入院病床は各地でひっ迫、東京は9割埋まる
5月13日厚生労働委員会
◇安倍総理の「5万床」は空き病床の数合わせ!
5月13日の厚生労働委員会において、阿部とも子は引き続き新型コロナウイルス
感染症の入院病床の確保状況について質しました。
新型コロナ感染者用の病床について、5月1日現在で都道府県が報告した数は、ピー
ク時に確保を見込む3万1千床に遠く及ばない1万4千床でした。この数について加藤
大臣は、感染症の患者を受け入れるためには設備や防具のハード面はもちろん、医師
や看護師などの人材も必要だが追いついていないと弁解に終始。安倍総理が早々に打
ち上げた「5万床確保」は、単なる「空き病床」の数合わせに過ぎないことを認めざ
るを得ませんでした。
さらに、「神奈川方式」を引き合いに、重症、中等症など症状別にどこにいくつ病
床があるかを見える化する必要があると指摘。大臣からは、現在開発中の情報管理シ
ステム「HERSYS」により、全国の症状別の患者数や治療状態などを一元的に把握する
取り組みを始めていると答弁がありました。
◇総務省の改善勧告を2年半も放置
総務省が2017年12月に出した感染症対策に関する勧告を再度取り上げ、2年半に渡って
まともに対策せず、放置しているに等しい実態について質しました。
勧告の主な内容は、病床数が基準を下回る都道府県:75%。医療従事者の配置・二次
感染防止措置が不十分。院内感染防止措置が不十分等々。そうした状況で起きたのが
今回のコロナ禍であり、せめて1年前に対応していればここまでの事態には至らなかった
のではないかと指摘しました。また、昨年公表された公立・公的病院の統廃合案の評
価の指標に感染症が抜け落ちていることについて見直しを求めました。
◇JCHO、NHO両病院は、基幹病院として全国に範を示すべき。
地域で患者受け入れの基幹病院として機能する地域医療機能推進機構(JCHO)と、全
国最大のネットワークを生かし、中心的に国の政策医療を担う国立病院機構(NHO)で
発生した院内感染について取り上げました。全国で発生しているクラスターについて
はようやくその数251とされましたが、具体的な内容は一切公表されません。JCHOの
尾身理事長に、知見を公表し共有すべきと指摘しました。
大分医療センター、北海道がんセンターと、すでに二つの病院で院内感染が発生し
たNHOの楠岡理事長には、それに加えて医療者を守るという視点から職員へのPCR検
査の徹底を求めました。また、NHOはその根拠法に、国民の健康に重大な影響のある
疾病に関する医療の向上を図るとされていることから、5年ごとに定める中期目標に
触れ、2023年までの第4次計画を見直し、感染症対策について明確に入れ込む必要が
あるのではないかと質しました。大臣からはNHOとよく相談して対応したいと答弁が
ありました。
コロナ発生状況等、5月13日厚生労働委員会 質問時PDF資料はこちら
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