既にお伝えしたように、あべともこは、9月28日に「柏崎刈羽原発における核物質防護規定違反に対する東京電力ホールディングス株式会社小林喜光取締役会長の認識について(質問)」(ダウンロードはこちら)を原子力規制委員会に提出。10月6日に回答(ダウンロードはこちら)を受け取りました。
今回は新たに、10月8日に「(再質問)核物質防護規定違反に対する東電会長の認識について」(ダウンロードはこちら)を提出すると同時に、東京電力ホールディングス株式会社小林喜光取締役会長宛てにも、「柏崎刈羽原発における核物質防護規定違反に対する小林喜光取締役会長の認識について」(質問)(ダウンロードはこちら)を送付。
以下の通り、10月12日にそれぞれ回答を受け取りました。
●原子力規制委員会回答
●東京電力回答(ダウンロードはこちら)
今回の再質問の主旨は、東電のガバナンス問題です。
9月22日の「IDカード不正使用および核物質防護設備の機能の一部喪失に関わる改善措置報告書」の「第5章 両事案を踏まえた根本原因」には、「今回の事案に関する経営層の関与」として、次のように触れられていました。
「今回の両事案については、いずれの報告においても、事案の発覚あるいは原子力規制庁に指摘を受けるまで両事案で指摘された問題を認識しうるような情報は含まれていないことが確認されている。こうした事実を踏まえると、社長は、今回の両事案が発生するまで、それぞれの事案の発生を予防するための「指示を出す」上で必要な材料を報告から把握することは出来なかった。また、上述のとおり核物質防護規定で求められる役割については不備がないことが確認されており、これらから、社長において、今回の両事案発生に対し、核物質防護規定に抵触する行為があったと言うことは出来ない」
「つまり、現場の法令違反を原子力規制庁に指摘されるまで社長は知らなかったから法令違反、核物質防護規定違反ではないとの認識です。これは現場と経営層が一体であるべき原子力事業者にとって是正不可能な深刻なガバナンス問題を呈している」(再質問状)という点でした。
しかし、更田委員長の回答は、「2つの事案について、今までの検査で把握した内容と報告書に記載されている内容との整合性及び原因と対策の対応関係を精査し、これから実施する検査の項目、視点、スケジュールなどについて審議する予定」にとどまりました。
また、東電からは「社長及び原子力・立地本部長に同規定違反となる行為は確認されなかったとの趣旨の発言であり、IDカード不正と機能の一部喪失事案自体の法令違反に関する認識を示したものではありません」と、現場と社長・部長の行為を、別個に認識していることが改めて明らかになりました。
【関連サイト】
■2021年10月6日 原子力規制委員会記者会見
■2021年10月5日 柏崎刈羽原発取消しもありうるが、「承知しておりません」?!
■2021年9月28日 柏崎刈羽原発における法令違反に対する東電トップ認識について原子力規制委員長に質問状を送りました
■2021年9月22日 柏崎刈羽原子力発電所 改善措置報告の記者会見(東京電力)
■2021年9月22日 IDカード不正使用および核物質防護設備の機能の一部喪失に関わる改善措置報告書(東京電力)