2020/11/25

【動画あり】11/11 厚労委員会で阿部とも子は、ひっ迫した医療現場の窮状を訴え、国の対応等について質問に立ちました。

1. 新型コロナ感染症による医療機関の減収について

   新型コロナウイルス感染症の影響による全国の病院経営の悪化は顕著で、「日病・全日病・医法協」の最新調査によると、4月・5月の大幅な医業収入の減収にとどまらず、6月・7月も回復しないまま大幅な赤字が続いています。

とりわけ神奈川県はダイヤモンド・プリンセス号の患者受け入れの影響で医業利益の落ち込みは全国の倍近く。緊急的な経営支援の必要性について質しました。大臣からは二度にわたる補正予算で、包括支援金等、4月から3兆円を確保して対応していると答弁がありましたが、空床補償やICU管理加算等の「上乗せ」でしかなく、使い勝手も悪いため医療機関の困窮に対応した制度とはなっていません。そもそも1月からベースが落ち込んでいる中で補助金や診療報酬の加算では焼け石に水。落ち込んだ分を対前年比で補てんすべきと重ねて訴えました。

 

2. 「地域医療介護総合確保基金」でなく「感染症対策総合基金」を

  「地域医療介護総合確保基金」は地域医療構想の達成に向けて作られた

たものですが、目的は病院の再編・統合のための財源確保であり、医療機関のこの間の惨状に対しては全く無用な基金であるばかりか、感染症への備えという視点は皆無です。しかし、本来は「地域の実情を踏まえた財源確保」を謳っている以上、今こそ「コロナ対応」にシフトすべきですし、今後も新興・再興感染症によるパンデミックが起こり得るのですから、必要な時に柔軟性のある財政的支援ができるような「感染症対策総合基金」こそが必要ではないかと質しました。

 

3. 小児科医療の持続可能性について

   小児科の減収減益について、レセプト点数の前年同月比、前前年同月比でみると、4月以降は耳鼻咽喉科と並んでトップです。

   小児科診療所では、医業収入が前年同月に比べ

    ・30%以上減少した月があるは 6割近く、

    ・50%以上減少した月があるは 約1割。

 すでに閉院した小児科診療所も出始めていますが、受診控えは不可抗力であって個々の責任ではありません。小児科がなくなってしまうことは、地域にとっての損失ですから、診療報酬上の臨時的措置として、「小児科外来診療料」等の加算、加配等の措置を求めました。

大臣からは「少子化対策、子ども達を産み育てる家庭を応援したいという菅内閣なので、しっかりと小児科を守るような対策を講じたい」と前向きな答弁がありました。

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