予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案
予防接種法改正案に対する質疑の場ですが、冒頭、内閣府において児童手当の給付のあり方を検討しているという報道について質問をしました。
1. 児童手当特例給付の削減について
報道によると、内閣府は待機児童対策として、児童手当の特例給付(高所得世帯向けに子ども一人当たり月5千円を給付)を来年度から廃止し、併せて年収の判定基準を『収入の多い方』から「夫婦の合計」に変更して給付対象を絞り込む検討を始めたという事です。
これは子育て世代間での単なる付け替えにすぎないと早速質疑で取りあげました。児童手当は子どもを社会で守り育てるという理念の下、子育て世代の支援が目的の貴重な現金給付です。それでなくても日本の子育て予算はOECD諸国でも最低ライン。全体の子育て予算は増やさずに、中でパイの奪い合いをするようなやり方は分断を生むだけだと追及しました。内閣府政務官からは様々な生活実態を踏まえて検討したいと答弁がありました。
2. 「ワクチン」の前に、感染予防のための検査体制は十分か
北海道では陽性者が4日連続200人を超えており、複数のクラスターが発生しています。政府はそうした地域において一斉・定期的な検査の実施を都道府県等に対して要請していますが、今回きちんと実施されたかどうかを確認したところ曖昧な答弁に終始。これまでに最大のクラスターが発生していることに危機感がないとして、あらゆる人材、例えば自衛隊等に応援要請してでも検査体制の充実を図るべきと強く求めました。
3. 新型コロナワクチンについて
8月21日の分科会では「肺や気道に感染するウイルスのワクチンで感染そのものを予防する効果はない」という専門家の意見が出されました。上気道の感染は血中抗体では防げないからであり、インフルエンザワクチンも効果が認められているのは個人の重症化予防のみです。だとすれば臨時接種の目的である蔓延予防には役立たず、実態と目的がずれているのではないかと追及しました。
また、元FDAのSharfstein博士らは、COVID-19ワクチン開発と規制に対して、市民の信頼を得るためには透明で厳密なアプローチが必要だとし、次の4つを「安全装置」として機能させるべきとしています。
1)有効性に関する強いエビデンス
2)安全性に関する強いエビデンス
3)正式承認前の使用に際してのインフォームドコンセントの徹底
4)包括的な安全監視システム
これら4つの指摘についてどう対応するのかを質しましたが、明確な答弁はありませんでした。
次に、努力義務を課すことについては、新型コロナウイルス感染症の病態を踏まえたワクチンの有効性・安全性について、正しく情報提供し、「接種は権利、義務ではない」という基本原則が広く国民に周知され、適切な自己決定につながるよう、あらゆる手段を尽くすべきだと質しました。
最後に安全性の監視体制と迅速な救済について質問。新型コロナワクチンについて、分科会は「現在開発中のワクチンは抗体産生によりRSワクチンやデングワクチンのように、接種したことで病態が悪化する病態憎悪を引き起こす可能性もあると指摘され、モニタリングの強化と継続的な情報収集が必要だとしています。
安全な接種体制と迅速な被害救済は車の両輪であり、副反応が発生した場合は速やかに報告が上がる仕組みが重要です。特にHPVワクチンで明らかになったように時間が経過してから副反応が出現するケースもあり、長期のフォロー体制が必要と指摘して質問を終わりました。
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