8月22日と9月19日の2回にわたり、阿部知子の呼びかけで「国際放射線防護委員会の勧告(案)に関するヒアリング」を議員会館で開催しました。
「国際放射線防護委員会(ICRP)」(本拠地:英国)は、チェルノブイリと福島第一原発事故を教訓とした放射線防護案 について、9月20日を締め切りとして国際的なパブリックコメントの募集 を開始しました。
一般公衆の被ばく線量限度は年1ミリシーベルト(mSv)以下ですが、今回の勧告案では、大規模原発事故が起きた際の「緊急被ばく状況」では100mSv以下、その後の「現存被ばく状況」では年10mSv以下としました。これは、いずれ国内法令に反映されうる勧告案です。
締め切りは10月25日まで延長
原子力規制庁は勧告案についてアナウンスもせず、勧告案が最終決定版になるまでは日本語訳も作成しないというスタンスであったため、原子力規制庁を通じ、勧告案づくりに参加・関与したICRPのタスクグループ(TG93)等の以下の委員に解説を依頼しました。
・伴信彦氏(原子力規制委員)
・甲斐倫明氏(放射線審議会委委員)
・本間俊充氏(原子力規制庁)
その結果、1回目は原子力規制庁の放射線防護企画課職員(元ICRP出向者)が、2回目は本間俊充・同課放射線防護技術調整官が解説、残余の質問については本間氏がTG93ドラフト解説.pdfを寄せてくれました。
1回目と2回目のヒアリングを通じて、専門家やNGOからは、勧告案には福島での教訓が正確かつ十分に反映されていない等、強い懸念や疑問が呈され続けています。
また、ICRPに対して日本語訳を行った上で締め切りの延長が行われるよう強く求められた結果、ICRPは国際パブコメを10月25日までと延長、同日、東京でシンポジウムを開催することも決定<参考:原子力市民委員会> しています。
【関係動画/報道】
■8月22日Ourplanet-TV「子どもに年10mSvの被曝容認?〜放射線新基準でヒヤリング」
■9月19日Ourplanet-TV「【アーカイブ】ICRP勧告案に対するヒアリング」