阿部とも子は、6月11日に、衆議院経済産業委員会に差替えで質問に立ちました。
宮崎県延岡市が地域新電力の設立のために、議会で予算を獲得しようとしている矢先、ライバル企業となる九州電力が、その新電力会社に利益がでないという情報を流し、設立を妨害した事件についてです。
一体、どのような情報を流したのかとの問いに、経産省審議官は、「新電力が支払う容量拠出金は、2024年度には4280万円、2025年度には5030万円、2026年度にも5030万円と試算し、市内関係者に、計画どおりの利益が実現できなくなる可能性が高いといった説明をしていた」と答弁。
また、「エネ庁の審議会において価格決定方法の在り方について見直す議論がなされておりますが、これを考慮していないなど、ミスリードの面があった」と認めました。
電力ガス取引監視等委員会 佐藤悦春 事務局長
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 松山泰浩部長
経産省の電力・ガス取引監視等委員会は、九州電力に業務改善指導を行いました。
しかし、新興のライバル地域電力についてミスリード情報を流したことにふさわしい厳しい処分を与えていません。
「こんなこと、本当は普通に起こり得ないんですよ。幻のですよ、新電力はできてもないんです、まだ。でも、その幻の上に計算して不利な情報を流す、そんなことまで起こるということは通常想像し難いですよ。でも、現実に起きたからこそ電取が指導したわけですね」との指摘に、梶山大臣は、「九電から延岡市に対してどういう説明がなされたかということを確認をした上で、私どもの方から関係の書類を送ってまた説明をさせていただきたい」と答弁するにとどまりました。
容量市場は、昨年、経産省の「電力広域的運営推進機関」が創設したもので、電力自由化競争で、大型の火力発電や原発の維持管理コストが賄えなくなれば、電力の安定供給に支障をきたすという理由で、再生可能エネルギー事業者も含めて拠出金を出し合ってコストを賄うという仕組みです。
その結果、廃止・休止中の古い火力や原発の生き残りを助ける、再生可能エネルギーの主力電源化に逆行する仕組みとなってしまっています。
延岡市で起きた事例は、その最たる事例です。
容量市場の廃止を含めた制度の見直しが必要ですが、容量市場の制度設計を担うこの審議会に対して、この妨害事例について情報を提供していないことも判明しました。
問題は山積です。
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