阿部知子は3月18日の厚労委員会で雇用保険法改正案等について質問しました。
動画はあべともこチャンネルから。
今回の雇用保険法改正案は、関連する6本もの法案をわずか2日間で審議終了という、いつもながらのところてん方式。「全世代型社会保障改革」という触れ込みで65歳以上の労働者の雇用を確保すると言いながら、委託契約や個人請負の抜け道を作り、企業負担軽減のために労働者保護法制から除外することが目的です。高齢者の雇用拡大とは真逆の内容であると言わざるを得ません。
また、育児休業給付を失業給付と切り離し、安定財源とする内容も盛り込まれています。出産・育児に関する休業給付を国として保障する新たな仕組みを検討すべき時に来ています。阿部とも子は、まずこのことに関連して育児休業問題から順次、加藤大臣に質し、最後に新型コロナ感染症の検査体制についても取り上げました。
働き方によらない出産・育児の生活保障を
育児休業給付金については給付率の引上げ等、年々拡充されてきたことは認めつつ、対象が雇用保険加入の被雇用者のみであることを指摘。さらに国民健康保険は出産手当金(休業時給付金)が任意給付であることが問題として、会社員と自営業という就業形態の違いによって、育児休業期間における給付と支出に300万円もの差が出たケースを紹介、実態調査をすべきと質しました。しかし、「多様な働き方」の旗振りをしてきた安倍内閣の大臣でありながら、あくまで労働保険としての制度の限界であると。少子化対策を声高に叫びながら不合理を解消する意思のないことを露呈しました。
会社員であろうと自営業であろうと出産・育児による休業時の生活保障は当たり前の権利であり、制度が追いついていないなら作ればよいのです。また、女性が出産・子育てを担う大前提は母性保護の概念だと、国連ILO母性保護条約(第183号条約)の批准を重ねて求めました。
高齢就業者の就労拡大には労働安全対策を
阿部とも子は、高齢者、とりわけ女性の労災が増えていることを指摘、加齢とともに身体能力が低下しケガも増えるのは当然です。段差の解消や手すりなどのきめ細かい安全対策が不可欠だとしたうえで、1人親方等の請負であっても労災保険特別加入の対象にすべきと訴えました。被雇用であるか否かによって安全に違いがあってはなりません。大臣からは企業が設備面での安全対策に取り組んだ場合に補助金をつけると答弁がありましたが、特別加入の拡充には踏み込みませんでした。
また、現在の労災認定基準においては、脳・心臓疾患の場合、「業務の加重性の評価」を総合的に判断するとされていますが、加齢や性別等の体力面に応じた適切なものに見直すよう求めました。
新型コロナウイルス感染症の検査体制について
日本の致死率が3.4%と高いことについて、検査体制に問題があるのではないかと指摘、医療者の感染防止を徹底して、重症化する前に治療につなげる体制を強化するべきと質しました。大臣からは、同様の要望が医師会からも出されており、さらに指導を徹底すると答弁がありました。また、地方衛生研究所から国に上がる仕組みになっている報告体制について、都道府県によって差がある原因はこの地方衛生研究所の設置根拠が法令に基づいていないことにあるとして、根拠法を定めることを求めました。
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