御質問をいただきました。

 御指摘のような医療保険に関するサイドレター、これはこれまで、TPP協定以外の交渉において我が国が同様のサイドレターを交わしたということはないと承知をしています。

○阿部委員 前例のないことがわざわざ、サイドレターは法的拘束力は持たないんだ、協議するだけだということでありますが、わざわざ書かれることにはやはり意味があるんだと思います。このわざわざ書かれたことの中で、もちろん、日本側にとってもメリットがあるから書かれたものと思います。アメリカのフロマンさんから来て、日本側もお返しというか返礼をしたわけですから。

 塩崎大臣に伺いますが、このサイドレターの日本側にとってのメリットは何でありましょう。特に医療保険制度の協議に道を残しているということにおけるメリットは何でしょう。

○塩崎国務大臣 医薬品、医療機器に関する附属書の適用範囲については、それぞれの国の医療保険制度を踏まえて適用範囲が定められることになっておりまして、我が国は、公的医療保険における薬価制度、そして米国は、国が公定価格を決める一部のメディケアが想定をされておるわけでございます。

 この附属書に関連して日米で交わされた今御指摘の交換文書、いわゆるサイドレターでございますが、ここにおきましては、日米は、医療機器産業が両国の社会経済における保健医療に対して有益な貢献をしていることを確認するとともに、医薬品及び医療機器に関する附属書で合意をされた内容につきまして、附属書に規定をする協議制度の枠組みのもとで協議をする用意があることを確認しているにすぎないところでございます。

 御指摘のサイドレターは法的拘束力がないということは先ほどからもお話が出ておりますが、我が国では、これまでも米国を初め各国との協議に誠実に対応してきておりまして、交換文書によって新たな義務を負うものではないわけでありますが、これにつきましては、改めて確認をするということでこのレターが成り立っているということでございます。

○阿部委員 アメリカ側が手紙を出して、そのことを受けとめただけなのですか。私が伺っているのは、このサイドレターを取り交わしたことで日本側にメリットはあるんですかということです。

 アメリカはもうずっと以前から日本の薬価、特に、アメリカはいろいろな薬剤メーカーが新薬を開発して、世界の市場の中でも上位を独占しておるわけです。日本もまた、皆保険制度があるゆえに非常に大きな市場になっております、アメリカにとっても。ですから、アメリカ側は、こういうサイドレターを出すことはそれなりの利と得があるんだと思います。

 我が国は、はい、それをいただきました、同じ思いですというからには、我が国にとってはどんな目算、メリット、戦略があるんでしょう。お聞かせください。

○塩崎国務大臣 それは、先ほど申し上げたとおり、附属書に伴ってサイドレターが交わされたということで、附属書に記されております手続をお互いに確認をしたということが一番の意味だと思いますし、それに加えて、先ほど申し上げたように、例えば、医療機器産業についてはお互いにやはり重要な産業であるということも確認をし、さらには、協議をするに当たっては、必ずこの附属書にあることをしっかりと踏まえた上でやらなければいけないという手続上の確認をしているということにおいて意味があるというふうに考えるべきではないかと考えております。

○阿部委員 私は、塩崎大臣らしくないと思うんですね。やはり、手紙を交換するということは、本当に、そこにおいてこれから日本がどのようなものにおいて有利な交渉を進めるのかとか、言われてもやらないよというだけではない、もう一歩踏み込んで、そうでなければメリットが見えてきません。

 そして、従来の流れは、何度も指摘しますように、薬価については日米間のいろいろな場でアメリカ側が要求する場面ばかりでありましたから、ここでこういう手紙が交わされるということの意味が大変国民的にも懸念と心配になる。特に、国民医療保険制度、健康保険制度と特記してあるわけですから、その言及が気になるわけです。

 大臣もおっしゃったように、薬価は日本においては公定価格ですけれども、アメリカにおいて薬価の公定価格はメディケアとかメディケードとか限られたシェアであり、ほかはほとんど自由価格でやっているわけです。そうなると、この手紙の持つ意味は、やはりアメリカ側の一方的な、日本の薬価の調整制度に対する見解というふうになってまいりますので、これでは余りにも片務である。

 私は、先ほどの核廃絶の問題でもそうですが、日本の戦略にとって、アメリカも核兵器禁止条約反対でありましたが、逆に、それと一緒にやっていって本当に日本の戦略性が出てくるのかどうかということをこのTPPにおいても非常に懸念するものであります。

 次に、具体的に伺っていきます。

 これもこの委員会で何人かがお取り上げでしたが、今、小野薬品のオプジーボという高額な価格のお薬のことについて、普通、薬価は二年置きの改定で、大変にそのお薬が売れて価格を下げなければならないときの仕組みというのは、二年置きの決められた期であるわけです、価格の調整と申しますか。今回、その途上、二年ではない間で、この薬が大変効用があって繁用されるようになったので価格を引き下げようというのが今、中医協で論議をされているわけですが、期中改定、決められた期ではない改定というのは、大変にいろいろな意味で、その手続がどうか、内容がどうか、透明性、公開性が求められるものだと思います。このことは、実は、大臣、どのようにして担保されるんでしょう。

 期ではない期中改定、特例改定と言ってもいいと思います。そのほかの価格の再調整の仕組みは、それなりに中医協で論議され、そしてルール化されておりますが、今回のものはそうではありません。日本の製薬会社もそうですが、海外の製薬会社も同じような事態に直面すると、これは予測のことではない、どこでどうやって決めたのだとなってまいりますが、まず確認は、期の定められた改定ではない特例改定である、特例改定におけるルールはいまだないという中で、このことをどうやって透明性、公開性を担保なさいますか。

○塩崎国務大臣 まず、オプジーボにつきましては、もう言うまでもなく、世界で初めて我が国で承認をされたという、我々としては望ましいし、また大変効果のあるイノベーティブな薬品ということであります。だからこそ、今回、適応拡大によって大きな市場の拡大があって、当初のメラノーマを前提とした価格でいったことについての問題が今いろいろと表面化をしている、こういうことだと思います。

 こういうことで、私どもとしては、国民負担の軽減の観点、そしてまた医療保険財政に与える影響を考慮して、二年に一度の薬価改定の年ではございませんけれども、緊急的に薬価を引き下げるとともに、より効果的な使用を徹底するということを今、中医協で検討していただいているわけでございます。

 薬価につきましては、健康保険法に基づいて厚生労働大臣が定めるということになっておりまして、薬価改定の頻度は法律上に特に定めがあるわけではございません。近年は、おおむね二年に一回行われてきたということでございます。

 今回、御指摘のオプジーボについて緊急的に薬価を引き下げるということの検討を今、申し上げたようにしているわけでありますけれども、これはさっきも申し上げたとおり、国民負担軽減の観点、あるいは医療保険財政が持続性を保てるかどうかということを考慮した上で、国民皆保険を守るという公共の福祉に係る正当な目的のための措置であって、TPPでもそれはちゃんと留保されているわけであります。

 現行の薬価算定のルールも踏まえて、必要かつ合理的な範囲での薬価の引き下げを行うべきということで検討をしているわけでありまして、さらに今、中医協において、内外の製薬業界団体からオープンな形で意見をしっかりと聞いて、その上で検討をし、公正な手続のもとで議論をしていくということでありますので、企業との間のトラブルの話を今お取り上げをいただきましたが、そういうことにはならないというふうに思っているところでございます。

○阿部委員 厚生労働省あるいは大臣が必要かつ合理的と思っても、相手の製薬会社、これは国内の製薬会社もあるでしょうが、海外の製薬会社の場合も当然生じてまいります。

 今いみじくも大臣がおっしゃった、薬価改定のある意味でのルールはないというふうにおっしゃったのはちょっと違っておって、期で、二年ごとの改定というのは一応お互い合意されたものなんですね。ところが、この期中改定、間で勝手に変えたら困るよというのは、各製薬会社から、これは日米欧の製薬業界が九月十四日に中医協の薬価専門部会で意見を出しておられます、期中改定には反対だと。

 大臣がこれは透明性と公益性を担保していると言っても、相手は反対だと言っているわけです。ここに訴訟の余地が残り、そして、これが海外の製薬会社であった場合はISDSなどに関係してくるのではないか。このことを何人かの委員が指摘されて、そのことについて大臣の御答弁はいつも、これは必要かつ合理的だというふうに繰り返されるばかりで、既に製薬会社の側がこれは反対だと言っているのですから、大臣が幾らそう言っても、そごがあるに決まっているじゃないですか。

 そのことをどう受けとめて対処していかれるのですか。そういう危険性はないと言い切れないと思います。だから皆さん御指摘なんだと思いますが、いかがですか。

○塩崎国務大臣 仮にTPPが発効した際でも、附属書の2において社会保険、社会福祉、保健等の社会事業サービスを記載してありまして、これらの分野は協定の適用除外ということであり、また、医療などの社会保障分野は将来留保ということで、将来留保の解釈を変更するというのは全ての締約国の合意が必要だということは、TPPの世界で申し上げればそういうことになっているわけでございます。

 今、阿部先生御指摘のように、確かに製薬団体、これは日本も、それから米国も、そして欧州も、それぞれ意見陳述をしていただきましたけれども、それぞれ慎重論、反対をされておりまして、二年に一回の薬価改定頻度を前提に経営を行っているので期中改定の議論にくみすることはできないと。いずれの団体からも、二年に一度の薬価改定の年以外の薬価の引き下げに関して反対意見が出されていることは、私たちもよく承知をしているわけでございます。

 ただ、薬価についての健康保険法の定めは、先ほど申し上げたとおり、特に改定の頻度につきましては法律上に定めはないわけで、近年はおおむね二年に一回実施をしている、そういう形になっているわけでありまして、私どもが申し上げている国民負担の軽減の観点、あるいは医療保険財政への影響、国民皆保険制度を守るという公共の福祉に照らして正当な目的のためにデュープロセスを経て引き下げを検討しているという段階でございますので、私どもはそういった訴訟については想定をしておらないわけであります。

 ISDS条項についてお取り上げをいただきましたが、これもTPP協定において、投資受け入れ国が公共の福祉に係る正当な目的のために必要かつ合理的な措置を講ずることは妨げられないというのは先ほど申し上げたとおりで、投資章の複数の規定で確認をされております。

 そういう意味で、先ほど申し上げた附属書の2において社会事業サービスを留保している中に薬価制度も含まれるというふうに思いますので、国民皆保険を守るという公共の目的、正当な目的、必要かつ合理的な措置、そして中医協において外国の製薬業界を含めて関係の皆さん方の御意見をしっかり聞くというデュープロセスを踏んだ上で決定をするということであれば、ISDS条項によって海外から訴えられることは想定されないというふうに理解をしているところでございます。

○阿部委員 一言申し上げれば、そういう想定が甘いのではないかと皆さんが指摘をされているわけです。

 大臣も明確に御答弁のように、日米欧の各製薬会社はみんな反対をしているわけです。二年なら二年で自分たちの商品を販売するための計画を立ててやっているのに、その途中ではしごを外されたらやれないじゃないの、簡単に言えばそういうことを言っていて、それは、大臣が幾ら日本の公益性で担保されているとおっしゃっても、もう既にここに現実に違いがあるわけですから、そこを認識されないでこの交渉に踏み込んでいくというのは私は極めて甘い予想だと思います。

 もう一つ同じような問題がありますので、次に進めさせていただきます。

 皆さんのお手元に、資料として、きょう、ヘルスケアREITに関するガイドラインというものを配らせていただいておりますが、このヘルスケアREITとは何か、ほとんど、この場で取り上げるのも初めてですし、皆様には知られていないことだと思いますので、きょうは国土交通省の方の政務官にお越しをいただいて、そもそもREITとは何か、それからヘルスケアREITとは何かということについてお願いいたします。

○根本大臣政務官 REITとは、一般的には、公募等により広く民間資金を集めて不動産を取得、運用し、その賃料収益等を、出資した投資家に分配する仕組みをいいます。

 そしてまた、ヘルスケアREITのお話がありましたが、これは、高齢者向け住宅とか病院などを対象物件としたREITのことをヘルスケアREITというふうに申しております。

○阿部委員 私がこのヘルスケアREITを取り上げますのは、先ほどまで取り上げておりました国民皆保険制度並びに薬価の問題もそうですが、一方で、市場の原理と申しますか、市場の利潤ということを上げようという動きは全世界的に強いわけです。

 医療分野とてその例外ではないし、今お話しのヘルスケアREITというのは、例えば投資会社が土地を取得して建物を建てて、その上物を病院の経営者に貸すというような仕組みであります。この土地代あるいは建物代、ここを大変に高価格に設定しますと、上物を運営する病院あるいは介護関係の施設は利潤を出さなければいけない構造に追い込まれます。

 他の不動産投資と違って、ヘルスケア、特に病院、医療については、大臣が繰り返し御答弁のように公益性を持っており、守るべきものは守らなきゃいけない分野で、果たしてこうやって、今アメリカが一番ヘルスケアREITの数も多いし市場規模も大きい、世界の九〇%くらいはアメリカの会社というか、そういう投資のための仕組みでありますが、今後日本にこの波が及ぶことは十分に考えられ、日本でも既にヘルスケアREITは始まっております。

 このヘルスケアREIT、かといって、全てを普通の建物を貸す、そういう市場原理で賄っては医療がゆがむ、介護がゆがむということでガイドラインというのがつくられているのが、皆さんのお手元の国交省がつくられたガイドラインであります。

 医療分野と介護分野、一応二つに分けてございますが、このおのおのについて、国交省の方から御説明いただけますか。

○根本大臣政務官 病院や老人ホームなどのヘルスケア施設を運用する際には、これらの施設が医療法や老人福祉法などの関係法令に従って適切に運営され、これらの施設の利用者に不安を与えないようにすることが必要です。

 このため、これらの施設を所有することとなるヘルスケアREITについてガイドラインを設けて、REITの運営を行う資産運用会社が、一つは、ヘルスケア施設に関する知識を十分に有している者が取引に関与する体制を整備すること、二つが、REITとヘルスケア施設の運用事業者との賃貸借契約などが関係法令の規定に従っているかどうかを確認することなどを求めております。

 このガイドラインは、宅地建物取引業法に定める、REITの運営を行う資産運用会社に対して国土交通大臣の認可を受けるための運用基準を示すもので、外国の事業者が我が国においてREITの運用をする場合にも同様に適用されるものであります。

○阿部委員 今御説明いただきましたが、宅建業法というのがございまして、国土交通省が所管する法律ですが、五十条の二の三というところにもともとの宅建業法における規定があって、「その行おうとする取引一任代理等を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有しないこと。」ということで、こういう人には認可をしてはならないと。すなわち、宅建業法で認可方式でREITが認められていくのですが、私が今読み上げましたように、その条件とは「公正かつ的確に遂行することができる」というファジーな言葉で決まっていて、そこをガイドラインが示しております。

 ところが、ガイドラインというのはあくまでもガイドラインで、このことが、例えば、利潤をさらに上げたいとする投資会社が参入をする場合に、いやいや、あなたのところはそういう考え方ではできませんよというような、あるいは、地域の医療が、ベッド数も過剰ですので、ここでできませんよなどという規制を本当にかけられるのかどうかであります。

 塩崎厚生労働大臣に伺います。

 今現実に医療業界ではこういうREITがふえております。このことが十分に、厚生労働省の管轄下でもないし、医療上の中身についても経営によって圧迫されるのではないかと強く懸念しておりますが、塩崎大臣の現状における認識、そして、これから海外の投資会社が入ってくることもある、そして、これは余りにひどい規制じゃないかとISDSにかかることもあるなどの可能性を私は考えますが、いかがですか、大臣。

○塩崎国務大臣 医療と介護、大きく分けて二つの種類があると思いますが、特に医療につきましては、当然、非営利性というものが大事であります。

 医療機関がREITを活用する場合には非営利性が担保されなければいけないということで、先ほどもガイドラインのお話の中で、不動産投資法人の関係者が医療機関の経営に関与していないこととか、あるいは、賃貸借料について、医療機関の収入の一定割合としないこと、また、近隣の土地建物等の賃借料と比較して著しく高額ではないこと、こういったことにしっかり留意して、実質的な利益の分配が行われないような対応を求めているわけであります。

 冒頭先生からもお話がありましたとおり、こういったREIT、今、医療ではまだ実例が出ていないと聞いておりますが、介護ではぼちぼち例が出始めてきているということでありますが、大事なことは、やはり介護そのもの、医療そのものがゆがめられてはならないということが大事な論点であることは御指摘のとおりでありますので、今のようなガイドラインがあり、そのポイントは今申し上げたとおりでございます。

 REITそのものについては私どもの所管ではございませんが、医療と介護にゆがみがない形で資金調達が進み、施設の整備が進むこと自体は、むしろ進んでいただければ受け皿をふやすということで、介護離職ゼロということも申し上げている限りはそういったことだと思いますが、原則は、先生御指摘のとおり、ゆがみが医療や介護に及ばないということが一番大事だというふうに思います。

○阿部委員 私は、非常に塩崎大臣の認識が甘いと思うんですね。介護離職ゼロといったって、介護職員が疲弊し果てていて、今は、いかに介護職員を担保するかが結果的に介護離職ゼロに結びつくわけです。その介護の運営というところにおいて非常にもうけを出そうとすれば、人件費を削るしかないわけです。

 こういうREITが、政策ファンドというか、そういうものであればまだしも、そうじゃなくて、市場の原理のファンドが入ってくるわけです。そして、そういうこともこのTPPに伴って目前になっております。

 私は、委員長にお願いがございます。

 このTPPの審議の中で、冒頭取り上げました薬の価格もそうですし、医療提供体制に及ぼす影響についても、残念ながら、ほとんど審議が深まっておらない。だけれども、国民にとって大変命に直結する問題であります。今、日本の医療提供体制というのは大変に深刻な状況にあって、介護もそうであります。

 ぜひ、この及ぼす影響を、TPP委員会で参考人をお呼びいただく、ないし集中審議をしていただきたくお願い申し上げますが、いかがでしょうか。

○塩谷委員長 理事会で協議して、対応していきたいと思います。

○阿部委員 まだまだ審議は、私は半分も行っていないと思います、一〇%でしょうか。よろしくお願いしたいと思います。

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2016/12/06 国会質疑   abetomoko

11月29日本会議、厚生労働委員長解任決議案賛成討論

厚生労働委員長 丹羽 秀樹君 解任決議案 賛成討論

 

民進党・無所属クラブ 阿部 知子

 

 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました「厚生労働委員長 丹羽 秀樹君 解任決議案」に対して、賛成の立場から討論を行います。

 

 賛成する理由は、丹羽君が、厚生労働省や厚生労働委員会が最優先で取り組まなければならない国民的な喫緊の課題である長時間労働と相次ぐ過労死の現実を前にして、これを是正すべく野党が提出した長時間労働規制法案を放置したまま、年金カット法案の審議を優先させたばかりか、基本となるはずの厚生労働省の試算も恣意的であり、かつ十分な審議もせずに強行採決によって幕引きを図ったことです。

 若者の非正規・不安定雇用と対をなす正社員の長時間労働やパワハラ、セクハラの横行などによる自死・過労死問題は、実は年金の大事な支え手である次世代が著しく疲弊し、その役割を担うことができないという危機的な状況の反映です。このことにしっかりと対処しない政治はそもそも未来を語ることができないはずであります。

 

 今回の内閣提出の法案がもっぱら将来世代への給付増を謳いながら、現実には人間的に働くことすら叶わない生身の若者に目が注がれていないということは、実は法案に盛り込まれた高齢者の年金削減でも全く同じ構造だと思います。

 そもそも二〇〇四年に成立した年金のマクロ経済スライドの仕組みは、それまでの基礎的暮らしを支えるための給付を目指した年金体系から、少子高齢社会が進む中で現役世代の保険料率に上限を定め、物価上昇にスライドをかけて給付を抑制することで世代間のバランスを保とうとしたものです。それが基礎年金部分にも及ぶことは大きな問題との指摘もある中で、二〇一四年財政検証においてはスライド調整期間が長期化し二〇四三年にまで及ぶことが明らかになりました。

 加えて今回の改正法案に盛り込まれた年金カットの新ルールが発動されると、物価が上がっても賃金が下がれば、それに合わせて年金が下がることになってしまいます。新ルールが発動される都度、物価と年金の水準がどんどん乖離していってしまいます。

 こうして物価上昇に見合う給付増はなく賃金低下の分さらに年金額は減っていく恐れがあるわけですが、そもそも、現在でも基礎年金だけで生活していくことは極めて難しいのが実状です。二〇〇九年から二〇一四年に至る五年間を見ても、税・社会保険料負担を勘案すると実質的な生活保護基準に及ばない貧困高齢者数は、六百四十一万人から七百九十一万人まで約百五十万人増加したとの推計があります。既に、生活保護を受給する高齢者は増加し続け、受給者全体の半数を超えています。にもかかわらず、マクロ経済スライドによって二〇四三年までに基礎年金の所得代替率は今よりも三割減ることになっています。加えて年金カットの新ルールが適用されれば、高齢者の貧困化は一層加速し、さらに消費税負担増の影響も緩和される見通しがありません。生活困窮に陥るのは目に見えています。

 

 政府・与党は年金カット法案を「将来年金確保法案」と呼びますが、目前の高齢者の困窮にはあえて目をつぶったとしても、実は将来世代の年金給付増に与える効果もあるかなしかのものであります。
また、ここで使われる、いわゆる所得代替率の話もあくまで絵に描いた餅に過ぎず、夫が正社員として四十年間働き、妻は専業主婦という世帯をモデルにした比較でしかありません。現実には増える一方の高齢者の一人暮らし、とりわけ最も厳しい状況に置かれる女性の高齢者の問題は全く検証の対象ですらありません。女性の多様な人生、シングルや離婚、母子家庭等の現実、あるいは男女間の賃金・雇用条件等の格差の実態を踏まえた年金と生活保障の検討も不可欠です。

 本来年金試算とはジェンダーも含めて様々な属性や経歴を持つ高齢者の各々を視野に置くべきであり、政府とは独立した機関による推計に則り、労働力喪失の補てんとしての年金給付制度が設計されなければならないと考えます。あわせて、基礎的暮らしを保障するための政策パッケージもなくてはなりません。すなわち、年金制度の内外を問わず現金給付と医療・介護・福祉・住居等の現物給付をどう組み合わせていくかという政策こそが最も必要とされています。

 今政府がやるべきことは、既にマクロ経済スライドで年金額が将来大きく毀損されることへの対応も含めて、これを一日も早く終わらせるためにも非正規労働者への厚生年金適用の抜本的拡大を行うことです。適用拡大は現在四十代、五十代の年金増には直結しませんが、若い世代の将来の年金を確保するためには最も有効かつ一刻の猶予もありません。

 

 厚生労働委員会では、これからも国民生活に多大な影響を及ぼす法案や案件の審議が目白押しです。

 例えば、過重な長時間労働を課し、過労死を促進する「残業代ゼロ法案」も俎上に上っています。この法案によって導入される「高度プロフェッショナル制度」は、企業の残業代等の支払い義務を免除して、合法的に過重な長時間労働を課すものです。

 さらに「残業代ゼロ法案」には、事実上の残業代ゼロで長時間労働の温床となっている裁量労働制の対象者を拡大することも盛り込まれています。年収要件などがないため、中低所得の労働者、若年労働者も対象になってしまいます。残業代を払わず、過重な長時間労働をさせるブラック企業を喜ばせるだけの法案です。厚生労働委員会の本来の役割を取り違える丹羽君が委員長に留まれば、「残業代ゼロ法案」もいとも簡単に成立し、働く環境がますます悪化してしまいます。

 さらに、安倍政権は「働き方改革」に関する法案を検討していくとしていますが、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざす安倍政権がいかに耳当たりのよいキャッチフレーズを繰り出すとしても、真に働く者のためになる法案をつくるとは思えません。まして丹羽君の下では十分な審議時間が確保されず、法案の問題点が精査されないままに打ち切られてしまうことが容易に想像できます。
子ども・若者から高齢者まで、その暮らし、仕事、そして命までをも左右する法案を審議する厚生労働委員会において、緊急課題を脇におき、熟議の民主主義の原則も放り出すような丹羽君が委員長にふさわしくないことは明らかです。

 

 以上、申し述べて参りましたように、丹羽君が厚生労働委員長としてその職にこれ以上とどまり続けることは、到底許されません。本院のすべての議員諸君が自らの役割を自覚し、満場一致で丹羽秀樹君解任決議案を採択すべきことを改めて訴え、私の本決議案に対する賛成討論を終わります。

 

民進党HP「【衆院本会議】年金カット法案「その場しのぎ、将来世代にツケを回すだけ」民進党、採決前に議場退席 」

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2016/11/29 国会質疑   abetomoko

★配布資料アップ★11月22日、原子力問題調査特別委員会で質問します

11月22日(火)の原子力問題調査特別委委員会で阿部知子が質疑に立ちます。

質疑予定時間は14:51~15:16です。

原発ゼロの会、国会エネルギー調査会(準備会)で継続的に取り上げている、福島第一原発事故費用や一般炉の廃炉関係費用の負担の問題について質します。

 

★配布資料はコチラ

20161122原子力特資料.jpg

 

質疑の模様は衆議院インターネット審議中継でご覧頂けます。

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2016/11/19 国会質疑   abetomoko

【時間変更13:30更新】11月18日(金)、厚生労働委員会で質問します(年金カット法案)

★質問時間が再度変更になりました。この後も委員会進行状況により遅れる可能性があります★

11月18日(金)、阿部知子が厚生労働委員会で質問します。

質疑時間は15:25~16:05の予定です。

「年金カット法案」の審議で、女性と年金の観点から質します。

 

衆議院インターネット審議中継でご覧頂けます。

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2016/11/18 国会質疑   abetomoko