「カジノ管理委員」に就任した元警視総監(元東京都警察本部長)の樋口建史氏が、カジノ関連業務を行っている西村あさひ法律事務所のアドバイザーも兼任している。2月7日の衆議院予算委員会で追及を行いましたが、その後、樋口委員はカジノ管理委員会ではなく、法律事務所のアドバイザーを辞任したことが分かりました。関連記事はこちら(1つ目、2つ目)本来ならカジノ管理委員会の方を辞任すべきところです。
====2月7日の衆議院予算委員会の議事録抜粋====
○阿部知子
最後の質問に、武田大臣にお願いいたしますが、実は、カジノ管理委員会の非常勤の委員であります樋口建史さんが、(略)西村あさひ法律事務所のアドバイザーとして今も登録をされております。カジノ管理委員会の非常勤の樋口さんが、この個別の西村あさひ法律事務所というところに登録を今もされております。これは許されることなのか。
そして、もう一点。この西村あさひからは、せんだっての塩川さんの御質疑で判明したことですが、カジノ管理委員会(事務局)にもお人を出しておられます。また、もっとさかのぼれば、いろいろな、パチンコ事業のファンディングとかを推進もしてきて、もちろんそれは業務だからあり得ると思いますが、カジノの関連のさまざまな業務もしていらっしゃる、アドバイザーとして、この全体はです。個別、樋口さんがやっているかどうかはわかりません。
そこのアドバイザーとして、弁護士事務所の、今も登録されているということは、私は、これはいろいろな疑念を抱かせるもとになると思います。カジノ管理委員会の独立性や透明性というのは非常に重要な、スタートしたばかりですし、いかがでしょう。
○武田国務大臣
御指摘のように、樋口委員が、現在、西村あさひ法律事務所の非常勤顧問に就任しておることは承知をいたしております。また、一方で、西村あさひ法律事務所の全ての業務内容の詳細について、我々は承知はいたしておりません。
先生御指摘のように、カジノ管理委員会が疑念を生じさせることは慎んだ方がいいのではないかという御指摘はごもっともでありまして、我々は、カジノ事業という、これをしっかりと健全なものにするためにあるわけであって、また一方で、カジノ規制というものを厳格に執行するための独立した機関であります。そうした疑念を抱かれないように、しっかりとした職務に努めなければならないわけであります。
先般の御質問にもお答えしましたけれども、我が国にとって初めての事業なんです。それを管理しなければならないということになれば、その全体像や細部にわたって、しっかりとしたデータ、そしてあり方等を我々自身が把握しておかなければならない、どこか、ノウハウを持った、知見を持ったところからさまざまなアドバイスを集約しながら、ある一定のルールというのを定めていかなくてはならないということも御理解をいただきたいと思います。
我が国にとっては初めての事業であるということを、どうか御理解いただきたいと思います。
○阿部知子
今のは御答弁になっていません。兼任していいのか、ここでアドバイザーをやり続けていいのかと伺いました。そういう委員会にしてはいけないんです、カジノ管理委員会は。武田大臣、しっかりと考えていただきたい。やはり、そういう起こりやすい構造なんです、今大臣がおっしゃったように。だからこそ、ここはやはりけじめをつけるべきであるというふうなことを指摘して、質問を終わらせていただきます。
====2月7日の衆議院予算委員会の議事録抜粋ここまで====
この質疑については、3月6日に
■2020.03.06 18:10 寺澤有「警察を見れば社会がわかる」
【安倍政権】カジノ管理委に元警視総監委員・西村あさひアドバイザーの就任は利益相反!?
で報じられました。そして、その後の取材で、3月6日までには「西村あさひのホームページを見ると、10人いたアドバイザーが9人に減っており、樋口氏の名前と写真が削除」されており、2月末日付で西村あさひ法律事務所を辞任していたことが判明したと続報されました。阿部知子のコメントも掲載されています。
■2020.03.11 16:00 寺澤有「警察を見れば社会がわかる」
安倍政権のカジノ管理委員会に重大な疑問…利益相反疑惑の委員は辞任すべき