2020/04/06

放射性物質に汚染された土壌の再生利用は止まりました!

阿部とも子が委員会質問や質問主意書で追及し続けてきた、放射性物質に汚染された土壌を公共事業等で再利用するための施行規則は、4月1日から施行開始する予定でしたが、「引き続き検討」となり、止まりました(結果公示案件詳細)。

環境省は1月8日から2月7日かけて施行規則案のパブリックコメントを実施、その結果、2854件もの意見が寄せられました。
国民から寄せられた意見、および意見に対する環境省の考え方

その結果、「現時点では制定しないこととし、実証事業の成果等も踏まえ、引き続き検討を行う」との発表がありました。
結果

 

【検討中】から、【引き続き検討】へ

汚染の拡散は許されないと、阿部とも子は委員会や質問主意書で重ねて問題を追及してきました。

●2020年2月5日 「除去土壌の再生利用の基準に関する質問主意書」 提出
質問主意書 答弁書

●2020年2月25日 予算委員会第6分科会で小泉環境大臣に質問

●2020年3月10日「放射性物質に汚染された土壌を環境大臣が鉢植えに利用したことに関する質問主意書」提出
質問主意書 答弁書

●2020年3月23日 「放射性物質に汚染された土壌を環境大臣が鉢植えに利用したことに関する再質問主意書」提出
質問主意書 答弁書

特に、2月5日提出質問主意書で阿部とも子が以下のように尋ねたのに対し、政府は、「三、八並びに九の1、2、4及び5について 御指摘の環境省令案については、現在、環境省において検討中である」と答弁 していました。

三 環境省令案には、「除去土壌の再生利用の基準」と書かれているにもかかわらず、再生利用にあたっての用途先、遮蔽条件、濃度限度、必要な覆土の厚さなど、数値基準がまったく書かれていない。これらの記載がないままで、人々の健康を守る拘束力をどう持たせられるのか。


八 環境省令案にある「除去土壌の再生利用の基準」には、用途、遮蔽条件、濃度限度、必要な覆土の厚さなどの記載がない。何を根拠に誰が、基準を守っていると判断するのか。環境省の担当者が説明するように環境省令案を落とし込んでいる「福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌の再生利用の手引き(案)」にある用途、遮蔽条件、濃度限度、必要な覆土の厚さに反した再生利用が判明した場合、法令違反を問うことはどのように可能なのか。また、誰が法令違反の責任を問われるか。


九 環境省令案では、「次に掲げる事項の記録及び除去土壌の再生利用を行った位置を示す図面を作成し、当該再生利用を行った場所の管理が終了するまでの間、保存すること」とある。
1 この記録を環境省は一元管理するのか。
2 「管理が終了するまでの間、保存すること」とは、いつまでか。具体的に明らかにされたい。
4 濃度に応じた管理期間を「除去土壌の再生利用の基準」に書かないのは何故か。
5 「次に掲げる事項」の記録を作成すべき者が、事実に反する虚偽記載をした場合や、実際の再生利用状況と記録が食い違っていたりする場合に、罰則はあるか。


これに対し、3月23日の「再質問主意書」で、

六 二月五日に提出した「除去土壌の再生利用の基準に関する質問主意書」で、「再生利用にあたっての用途先」「の記載がないままで、人々の健康を守る拘束力をどう持たせられるのか」と尋ねると、「御指摘の環境省令案については、現在、環境省において検討中である」との答弁だった。環境省は環境省令案を四月一日から施行しようとしているが、これに対する検討を行ったか。


七 二月五日提出の同質問主意書で、「再生利用にあたっての」「必要な覆土の厚さなど、数値基準がまったく書かれていない。これらの記載がないままで、人々の健康を守る拘束力をどう持たせられるのか」と尋ねると、その答弁も「御指摘の環境省令案については、現在、環境省において検討中である」というものだった。環境省は環境省令案を四月一日から施行しようとしているが、これに対する検討を行ったか。

等と追及したところ、「引き続き同省において検討中である」との答弁を得ることができました。

2月25日の委員会質問で、管理の下で汚染土壌を再生利用するという前提が崩れ、質問主意書で用途先、遮蔽条件、濃度限度、必要な覆土の厚さなど、数値基準がまったく書かれていない再生利用基準の説明がつかず、施行規則を制定することが不可能となったのです。